ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 これでいいのだ!・・・とはとても思えません。

日曜日は選挙でした。
タイミングが悪いことに、大学3年のオトートたちは大事な就活のイベントがお台場であって、6時前には起きてスーツに身を包み、準備してました。
前日の朝になって急に「明日何時に帰れるかわからないから、選挙に間に合わないかもしれない!困った!」と言い出した彼は「大丈夫じゃないの〜?だって選挙は8時までだよ〜」なんてのんきに言う母を尻目に「どうしても今日中に選挙を済ませたい」とのことで、近所の役所の出張所へ。
前日にも関わらずずいぶんたくさんの人が並んでいたそうで、ああ、やっぱり関心が高いんだなあと思ってました。
後で聞いたところによると、ご近所の若い夫婦や学生たち、娘まわりの20代女子たちも、最近はニコニコする動画(笑)なんかで政治への関心が少しずつ高まっていて、政治について話したり、友達と連れ立って投票に行ったりもしたそうだし、確かにそういう世代も投票所で普通にたくさん見かけました。
ところがところが・・・蓋を開けてみれば投票率が過去最低とのこと・・・なんとなく解せない気持ちでいます。
若者の投票率が低いというのも、少なくともこの辺ではそうでもないけどな〜とちょっとびっくりでした。
ツイッターで見たあちこちの様子を目にしても、どこも大盛況でかつてないほどの大行列ができていた・・・とあちこちで聞くのに、海外にお住まいの日本人も今回はいつもよりずっと関心が高くて、みなさんちゃんと投票されたらしいとも聞いたのに・・・どうして投票率が低かったのでしょう。
うちの近所や友達周りをみても、いつになくみんな選挙!選挙!と意気込み、悩みながらもこの一票を大切にしなきゃというモードだった気がするのに不思議です。
さらに夜は結果を見て呆然。
あんなに極端に特定の政党に票が集まるとは夢にも思わなかったのでちょっとショックを受けてしまいました。
う〜ん、あれでよかったんだろうか?なんだかなぁ。
むしろ今回みたいにどこへ入れたもんだかさっぱりな事態な場合、あちこちの政党に票が割れた方がずっと健全な気がしたのですが、そうでもないのかなぁ。
オットが定期購読しているTIME誌の前の週のタイトルが「Japan Moves Right」で、それを見て夫婦で顔を見合わせてうわ〜っ!!(怖)となっていたところだったので余計にそう思ったのかも!?
わたしが幼い頃住んでいた借り上げ社宅は山口県の片田舎、国道から2キロくらい、山に抱かれた自然豊かなところにありました。
お隣は農家をしている大家さんのおうちで、トトロのメイちゃんをかわいがってくれるおばあちゃん、あんなイメージのご夫婦でした。
大きな竿で柿を取るのを見ていたら「やってみる?」と竿を差し出し、抱えきれないほどの柿の実を持たせてくださったり、子どもたちが縁側で将棋で遊んでいるのを一杯やりながら遠巻きにニコニコと眺めて、その手はダメじゃちゅーたのに。ほら負けた・・・なんて不意に話に入ってきたり・・・意外といっぱいおしゃべりしたのを覚えています。
このおじいちゃんがよく東の空を眺めながら「ピカ(原爆)が落ちた日はこん家(この家)からも光るんが見えてのう。音よりもなんせ光が強烈じゃった」とか、そのあと怒涛のごとくやってきた被害の怖さ、いつまでも残る後遺症の話など、臨場感あふれる経験談をいろいろと話してくださったのを今でも鮮明に覚えています。
修学旅行は小学校が広島の原爆ドーム。中学校は九州でやっぱり原爆の跡地に行ったし、ふたりのイーダ、黒い雨、東京大空襲・・・原爆にまつわる本が課題図書になったり、学校に被爆体験をされた方がいらして経験談を聞く機会が設けられたり、被災地に近かったせいか、被爆国としての意識、責任を強く感じ、それが教育にも反映される意識の高い地域だったのだと思います。
そんな中で受けた平和教育がしっかりと心の中に根付いていることもあり、更に高校の公民の授業でもしっかりと民主主義について、平和憲法の大切さを真摯に訴えてくださった先生の言葉が心にくっきりと残っていることもあると思うのですが・・・
まさか自分が生きているうちに憲法改正が焦点のひとつになる選挙が行われることになろうとは夢にも思っていませんでした。
さらにその投票結果や、憲法は改正されるべき、国や領土は積極的に武力を持って守るべき・・・との見解を語る政治家の・・・
のみならず、インタビューされて「こんな風に諸外国になめられたままじゃダメでしょう!こっちからガツンと強い態度を示さないと!」なんて語る中高年の一般の方々の声にむしろ震え上がりもしました。
正直この国の将来を考えると、こういう空気はとても怖いことだと思います。
平和ということは社会生活において、当然のように何よりも優先されるべき事項だと思っていたのですが、そこもなんだか怪しくなってきました。
「どうせ誰が上に立ったって何も変わらない」という人もたくさんいますが、本当にそうかな?
前の選挙の時には考えられなかったことが争点になり、今回の選挙によりすでにあちこちで「判断はくだされた」・・・ということになりかけています。
この結果をもってすると、諸外国は「日本は原発にYES!という答えを出した」「大きく右へ舵を切った」と思われても仕方がない気がするし、実際にそう報道している国も多くあるそうです。
少なくともわたしが目にする範囲のツイッターやブログでは、あちらこちらの原発を一刻も早く動かしてほしい派も、憲法を改正するのが急務だなんて言ってる人もいなかったし、ましてや武力で日本を守らなければなんて言っている人はひとりもいなかったし、わたしの周りのリアルな世界の中にはタカ派な考え方の人は誰もいませんが、数字はなんだかとっても極端な数値を叩きだしています。
国会でここまで政党が偏ってしまうと、知らないうちにたいして議論もされず、テレビでは相変わらず揚げ足取りのやり取りだけが放映されながら、知らないところで次々と偏った政策が通ってしまうのではないかという心配が出てくるような・・・
そういえば、先日イヤなことを思い出しました。
小学校の頃、私たちの学校では原子力発電がいかに素晴らしいかについて、夏休みの学校の宿題で作文を書かされたことがありました。
税金について書かされる作文や、夏休みの暮らしぶりを毎日記す夏休み帳とほとんど変わらない気持ちでちゃちゃっと書いたそれが、なぜか県から表彰されて、ご褒美として防予汽船というフェリーに乗せてもらって四国に連れていっていただいたことがあったのです。
選ばれたと聞いて表彰されてもちっとも実感が沸かず、なんでわたし?くらいの気持ちで船に乗ったし、無料で連れて行ってもらった旅そのものはいい思い出として心の奥底に深くしまわれていたのですが、不意に先日この作文そのものの意図することに気がついてゾッとしました。
あれだけ原爆の悲惨さの教育をしながら、一方で小学生にこんなテーマで作文を書かせていた学校教育の矛盾。
そしてその矛盾にまったく気がつかず、大して考えもせずに相手の意図するように乗せられて作文を書いて賞までいただいて無邪気に喜んでいたバカな自分。
そしてほぼ半世紀(そこまでじゃないけどね、笑)も経ってから、このことが最大の汚点のように感じている自分。
当時の自分に今会えるなら、ものすごい勢いで「そんな作文書いちゃダメ!!」と止めそうな気がしますが、今となっては後の祭りだし、たとえば主義主張に反するからと言って小学生が宿題になっているものを「ノー!!」「書きたくありません」とは言えたかな。
もっと言えば、当時は学校の先生のいう事を今よりずっと信頼していたし、学校教育が間違ったことを児童にするわけがないという気持ちが確かにあったような気がするし、わたしにとっては先生たちは好き嫌いはあっても、ちゃんと信頼、尊敬できる大人の集まりでした。
いろいろ考えるにつけても教育ってものすごく大事だと思うし、人としての正しい見識を漏らさず伝えることの大切さを感じます。
ちょっと待って・・・その正しい見識そのものが今、とっても揺らいでいる?わたしが常識だと思っていたことは世間のそれとはほど遠いの?
これからの世の中がどんな風になっていくのか見当もつかないですが、まだ間に合ううちに、子どもたちの未来のためにできること、言っておくべきことはなんだってしておかないといけないのではないかと思い始めています。
投票するのは人口比から言っても選挙への関心度から言っても圧倒的に中高年が多いと思うのですが、後々そのツケが回ってくるのは多分中高年よりも圧倒的にこれからの若い世代ではないかと思います。
ほんとうにこれでいいのかな?
テレビをつければ不愉快極まりない発言をする声の大きな人たちの意見ばかりが耳に入ってきて、耳を塞ぎたくなることも多々ありますが、だからと言って見ないフリしちゃっていいのかな?
今の自分たちの便利な生活の継続のために次世代以降を犠牲にしてもいいのかな?弱者や声の小さな人を切り捨ててもいいのかな?
どういう方向に進んでいくのかは、100年後にこの国に生まれるであろう命のことまで考えないと、この国に未来はないのではないかな?
今、切実にそんなこと思っています・・・考え過ぎでしょうか?・・・
そういう次元の話とは全然違うのですが、テレビ東京の池上氏の選挙特番!!
普段から独自路線を行き、絶対にそのやり方を他局や大勢に媚びて変えることはない・・・と若い子たちやうちの子どもたちから圧倒的な信頼?を得ているテレビ東京ですが、今回最強タッグでまたかの局の実力の程を見せつけられた気がしましたよ!!(笑)
ザッピングしつつあちこち見ていたし、もちろん全部オンタイムで見守っていたわけではありませんが、池上氏の切り口の鋭さと、言いにくいことをズバズバ切り込んでいく冷静沈着な強さに猛烈に引き込まれました。
ツイッターまとめサイトをみつけたので貼っておきます。こちらです。