ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 迷子

これは下の日記の後のお話です。
きのうの夕方、音楽会を終えてお茶を飲んだ後のお話です。
両親と妹と共に六本木南北線六本木一丁目の駅に戻りながら…
わたしは「ここからなら、みんなと一緒に池袋経由で帰るより地下鉄日比谷線で帰った方が早いはず」…と思いました。
そこで父母と妹とは六本木1丁目の駅で別れて、ひとりで日比谷線の駅を指して歩いてみることにしました。
その時は、何度かテレ朝に行ったりアクアリウムに行ったり、飲食店に行ったりしてこの界隈には出没しているはず…と思っていたのですが、具体的な記憶はほとんどなし。
この時点で重要なことを見落としてました。
わたくし、六本木アークヒルズとミッドタウンを完全に混同していたのでした(笑)
日比谷線の駅がすぐなのはミッドタウンだったのですよね。
南北線の駅員さんには歩き出す前に「あのう、日比谷線はどちらですか?」」と尋ねました。
そして駅員さんは「あっちへ行ってあそこを曲がってそこを曲がってこっちの方へ行けば神谷町の駅ですよ」と言ってくださいました。
ここでふたつめの失敗が…何分くらいで神谷町なのか聞くのをしっかり忘れてました。
後で聞いたところによると、ちゃんと歩いて20分。迷子になったので30分強歩いてましたが、夜道で初めての道…むしろ30分で着いたのが奇跡だったかも(笑)
ところが…です。
外に出た時にはすでにお月さまが出ていて、外は真っ暗。一応駅員さんが言うとおり、ちゃんと行けたと思われるのはアークヒルズの前まで戻って、スペイン坂に入ったところまで。
わからなくなったら誰かに聞けばいいや…と思っていたものの、大使館やオフィスビルらしきものが建ち並ぶその界隈にはまったく人影もなく…ありえないくらい静かな道を寒風吹きすさむ中、ひたすらにとことこと歩いておりました。
不思議と怖いとか寒いとかあまり思っておらず、冴え冴えとした冷たい空気の中、絢香嬢の「三日月」とKinKi Kidsの「月光」を交互に口づさみながらずんずん歩いて行くと…大きな曲がり角。どちらへ行くのかさっぱりわからず、どこかの大使館の護衛をしているおにいさんがいて、一旦はそこでていねいに道を教えていただきました。
わざわざ地図を持ってきて、今来た道を戻り(結局間違ってました、笑)最初の道を右へ。そのあと道なりに行くとまた道が出てくるからあっちへ行ってこっちへ行って…
「多分このあたりはややこしいので、また先で誰かに聞いた方がいいですよ」結局はあ〜あな頼りないお答え(笑)
しかもレインをだいぶご存じの皆さんなら多分「うんうん」と頷いてらっしゃることとは思いますが、超絶方向音痴な上に考えるのがめんどくさくなったわたくし。
さして不安にも思わずにまた歩き出しました。
三日月の隣に宵の明星かな!?と思われる金星らしき星がピカピカしていて、なんて美しいんだろうと思ったり。
さっき聴いた「新世界より」が思い出されて、「新世界」ってどんな世界だろうなんてことに心を馳せてみたり。
小さい頃は孤独とは!?みたいなことをしょっちゅう考えてばかりいる子どもだったなぁと思い出したり。
今は家族がいて、ごはんやトイレのお世話をしなくてはならない犬や猫たちもいて…我が家があって、生徒や友達もいて…わたしの居場所があるということのしあわせを思ったり。
でもこの時点でわたしがどこにいるかは、誰も知らないんだなぁ。ここでいなくなったら、まったくの行方不明だよ!と思ったり(笑いごとじゃないですけど、笑)
しばらく歩くと路地になって、そこからはもしかして行き止まりだったらどうしよう!?という小さな道が現れて、これはピンチ!?と思いかけたところで見上げたらとびきり美しいものが遠くに見えているではありませんか。
それはこれ。

おぉ、東京タワーだ!!
この瞬間の気持ちと言ったら…うわぁ!!な感じ。
いつもながら暗がりで上手に撮れなかったのですが、2011と映し出されてとても綺麗でした。
そんなこんなでひとりの冒険はまた東京タワーにパワーをもらって迷子を楽しむ気持ちが復活。
相変わらず人っこひとりいない路地をひたすらにひとりで進んで行きました。
しばらく行くと校舎らしきものが見えて、遠くの方に人影があったのですが、学校名も何も書いておらず、番地表示も何もなく、まだどこを歩いているのかさっぱりわからないまま。
携帯にランプが付いているので開いてみると、某あきこちゃんからのメール。どうやら異次元に迷いこんではいないらしいとちょっと安心して(笑)ずんずん行くとやっと神谷町という地名がある表示とともに大きな通りに出ました。
この道路を右か左に歩けば多分神谷町の駅だと思うのに、駅表示がまったくないことに驚きつつも、100mくらいあてずっぽうにあるいたところで、とうとう人のよさそうなおじさん発見!!時間は多分6時くらい。
日曜日の夕方ってこんなに人が少ないのね!?とびっくりしつつも話掛けたらこの方がとってもいい方で、ついにわたくし、神谷町へ行けそうな気配になりました。
あてずっぽうに歩いていた方向はやっぱり真逆で…おじさんも神谷町から電車に乗るそうなので、しばしお供させていただいて、駅まで行ったのですが、「そりゃあ迷うよね。大変だったね〜」このおじさんがとってもいい方で、まるで神様みたいに思えました。
なんだかとっても不思議な夜のお散歩。なんだか夢の中のような出来事ですが、ちゃんと東京タワーの写真もあるし…やっぱり迷子になったんだわと確認する祝日の夜(笑)
今度六本木に行く機会があったら、ちゃんと調べてから行かなくては(笑)