ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 変化

今日から中学2年生の男の子が来ることになりました。
バレー部所属で、ピアノを習うのは初めてだそうですが、先週お試しレッスンに来たらすぐにでも習い始めたいということで、今日スタートです。
とっても小柄でまだまだ幼い顔つきですが、笑顔がまぶしいかわいい感じの男の子です。
実は彼、うちの十年選手のFちゃんの保育園友達で、おかあさまいわく、突然「ボクは保育士が天職な気がする」と言いだしたのだそうです。
さ〜て教材は何から行こうかな。ここしばらくは、どこまで音楽に興味を持たせることができるか、ピアノの楽しさを伝えられるか、話術の勝負です。うまく軌道に乗せてあげられるようにがんばりたいです。
一方で行き詰っているのが大学生のNちゃんのレッスン。人の何倍も努力しているのになかなか成果が上がらず、大学の単位を5つも落としてしまったのだそうです。
ピアノの授業も楽典の授業もやっとなんとかついて行っている感じだったのですが、ピアノはぎりぎり合格できたものの、楽典は単位を落としてしまいました。
ひとつのことをきちっと理解し飲みこむのにとても時間がかかる子で、一旦覚えたことをすぐに忘れてしまうので、毎日のように寄ってもらって同じ問題を何度もやってもらったり、45分のレッスンにはおさまらず毎回60分以上時間をかけたり、わたしとしては最大限の努力をしたつもりだったのですが、いきなり大学生の生徒本人が
「おかあさんが、『何回レッスンに通ったって、どうせ成果が上がらないのならお月謝がもったいない…いっぱい単位を落として人の何倍も学校にいなくてはならないのだから、ムダにレッスンに行っても意味がないんじゃないの?一体何しに行ってるんだか!おかあさん、こんなに払いたくないわ。回数と月謝を減らしてもらうように先生に言って来て!』と言うので。だから回数を減らして月謝をさげてください」と言ってきました。
なんという直球で破壊力のある要求でしょう。
今までやってきたことを全否定された気分(笑)
どうしてそんな大事で微妙な問題を子どもに言わせた?とおかあさまにものすごい不信感を抱いたので「来週までにいい方法を考えてみるのでいいかしら?」と言ったのですが、生徒本人がかたくなに「今日中になんとかして来いって言われてるから」と言い張るので、頭が真っ白になったままとりあえず、月謝を下げてレッスンの質を下げない方法を彼女と一緒に考えました。
今まで週に2回45分ずつレッスンをしていたのを、週に1回にして
一回の時間を15分増やして。
レッスン費用を割引して…そうしたら5000円安くなる計算で…
テスト前だけは、なんとかお願いしてもうちょっと来させてもらうようにおかあさまに頼んでもらう。
それでもダメと言われたら仕方ない、ボランティアでやってあげるよ。
でもこれからは時間が減っちゃうんだから、効率よく時間を使えるようにわからないところとか、質問事項は家で考えて持って来てね。
それにしてもそんな話を生徒の前で生徒とさせるなんておかあさま(怒)(怒)
生徒は一応納得して帰ったのですが、後味の悪いことはなはだしく。
おかあさまには「このようにしましたのでよろしくお願いします。」と事務的に淡々としたメモ書きを渡してもらったのですが、文面に怒りが滲んだのか(笑)生徒が帰って30分。おかあさまから携帯にメールがありました。
「うちの子のピアノや楽典がいつまで経っても伸びないことを、先生のせいにしたつもりはなかったんです。もし不愉快な思いをなさっていたら、すみません。
(『もし』ですって(笑))
悪いのはうちの子なんです。うちの子が彼氏に夢中になって…まったく勉強しないので、ついついピアノに八つ当たりしちゃって…
でも問題なのはピアノや楽典だけじゃないですし、そこにばっかりがんばってもしょせん。どうせやってもあんまり関係ない気もしますしね…うんぬんかんぬん。
いろいろ考えてくださってありがとうございました。」
彼女が「まったく勉強をしない」なんてとんでもない。
どれだけわかりたい、弾けるようになりたいと思い苦しんでいるかはわたしが知っているし、期待にこたえようと精いっぱいの努力をしていること、まったく知らないのかしらん。毎日うちに勉強のために寄るってだけだって、大変だと思うのに。
ゆっくりでも確実に成果は上がりつつあるところだったのに…
わたしが知っているさまざまな彼女の情報をおかあさまは意外とご存じない…ということはよ〜くわかりました。
だからと言ってここでそのことでわたしががんばったとして、彼女にもわたしにもなにかプラスになることがあるとはとても思えず。不愉快な思いを分け合うだけで労力の無駄なような気もして。
なんだか必死になっていたわたしがバカみたいに思えてとても凹んだわけですが…
時間が短くなって初めてのレッスンが夕べで、こんなに気持ちにわだかまりがあるままで、これからどうするんだろう!?と思ったのですが、レッスンが始まってみたらあっけないくらい、いつもどおりでした(笑)
仕事なんだから少々の割り切れないことは割り切るしかないわけですが、それにしてもなんだかなぁ。
しゅしゅしゅしゅ〜ん…な出来事でした。