ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 あぁ〜よかったな♪ @花*花

実は先々週からずっと引っかかっていることがあって胸がシクシクしていたのですが、やっと土曜日に解決をみました。
生徒のひとりがいきなり土曜日のレッスンに来なくて連絡も不通になっちゃってたの。
彼女は幼稚園の先生で、うちに来始めて約半年です。
就職してものすごく忙しい身でありながら自ら来た子です。
多少時間に遅れることがあったような?
でもすっぽかされるなんてことはもちろん、連絡が取れなくなるなんてことは一度もなかったし、メールをすれば必ずすぐに返事がきたし。
ものすご〜く折り目正しい子で、そもそも「連絡もなく来ない」なんてことが信じられません。
普段どんな子かというと、前に書いてほったらかしていたテキストがありますのでちょっとご紹介。
わたしの文章ですけど、あえて今書いたものと区別するために引用タグをつけます。

Kちゃんのこと

幼稚園の先生になって1年。元生徒の紹介でうちに来るようになって半年。
このたび副担を卒業して、今年初めて年中さんの担任になるんですって。
「わたしにはレイン先生がついてるから安心。大丈夫な気がします。」ってにこにこと。・・・ああ、なんて光栄なことを言ってくれるんだ!
いつも連絡用に使っているレッスンノートに、わたしが前の週に話したことがびっしりと復習してあって、そのノートを見るだけで頭が下がります。こんな風に自分でアレンジしてレッスンノートを活用してくれるとほんとにうれしいです。
21歳にしてものすごくプロっぽい一面と、少女のようなかわいらしさを持つ子で、この間は「『手をたたきましょう〜♪』が歌いながら弾けない!カッコ悪い、恥ずかしい、先生!どうしよ〜っ!わたしもうダメかも。」と目を三角にしてやってきました。
ちょっとやったら、全然歌いながら弾けたけど(笑)
担任をするにあたり「1学期に弾く曲は、全部ピアノに持ってきて先生に見てもらってからにしてもいい?そしたらきっとバッチリ自信を持って弾ける気がするから・・・」と大張りきり。
どんとこい、Kちゃん(笑)
「おべんとうの歌」とか「おはようの歌」から始まって「ありさんのお話聞いてよね」とか「幼稚園々歌」も「お片づけの歌」もやりました。
もう母の日参観用の歌も父の日参観用の歌までも予習中。目下の不安ポイントは「おか〜あさん!な〜あに♪」の歌のイントロ。そして7月に決まっているお誕生会のピアノ当番。全園児と先生の前で弾くのが怖いそうで・・・いやいや、まだまだ先だから(笑)
この勤勉さ、うちの生徒たちみんなに分けてあげたい(そして、わたしにも分けて〜、笑)
レ・ミゼラブルに猛烈にはまって、映画館に3回行ったそうです。感激屋でちょっとおっちょこちょい。かわいいK先生にいっぱい幸あれ。

ね?いきなり連絡もなくいなくなるとは思えないでしょ?
というわけで、いろいろ不思議だったわけです。
でも実際レッスン時間をとっくに過ぎても現れず、メールをしても返事もなく・・・事故でもあった?と不安になり・・・
その日、レッスン後にメールをしてもやっぱり返信はなく、日曜日にもメールをしたのですが、それでも連絡がなく・・・
そういえば、実家の電話番号すら知らなかったことに気がついて愕然とし。
ああ、あちらから連絡が来ない限り、こちらからはもう連絡の手段もないのか・・・もしやこのままフェイドアウト?と凹んでおりました。
これが小学生くらいの女の子なら、おかあさんとも連絡が取れますが、なまじオトナになってからくるようになった生徒なので、おかあさんともまったく面識がありません。
何か彼女を怒らせる?もしくは不安になるようなことを言ったかなぁ?と思い出してみても、そういえばこの間の帰り際「レ・ミゼラブル」の映画がいかに素晴らしいかについて、わたしに興奮気味に話してくれたのになぁ〜なんてことを思い出してよけいに悲しくなったりして・・・
考えてみれば全然具合が悪そうでもなかったし、新学期からはじめて担任を持つのだとものすごくはりきって練習もしていたし、あれもこれもと欲張り過ぎて、そんなにがんばりすぎるとパンクするよ・・・なんて話までしたのでした。
なのになぜ?
この沈黙をどう捉えていいものやら、自分でも考えあぐえてました。
そして、新しい週が明け、月曜日、火曜日といたずらに時間が経ち、水曜日がやってきて、夜11時も前になって・・・
「先生ほんとにごめんなさい。いっぱいメールをもらっていたのに返信すらしないで。
実はレッスン日より前に携帯を落としてしまいました。さっき帰ってきました。ごめんなさい。」
というメールがきました。
「携帯を落としたとしても、レッスンノートにもレッスン日が書いてあったんじゃないのかなぁ。」とか。
「ほんとは日々の仕事に極限まで追われ、やっときたおやすみの土曜日の午後だから、疲れ果ててうっかり寝ちゃってたってだけなんじゃないの?」とか思ったり。一番ありそうなのはそんなところかなぁとも思ったけど、そこはあえてつっこまないことにしましたよ。
だって幼稚園の先生になって2年目。初めての担任。ひと月くらい前からかなり気負い過ぎていたし、頑張りすぎじゃない?と思ってたし。
わざわざおやすみの土曜日にピアノのレッスンにまで来ようとするくらい熱心な子だし。
わたしが時間を過ぎて畳み掛けるように「どうしたの?」「忘れてない?」「当日でも構わないからおやすみするなら連絡だけはしてくださいね。」「あまりに連絡がないので、事故にでもあったんじゃないか、急病でも?と心配しています。」とか、続けてメールしちゃったから、逆に引っ込みがつかなくなっちゃったんじゃないかなぁ。
ああ、だとしたら、だとしたら・・・畳み掛けるようにメールしたわたしも悪い。逃げ場がない。どこかに逃げ場を作っておかなきゃ生徒だって息が詰まる。
とりあえずちゃんと筋を通してきちんとあやまってきたし、次の土曜日はちゃんと来ますと言ってきたし。
これからは連絡不通にならないように、実家の電話番号を教えておきます・・・と自分から電話番号を教えてくれたので「この話はこれでおしまい」ということにしました。
ああ、よかった。
一緒にすべきじゃないかもだけど、ピアノのレッスンも歯医者の予約とかと一緒で(笑)わたしも4歳の頃からずっと通ってた中で、レッスンのことをきれいさっぱり忘れてしまったことだってあるし(大声じゃ言えないけど。言ってるけど、笑)ほんとはレッスンを優先すべきなのに行くのがどうしてもイヤになっちゃって、テキトーな嘘をついて「延期してください」と言ったことも。
長いレッスン人生、40年以上もやってると、やっぱりいろいろあるのですよね〜。
大失敗して先生に恥ずかしいところを見せちゃったり、恥ずかしくても行かないわけにはいかなくなったり、なにかでカチンときたり、冷や汗をかいたり、勇気を出してあやまったり、怒られるのを承知でドキドキしながら行ったり・・・ピアノのレッスンはあくまでも1対1だから、そういうことの積み重ねが本当の信頼への第一歩だとも思っていて・・・
とにかく彼女がメールしようと思ってくれてよかったよかった。
という日記を書きかけたのが先週水曜日の夜。
なんせこの頃日記をさぼり気味なので、ここでストップしてたわけですが(笑)
後日談を書いてしめようかと。
土曜日の午前11時すぎ、彼女はいつも通りやってきました。
気まずくは・・・なかったです。全然でした。
Kちゃんはちゃんと目を見て「先週はごめんなさい。」と言い「連絡だけはちゃんとちょうだいね。」とわたし。
それだけでおしまいでした。ちゃんちゃん。
そのあとは全然いつも通りでしたよ(笑)
「月謝、遅くなりました。」と最後に月謝袋を出したところをみると、ちょっとそういうところがルーズなタイプなのかも?
いろんな子がいて、社会人とは言ってもオトートと同級生。
わたしだっていまだに失敗だらけ。ましてや二十を越えたばかり、まだまだいろんな意味で未熟なのは当然と思っているので、少しずつお互いを知りながら近づいていけたらいいなぁと思っています。
とりあえず、わたしが見限られたのではなくてよかった。
あれがダメだったのか?これがダメだったのか?いろいろ100個くらい考えましたが、今回はギリギリセーフだったかも。よかったです。

あーよかったな あなたがいて
あーよかったな あなたといて
あーよかったな 一緒にいて

大好きでした、この曲。花*花の「あ〜よかった」です。