ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 頻々(ひんぴん)と…

なぜか最近「〜してみたいなぁ」「○○が見てみたいな〜」とぼんやり思っていたことが、偶然あちらからやってくることが多くて本当にびっくりしています。
読みたい本、出会いたい人。行きたいところ。見るべきもの。
なんだろう?この感じ。不思議です。
もうちょっとはっきりしてから書こうと思っているとっておきのことがひとつあるのですが、そっちはまだ確定ではないので置いておいて…今日はもうひとつの偶然について書きます。
きのうは、下の日記に書いたように病院に行き、帰りにちょっと用事があって奈良まほろば館に行き、その後練馬の実家に寄りました。
実家は家から1時間半くらいの距離ですが、新幹線に乗らなきゃ行けない距離でもないし、もっと顔を見せなきゃいけないなあと反省したからです。
あとから後悔したくないし、今できることは今しよう…そんなことを考える年になってきたなあと思います。
今のところ両親とも入院するほどの大きな病気はしていませんが、もうふたりとも70代だし、もっと気をつけてあげないといけないなあと思います。
今年は仕事が少し緩いのだし、もうちょっと頻繁に顔を出せたらと思っています。
さて。
お昼をごちそうになったところで、父が「ちょっと見せたいものがあるんだけど」と言ってきました。
それはヘッドフォンで、母が思わせぶりに「まったくおとうさんったら、こういうものにかけるお金は惜しまないんだから…でも、話聞いてあげてね。誰かにしたくてたまらなかったのよ、おとうさん。」とちょっとあきれ顔。
なになに?と興味津々なわたしに、「これ聴いてみな」と渡されたヘッドフォンを耳に押し当てると…やわらかな女声ボーカルの穏やかな歌声が…
なんてやわらかくて美しい音色…北欧かどこかの人の歌声かしら?何語かもよくわからない美声ですが、まるでコンサートホールで鳴っている音を聴いているみたいな広がりのある臨場感。
バックの音がまた…全然カシャカシャしなくて、芳醇なブランデーのような(笑)いい音でした。
「このヘッドフォンのメーカーどこ?」と思わず父に聞いたら「『SENNHEISER』(ゼンハイザー)だよ!」と父が言うのでたまげました(笑)
「ドイツのアレだよね〜?」とわたし(笑)
ちょっと前から切に聴きたいと思っていたメーカーではありませんか!!
スゴ過ぎる(笑)
わたしがその音を絶賛したら父も気を良くして(笑)しばしヘッドフォントーク
「これと『AKG』っていうオーストリアのヘッドフォンのどっちにしようか迷ってたんだよ〜」と父。「ヘッドフォンはヨーロッパ系のがいいぞ。」どこかで聴いたような話だなぁ〜(笑)
「オープン型と言って音漏れもあるし、まわりの音も完全に遮断できるわけじゃないから、オマエたちみたいに電車の中で聴いたりする人には向かないかもしれないけど。」
「それと、今の人みたいに重低音だけガンガン鳴らすみたいな聴き方をしたい人には向かないかもしれないぞ。まあ、オマエはクラシックも聴くからなぁ」
そんなことも言ってました。
電車の中でどうかはともかく、わたしはオープン型の方が元々好きだし(あまり音を遮断し過ぎるものキケンだと思うし、音を閉じ込めちゃう感じはあまり好きではないです。)あまりにもいい音なので思わず夢中になってしまい、超盛り上がったところで…お値段を聞いて…それは買えない、絶対ムリ〜…と即断念しました。残念!(笑)
ちなみに、父が持っていた機種は型番までは控えなかったけれども、お値段からして多分この辺かと思われます。
そこで「ねえ、ちょっと聴きたいのがあるんだけど、ちょっとだけいい?」と父にお願いして、MP3音源ではありますが、持っていたウォークマンを持ってきて、「埃」と「縁を結いて」の2曲だけその場で聴かせてもらいました(笑)
このヘッドフォンで一番聴きたいものは…と厳選した結果、やっぱり一番聴いてみたいのは歌声が前に出ている曲たちでした。
当然ながら唸るほどいい音でした。しゅてき〜(はあと)
まるで耳元でつよしさんが歌ってくれているような、息づかいまで聴こえてきそうな臨場感。
ウォークマンのイヤホンも決して悪くはないものを使っていると思っていたのですが、今まで聴こえなかった音が聴こえるような気がしました。
バランスがよくて、広がりのある音。わたしは中音域が特にいい感じに思えて、体温を感じる音色に聴こえましたよ。
思わず「埃」を聴いている時、わたしが好きな音も聴いてみて!と父にヘッドフォンを渡したのですが、父もひとこと「いい声だな」と言ってくれたので大満足。
父は素人の音楽愛好家でプロではないですが、わたしは誰よりも(どうかすると自分の耳よりもずっと)父の耳を信頼しているので、父にそう言ってもらえてとてもうれしかったです。
その後はパソコンの前に移動して、無料でダウンロードできるレコード音源を聴かせてもらいました。
それらを再生するために、新しいアンプを買ったのですって。
これだとCDでは再現できない音が聴こえる…と言ってベルリオーズの「幻想即興曲」を聴かせてもらったのですが、これをわたしに聴かせたいと思ったわけがわかりました。
それはそれはいい音ではありませんか。
こんなのうっかり手にしちゃったら、どこへも行かず一日音楽漬けな生活になっちゃうかも(笑)
わたしはこういう楽しみ方は老後に取っておこうと思いましたのことよ(笑)
そしてそこから延々と音の話になって、音響工学や数学や、超マニアックな音に関するなんやかんやを交えていろいろと聴かされたのですが、物理や数学は超苦手だったので半分も意味がわからなかったのと、音に気を取られ過ぎてうわの空だったのも手伝って(おとうさん、ごめん!)ちんぷんかんぷん(笑)
父はつよしさんときっと話が合うと思います(笑)