ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 堂本剛 平安神宮公演 2012 9月14日 その5 MC編

 




やっと写真を整理したので、遅らばせながらとりあえず貼っておきます。
数日経ったらふさわしい場所に振り分けて貼るかもですが、とりあえずしばらくはここに置いておきます。
さて。本題。
この日、平安神宮の朱色が照明に照らされている様子は、平安の昔と今の時空が交錯しているようでもあって、神々しくもあり、ノスタルジックでもありました。
深い紺色の夜空に照明に浮かび上がる朱色がまたよく映えてました。虫の声さえもが舞台演出のひとつのよう。音楽や歌声が小さくなると自然と聞こえてきました。
そんなさまざまを肌で感じ、夜の空気の中呼吸しながら、そこで行われている音楽に耳を澄ましていると、つよさんの伸びる声がするりするりと天に昇って、京都の夜空に溶け込んでいくのがまるで見えるようでした。
こういうのが「ハレ」というのかな?とふと思いました。
この「ハレ」という言葉に注目するようになったのは、蔵前のお食事処「結わえる」さんに行ってからです。
ここはつよしさんが手作りのノートを作ったお店、文房具の「カキモリ」さんのほど近くにあります。
お店のお品書きだったか張り紙だったかに、「ハレ」について書かれていました。
この「ハレ」(非日常)には対となる言葉「ケ」(日常)があって、ハレの日というのは、まさしく非日常の折り目、節目の日。
「ハレの舞台」という言葉はここから来ているのですって。
そして「晴れの日」というのは「ハレとケ」について書かれたwikipediaによれば、そもそも

江戸時代までさかのぼると、長雨が続いた後に天気が回復し、晴れ間がさしたような節目に当たる日についてのみ「晴れ」と記した記録がある。

のだそうです。雨がつきもののつよしさんの野外ライブですが、雨と同じくらい「晴れ」の記憶が鮮烈です。雨があればこその晴れ。わたしは参加しておりませんが、二日目、三日目はお天気がよくなって満天の星空の下、流れ星を見ながらライブが行われたのだそうです。
それはそれでとっても素敵だったことと思いますが、わたしはわたしで「君に逢う日は不思議なくらい雨が多くて〜♪」なしあわせな記憶がまたひとつ。今思い出しても胸キュンな思い出が増えました。
秋の気配が訪れつつある今日この頃、こういうことをつらつらと考えるのにとっても適した季節になりました。
この「ハレ」と「ケ」の概念に関しては、もっと詳しく調べてみたいなんて思っています。
というわけで、MCとわたしの感想をちょっとだけまとめて終了です。
それでは、MCで心に残ったところを箇条書きで書いていきます。
・「どうも。まあこんな感じです。
すべての音楽が終わったあと、まるで一緒に見ていたテレビが終わったみたいな気安さとさりげなさで、のんびりとMCが始まりました。
ここまでMCは一切なし。わたしはこういうパターンも好き。音楽とパフォーマンスにひたすら集中したあとの贅沢なクールダウンの時間。


・「なぜかいつも雨が降るなあ。台風16号が突然現れて・・・」
さすがにつよしさんも気がついてきたらしいです(笑)


・今回のステージは「くに」ということを意識して、センターに自分。周りを囲むようにメンバーさん。まさしくshamanipponのくにのかたち。
テーマは「ひとつ
いのちも人生も、日本という国もひとつ。
何か生きることをメッセージにしたかったそうです。争いを生むようなYESやNOとは違う、YesでもないNoでもない自分だけの答え。
「ひとつ」という答え。
お互いを尊重し合うこと。音楽、ファッション、みんなひとつで何かを作っていく、その中で人生を楽しむ。そんな場所を目指していくことができたらと思っている。


・「何曲か知らん曲歌ってるけどオマエ」的なものがあったでしょう!?初聴きの曲が多かったことと思います。


・今回、最初何をやろうかな?と思って曲をあげていったら「くにのうた」1曲しか残らなかった(笑)リハ中に「あれ?あんま歌ってないな。」と気づいたそうです。



・つよしさん「これ(新曲)をここにいる皆様が初めて聞いたということで…」
ここで一旦言葉を切って拍手を待つ(笑)
会場「パ・チパチパチ・・・・・・」(微妙にパラパラと聞こえる拍手の音)。
つよしさん「…微妙な拍手をありがとうございます(笑)」
会場「わーーーっ!!(声とともにだんだんに大きくパチパチパチ…)」
「あ、演技とかは間に合ってるんで…(笑)」むふふふっと笑うつよしさん。「気を使っていただいて・・・」
いえいえ、微妙だったからではなくて、この日は静かににこにこと雰囲気を楽しむモードに入っていた人が多かったように思います。
虫の声。古都の景色。雨あがりの湿った空気と草の匂い。そして美しい彼(ひと)。
いろいろとご馳走を目の前に、静かに楽しんでいたのですよ・・・少なくともわたしはそう(笑)わたしはつまらないとは全然思いませんでした。
そもそも最近、わたしの中では、歌と演奏の境界線がだんだん曖昧になってきました。
カンタービレ」という楽語(音楽用語)がありますが、演奏していても歌っていても、鳴っている音楽はまさしく「つよしカンタービレ」。
心にある音楽を伝える手段が違うだけで、どの楽器を媒体に音を鳴らしても、声を出しても・・・伝わってくるものの本質は一緒と感じています。
それだけ楽器が自分の一部のようになってきて、自由自在に操れるし、お手本通りではなく、誰かの真似でもなく、彼だけの特徴的な音を鳴らすようになってきた・・・ということなのではと思います。



・shipの時に生まれてきた即興曲の二曲を再度アレンジしたり歌詞を変えたりして、今日披露した。
来年のshamanipponのアルバムにも収録する予定だそうで、その時はアルバムを聴いてちょっとタイムスリップしてください。
その時はきっと更にアレンジも歌も進化して、もっと練に練られた楽曲になって帰ってくることと思います。進化の過程を見せてもらえることがそもそもとってもしあわせです。期待に胸がふくらみます。楽しみです。


・演奏が比較的に多く、実際歌うのは通常より少ないけど、他のところでは、また歌う機会もあると思うから。
どうぞ、どんどんそういう機会を作ってください!まだまだ全然、届くべき場所に届いているとは思えません。
もったいないです。ほんとうに。



・みんなさん、帰り道、お気をつけてください。ここは京都ですから・・・奈良と違って溝は少ないので大丈夫だと思いますけど。



・人が感じていること。リハーサルをしながら、その場の瞬発力で何かを生み出すこと。
凄く練習したものを提供することも楽しいけど、蓋を開けてみないと分からないというものをやること、その場を「生きる」ということもとても楽しい。どっちかというと今回のステージは後者だと思っています。



・真面目なこといっちゃいましたが、本当は可愛いんで。
今日も鏡を見て、可愛いって思ってましたから。みなさんの愛情をたくさんいただくことによってかわいくいられるんです。
(このあたりは多分、彼的に真面目な話に終始しちゃったから、ちょっとだけ彼流のサービス、和みトーク。)


・最後にバンドメンバーさんの紹介後、先にバンドさんたちを見送ってから、つよしさんと客席全員で二礼二拍手一礼で締めました。
(実は例年、バンドのメンバーさんも一緒に二礼二拍手一礼をしているので、わたしは先にバンドさんを送ってしまったのは、案外つよしさんが段取りを間違えたんじゃないか?と踏んでいます、笑)
そしてつよしさん、客席に背を向け、拝殿に向かってお参りをします。
ファンもつよしさんを見ながら一緒にお参りをするのですが、これが掛け声ひとつ掛けないのに、びっくりするくらいぴったりと揃ってました。
その場にいた人達はきっと誰もがびっくりしたことと思います。
そして、そのことをものすごく無邪気に喜ぶつよしさん。

いつも思うのですが、寺院仏閣ライブは神さまなくしては成り立たないライブです。
だからこの「ありがとう」という気持ちを神さまにちゃんと伝えるという瞬間がとても大切に思えます。
音楽を奉納するライブというのは独特な空気があって、時間や歌う量に関わらず、いつもとても心にたまった老廃物を置いてこれたような、カタルシスを感じて帰ってきます。
不思議と音楽そのものにもまっすぐと向き合える気がします。おもしろいです。
そして感謝の念がとっても自然に沸いてきます。
何十年も西洋音楽と向き合ってきているので、たとえば教会音楽とかレクイエムは、宗教のことがわからなくてもわりと馴染み深いのですが、和の神さまとの出会いはほぼつよしさんと出会ってから。
もちろん垣根もこだわりもないので大歓迎ですが、こういう楽しみ方、音楽との関わり方を知れたのは、つよしさんのおかげのような気がしています。


・ネットとかで来れなかった人に今日のことを伝えてあげる時は、曲数の少なさを「あんまり歌わなかった」じゃなくて、「1曲1曲を大事に歌ってました。」とか叙情的な日本語を使って語ってね・・・と半分笑いに変えながら言ってました。

わたしはここが今回のMCで一番考えさせられたところでした。
話の内容がどうこうではなくて、ネットで発信するということについて言及されたからです。

あまりに簡単なので、どうかすると忘れてしまうけれど、瞬時に世界中に言葉を投げてしまう、ツイッターなどでライブ直後、番組実況的になにかをつぶやく時などは相当気をつけなくてはなりません。
わたしはそもそも自分にあまり自信がないので(笑)なるべく感情が動いた直後に反射的につぶやいたりしないようにかなり気をつけているのですが、それでも時々失敗したかも?と思うことがあります。しまった!と思ってすぐに消してしまうこともあります。でも、どんなに短い間でも一度アップしたものは誰かが見ているし、読んだ人たちの心から完全に消し去ることはできません。
たとえば誰かがふとなにげなくつぶやいた一言が妙にいつまでも心に残って落ち込むことがあります。
常にTLが速いから、ツイッターの発言はどうせすぐに流れてしまう・・・とも言われるけれども、単純に繰り返し繰り返しリツイートされて、ものすごい数のコピーが瞬時に散らばって行くさまを何度も見たことがあります。
特にぐさっと刺さるような、気持ちを投げつけられたように感じる一言は、一旦胸にインプットされると折に触れてほろ苦く思い出します。
ウソいつわりなく「これがわたしの本当の気持ちだから」・・・・・・だとしても、だとしても。
やっぱりたくさんの人が見るところで、ご本人やそのご家族や、その人が大好きな方たちがたくさん見ているその場所で、その人について言及する時は、最低限の心遣いは必要だと思います。
少なくとも、それを読んで多くの人が哀しくなるようなひとことは、それを言わなければ命に関わるとかそういうことでもない限り、やっぱり不特定多数に向かって反射的に発信するのは控えた方がいいように思います。
もちろんそれはブログにも言えるわけで、だからぐずぐずと時間をかけて、ひとつひとつ言葉を選んで、時には消したり書いたりを何時間も繰り返しつつ、なんでそこまでバカみたいにがんばるの?なんて言われつつ(笑)日々いろいろなことを書いていますが・・・
それでも違った意味に取られないか、彼が、誰かが意図したものと違う方向へミスリードしてないかどうか、常に気を引き締めて書こうとあらためて思いました。まだまだ未熟な未完成のふぇるまーたです。あえて自戒もこめて・・・これはちゃんと書いておきます。


・バンドメンバーは 
トランペット 小澤篤(おざわあつし)氏
ベース 森多聞氏
サックス かわ嶋崇文氏
ドラム DUTTCH氏
コーラス 平岡恵子さん
ギター 竹内朋康
トロンボーン SASUKE 氏
ギター 名越由貴夫氏
和太鼓 レナード衛藤氏
キーボード 十川知司
パーカッション スティーヴエトウ氏

「結界」の外側、半月形のバックメンバーの並びは、多分ですが・・・
左からホーン隊 コーラス、ギター、ベース、ドラムス、パーカッション、和太鼓、キーボードだったと思います。



余談:
横断歩道の警備員さんの光る安全ベルト
平安神宮の外でずっと交通の整理をしてくださった警備員さんが、赤と青がずっと点滅してるベストを着てらっしゃいました。これがとってもステキなの。
わたしたち、関東から行った3人組はこの日でつよしさん関係は一段落。
心地よい充足感とともに、ふわっと気持ちが切り替わって、さっそくKinKiさん話へ。
そんな折、目に入った印象的な赤と青の点滅にすっかり心を奪われましたよ(笑)
帰り道わいわいと大人数で帰りながら「あれいいね!KinKiのコンサートの時にみんなで装着して応援したい。Lさん(関西の某超器用な友人です)作れない?」などと大変盛り上がりました。
あれをグッズに・・・はムリとしても、赤と青がずっとピカピカしてなかなか面白いものだったので、せめてKinKiさんたちにどうかしら?次のお誕生会は帽子の代わりに赤青点滅のベストでいかが?などと思ったわたしたちなのでした。
もちろんまだまだ小喜利もあるし、コウイチさんのツアーもこれから益々盛り上がっていくことでしょう。
そんな中、わたしはあちこちでレポ等を読むのを楽しみにしつつ、来るべき次の資金を貯める時期に入りつつ、マイペースに秋を堪能したいと思ってます。
それから今年一年の旅の記録もここいらでいっぺん整理したいところです。
その前に、コウイチさん関係から「ぼくも」の流れも書きたいし、このところの怒涛の読書記録も。
さらに、超心踊る舞台をみたので、その話も書いていきます。
というわけで・・・
最後になりましたが、こんないい加減な文章を、最後まで全部読んでくださったみなさま方、ほんとにお疲れさまでした。心よりありがとうの感謝をこめて。