ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 平安結祈 初日

(最初の方は夕べ12時を軽く回ってから書きました。ゆえに、夕べの気分でぼんやり読んでくださいね、笑)
六本木、行ってきました。
いっぱい感想を書きたいのですが、この時間から書き始めるということは、ほぼ深夜のラブレター決定!!(笑)
それじゃなくても久々ソロライブのつよしさんに触れて危険な兆候だらけ…ということで、今晩のところは自重してほんのちょっとだけ。
まだ始まったばかりだからネタばれもできればしたくないし〜
ものすご〜く抽象的に感想を書きます。
そもそもこの映画を百倍楽しむために?わたくし、ここのところつよしさんの歌をしばらく聴かないで過ごしてました。いわゆるつよし断ち!(笑)
極限まで我慢してみようと思って(笑)
たまたま仕事でプレインベンションという初級の教則本のアナリーゼをしていたので、バロック全開のプリミティブな音をずっと朝から晩までキッチンのステレオで鳴らしてました。
もちろんつよしさんの音を聴きたかったですが、そこはグっと我慢…どうしても一度は新鮮な気持ちで聴きたかったのです。
とわたし本人が思っているのに、何人かの友人が「ふぇるまーた」の9月4日の感想をもう一度読んで予習してから行くとおっしゃっていて、冷や汗〜!
後々こういうことになるなんてちっとも思っていないから、記憶が怪しいところも書きたいように書いちゃいましたが、まさか後でこんなことになるなんて…ああ、記憶違いがバレちゃうではありませんか!!(笑)
まあ今さらくよくよしても仕方ない(笑)レインの感想はアテにならないんだなぁ、話半分に聞いとこ!と確認していただけたならそれも良し(開き直ったな、笑)
何より台風で中止になって京都往復だけして帰って来ることになってしまった方々に、絶好のリベンジの機会が巡ってきたことがうれしいです。よかったです。神さまありがとう。
そして我慢に我慢を重ねて久しぶりに体感したつよしさんの音楽世界は、砂漠に降ってきた雨のように、すーっと心に沁み込んで胸いっぱいに広がり…映画が終わった瞬間、しばらく深〜くシートに沈み込んだまま、呆然としてました。
19時、最終回の六本木はほぼ満員。
この日に何が何でも見たい人が集まった会場は、多分かなり濃厚なファンでいっぱいだったのだと思いますが、赤い靴の人とかケリー全開な人はほとんどいなかったです。場所柄、仕事帰りの人が多かったのかも。
かく言うわたしも出かける直前まで小学1年生の生徒が来ていて、このコがピアノが終わっても一向に帰ろうとしなくて、延々しゃべったり弾いたり歌ったりしていたので(笑)待ち合わせの時間に30分も遅刻しちゃって映画の前に軽く食べるはずだったのに、食べそこないました。
いつもライブの前にごはんを食べそこなっちゃうと、ライブ後も胸いっぱいおなかいっぱいになっちゃってあんまり食べられなくなるのですが、まさしく今日もそう(笑)
無理やりクリームチーズをつけたベーグルとアボガドのサラダを食べましたが、なんだか味がしなかった…あるいは全部つよしさんの味だった(笑)
とはいえ、いつものライブ友達との思い出しトークはとっても楽しかったし「対談のつよしさん、何あれ、すっごい綺麗だった!!」「惚れぼれ〜、はあと」「音良かったね〜」「なんてったって大画面!」「また見たいね〜」「もっとムビチケ取っておくべきだった!」「一日何回見てもいいんだよね〜」「ひとりでも行っちゃいそうだよね〜」「誰かを誘いたくなるよね〜誘うとしたらどんな人?」「ああ、全然足りな〜い!」「とりあえずこの分とあの分のチケットはみんな使わず残しておこうね!」的な作戦会議をして電車に乗りました(笑)
☆☆☆
と、ここまで書いただけなのに夕べは2時前になっちゃって(要は家に帰ってからも更にボーーーっとしてたということです、笑)力尽きたのでここからは今朝です。
全体をじっくり見てみて、映画には映画ならではの楽しみ方がある…ということを本当に実感したような気がしました。
わたしは、たまたまライブで見た日の映像を、映画でも見ることになったわけですが、いい意味でライブと映画はまるで別物でした。
そもそもあたりまえですが、いつもライブではあまりに小さくて(実際に小さいということもあるし、会場との比としてという意味もこめて、笑)細かいところまでよく見えないつよしさんが、今日は等身大よりもずっと大きいので迫力満点です。
大写しなのに耳とか明らかにちっちゃいの。(そりゃ比は変わらないからね、笑)ギターを弾く手元。キーボードを叩く指の形まではっきりわかります。
映画の最初の方に、堤監督とつよしさんとの対談が入っているのですが、この時の話の内容もさることながら(もうちょいしたら詳しく触れたいです)つよしさんの美しさったら半端なくて、ありえないくらい見とれてました(笑)
耳とか手とか瞳とか、ひとつひとつのパーツに…そして全体の絶妙なバランスに…ずっとずっとくぎ付けでした(笑)
そしてライブ本編になってからは、今つよしさんが何の楽器を持っていて、どういう音を鳴らしているのかがベストバランスでよく聴こえました。音響は抜群によかったような。
見どころ、聴きどころが堤監督というフィルターを通してピックアップされているから、とても鮮明にわかりやすくなってました。
これは本当にスゴイこと。
とにかく見どころがかゆいところに手が届くようによく見えて、そこにとても感動しました。
これは映画だからこそできることだと思いました。
たとえばライブだと、その音がどこからしているのか?っていうのを探しているうちに、そのパフォーマンスが終わっちゃったり、そこは絶対に見たかったのに気がつかなかったとか、たまたま別の人を追っていたり…という場所が必ずできてしまうのですが、映画は押さえるポイントをちゃんと押さえてクローズアップして見せてくれているので、見逃し感がないのです。
そしてみなさんが今どんな楽器でその音を鳴らしているのかとか、つよしさんの音、バンドメンバーさんの音、いろいろな方の音がちゃんと見わけ、聴き分けられて、ものすごく充実した音楽体験ができた気がしましたよ。
もう一回見ただけで心を掴まれちゃって、へなへなしおしお(笑)そして早速…「早く次が見たい!!」。
更に堤監督が撮った映像はとてもとても幻想的で、特に人以外の照明や風景を撮っているところがものすごく幻想的で美しかったです。
客席では全体像がわかりにくかったのですが、堤氏の撮り方がものすごく立体的で、どこに照明が当たり、どういう風になっていたのかが映像を見てやっとわかった気がしましたし、つよしさんの和で着物ちっくな衣装のイメージと相まって、照明がなんだかひらひらふわふわと空を舞う天女の羽衣みたいで、それはそれは美しかったです。
だからと言ってただただ夢見るように作られているのではなくて、堤氏の映像は「人」の表情を実に上手に捉えていて、つよしさんの、ミュージシャンの皆さんの、ものすごく曲に入りこんだ無心な顔。してやったりの笑顔。必死な顔、夢見るような表情。そして突然あふれ出した感情に翻弄されて涙する瞬間。
それらの映像はとっても人間くさくて、あたたかくて…幻想的な夢うつつの世界と人肌のぬくもりの間を行ったり来たりしているような不思議な気持ちになりました。
そして音が記憶していたのよりもずっと「和」だったことに気がつきました。
これは、多分海外でもやったらいいのではないかしら?
日本文化だったり、歴史的建造物だったり、和洋折衷なその音楽スタイルとか…きっと好きな人はとても好きだと思います。
演奏者だけじゃなくて、照明に滲む雨粒とか、浮かびあがるお堂とか、とにかくあの日の空気感が実によく映像に入っていて、見ていて胸がいっぱいになりました。
現在爆発的に売れているJ-POPの特徴は、たとえば数人以上がユニゾンで踊り歌うもの。メンバーは自由に入れ替えOK!普通のコっぽさ、となりのコっぽさが求められて、中の人の実力よりプロデューサーの能力。強い個性より協調性。誰でもカラオケで歌える歌。誰が歌ってもそれなりサマになる曲。
そんなイメージがありますが、つよしさんの曲はそういう流行の路線とは正反対にも思えます。
メンバーは一人ひとりがスキルの高い、個性のとても強い音楽集団だし、つよしさんの歌はとても誰でも歌えるような歌ではないし、バックの方々もふくめ、すべての人がその日の音楽を形作る上でとても大切な一人。
そして、その方たちとつよしさんとの関係性はあくまでも対等で、つよしさんひとりが前に出ていて、あとの人はバックということではありません。
みんなが絶妙なタイミングで出たり引っ込んだりしながら、ひとつの音楽を形作ります。
その意がちゃんと汲まれているのか、堤さんの映像の中にも各ミュージシャンのアップや楽器演奏の手元の映像もたくさん出てきます。
ステージではつよしさんが前に出過ぎずミュージシャンたちと同じ高さに立って音楽を鳴らします。
どの方も超実力派ですが、彼らが一見自由に自分の音を鳴らしながら、でもひとりよがりではなくて、常に全員が言葉のないコミュニケーションを取り合っているのが伝わります。
そこにあるのは多分培ってきたお互いへの信頼と自信、音楽家としての勘所。
しかも、鳴っている音はどれも明らかにつよしさんテイストで「彼の頭の中」で鳴っている音がちゃんと再現されているであろうことがつよしさんの表情からも伺えます。
時々つよしさんの片手がすっ!と上がって、音楽が展開したり終盤に向かったりする瞬間がありますが、それ以外の場面では、進行はかなり個人個人にゆだねられ、でありながら、お互いがちゃんと呼吸を合わせて、正確につよしさんの描いているラストに向かってちゃんと進んでいるのを感じます。
それは海外でのライブ活動等がお忙しい、めったにこのメンバーの中に入らないレナードさんとて同じでした。
どうやったらここまで完ぺきに呼吸を合わせられるのかな?本当に目をみはるばかりでした。
そしてこれは音楽の中のことだけじゃなくて、今求められている人と人とのあり方をも示唆しているような気がしました。
ひとりひとりが志を高く持っていて、ちゃんと信頼関係があれば、特にだれかが声を高々に発したり、強力なイニシアチブを発揮しなくてもみんなが同じ方向を向いて正しい方向へ向かって行けるんだ…とでも言うような。
求められているのはあくまでも個人個人のあり方。その個さえしっかりしていれば、まとまった時に100倍、1000倍の力を発揮する的な何か。
そしてこれがSHAMANIPPONの本質的なことにもつながっていったりして!?…とぼんやり思いながら見てました。
どうなんだろう!?
この辺りは春にやってくるアルバムやライブを見たら答えがわかるのかしら。
こんなに長く書いたくせに、まだ1曲1曲には触れていないことに驚愕。
とはいえ、ひとりでも、友人たちとも、家族とも…何度も行くことになると思うので、2回目、3回目と見るうちにもっと細かく感想を書いていきたいです。