ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 堂本剛 平安神宮 2010 10月7日 その1

 
京都からへろへろで帰ってきて丸1日が過ぎました。
ぎりぎりまで迷いに迷ってやっと行こうと決めたライブですが、今心底「行ってよかった〜」としみじみかみしめています。
行くまではなぜ京都なんだろう?とかどうせあそこまで行くなら奈良がよかった!とか勝手なことを思っていましたが、行ってみたら京都だから奈良だからなんてあんまり関係なかったです。
京都の思い出もたくさんたくさんできて、また行きたい場所があっちにもこっちにもできました。
今回は前日に入られる友人が多いと聞いていたので、ひっそりと行って何人かの方と会場前でちらっとお会いできたらいいかな…くらいの気持ちでいたのですが、とんでもない。
事前にほとんど約束もしていなかったのに、思いがけずたくさんの友人知人の皆さまから声をかけていただいて、あっちでもこっちでも楽しいひと時を過ごすことができました。心よりありがとうの気持ちを伝えたいです。
さらに行きの電車の中で「行ってらっしゃいメール」をくださったみなさま方、そのやさしさが見に染みました。ありがとう。
そんなこんなで人の心の温かさをどこまでも実感した旅になりました。わたしもどこかで『気持ちのお返し』ができたらいいな。助けになれる場面がありましたら、いつでも声をかけてくださいね。
個人的にはおいおいお礼を言いたいですが、とりあえずこの場を借りて感謝の気持ちを伝えさせていただきます。
今回出発直前に思い立って5線譜のついたメモ帳を持っていたのですが、これが大間違い(笑)
ライブ中に音のメモを取る時ドレミと矢印で書くので、初めから5線譜に書けばいいのでは?と思ったわけですが考えてもごらんなさい。暗がりの中でまっすぐに字すら書けない人が、ましてや5線譜に正確に♪を書けるはずもなく…自分のマヌケさに気がついて苦笑。
そしてやっぱり途中で天地がひっくり返ったり字の上に字が重なったりする恐ろしいメモを取りました。わっはっは。
メモの取り方については今回メモ名人ブロガーT嬢に極意を教わり、実際にメモを見せてもらったりしておべんきょさせていただいたので(笑)次回からもうちょっとマシな文章が書けるといいな。
代々木で挫折したのは時間を引っ張ったせいだと重々気がついているので今回は早めに上げます。
更に、全体の流れを書こうとすると、順番がわからなくなったりするので、順不同に書きます。
全部書いてからアップしようとするのが常なのですが、それもかえって読みにくくするような気がするので、思い出したところからいくつかに分けて書きます。
以下、超順不動です。

・舞台の真ん前に焚かれた篝火がとても美しい効果をあげてました。生き物みたいにゆらゆら。この篝火とスモークの中、美我空のイントロが始まります。夜の帳が下りた会場におごそかな空気が満ちてきて、背筋が伸びます。美我空という曲ほど神社で行われる特殊なライブにふさわしい曲はないと思います。
平安神宮でライブが行われると決まったのはついこの間なのに、この曲はすでに去年作られていたというのが不思議な気がするくらい…まるでこのライブのために作られた曲みたいにしっくりきました。
欲を言えば、昨年の薬師寺の時みたいに東儀さんの笙や篳篥の音が入ったらもっと雅楽的な音がして面白かったかも?…でも満足です。


・いつも奈良関係で驚異的な幸運を発揮してくださるショコラ嬢が、今回も超強運を発揮してくださり、今回はひと桁列のほぼど真ん中。神社仏閣ライブをこんないい場所で見られるのは最初で最後かもしれないと思ったので、全身を目にして耳にして恐ろしく緊張しながら見てきました。ショコラさん、本当にありがとう。ジャンプの指の本数がわかる席に座ったのは何年ぶりだろう…じーん。


・2時間とはとても短いと思ったのですが、「ぎゅっ」とエッセンスが濃縮された素敵な時間で、意外と短いとは感じませんでした。
Let’s Get FUNKASY!!!の始まりの時、最初何の曲が始まるのかわかりませんでした。
テンポが3割増しくらいで、ブレス(息継ぎ)しているはずなのに、どこでしているのか皆目見当がつかないくらいの早口。これって結構な技術だと思います。でもはしょってる感じじゃなくて、最初からそういう曲だったみたいにしっくりきてました。


・メンバーはキーボードを除けばいつもの気心音心の知れたメンバーでした。
舞台向かって左から名越さん、竹内さん、ちょっと下がったところにタイガーさん、キーボードのSWINGOさん、後列に豪太さんとKenKen。
センターはもちろんつよしさん、右にホーン隊のSASUKEさん、ふさはらさん、かわ島さん、そして右奥にスティーブさん。
十川さんがいらっしゃらないライブというものが想像できず、参加なさらないらしいと聞いた瞬間はかなり戸惑いがありましたが杞憂でした。また違った音。違ったセッションの方向性。このチームはもうあとから誰がどこに入ってもきっと大丈夫な気がしました。
一方でやっぱりバンマスの姿を探してしまうという現象も起きていて、この方の存在感は音もそうじゃない部分も含めてなんて大きいんだろうとも思いました。


・「収録が入っています」というアナウンス!!
前々日の堂本兄弟収録に入られた方のツイートや前日のライブレポで「立派なヒゲが育ってました!」とあちこちで聞いていたので、どんなに立派なんだろう!?とわくわくしていたら(わたし個人はヒゲ派でも反ヒゲ派でもないです、笑)つるんとしていたので、ありっ?!と拍子抜け。「ヒゲはいやん」派の友人たちが喜ぶ顔が目に浮かんでニコニコ(笑)
とにかくとにかくDVDにな〜れ♪ついでにライブCDもカッモーン!
石舞台、薬師寺平安神宮三部作でもいいし、なんなら美我空ツアーも一緒にFunk Love誕生記念BOXでも…


・最も印象的だったMCはちょっと笑い、ちょっとせつなかったここ。
「みなさん僕の情報システム「FUNK-LOVE」に登録してくださいましたか?今回も急でしたからね〜
いちはやくライブ情報とか知れますから。
実を言うとぼくが真っ先に登録したいくらいです!」
「バンドメンバーさんたちも登録した方がいいですよ。今回もいろいろと予定が入っているのを上手に調整してみなさんきてくださいました。」
というところ。
うははっ!笑えるような泣けるようなお話です。そういやCHERI E最終日直前の大阪でこの話を聞かされたのですよね。こんな大切で特殊なライブなのに…一緒にやってくださるメンバーを探して時間と闘いながら曲を選んで構成を作って、照明など演出を考えてリハして…よくここまでのライブになったなぁと感慨深いものがありました。
しかも曲目だけみるとさほど目新しい曲がないようで、アレンジを変えて印象ががらっと変わったもの、歌い方が変わって新鮮だったもの…いろいろありました。
今年様々な場所で鳴った音楽を全部何度も巻き戻したり進めたりしながら聴き比べができたらどんなにかいいでしょう。


・今年は石舞台、薬師寺ENDLICHERI☆ENDLICHERI名義のツアーを経てこの平安神宮ライブとなりました。今回は時間が短かったこともあってか、時空や美我空、セッションなど歌声の入っていないシーンが半分くらいありましたが、今回初めて歌と演奏が半々でも全然かまわないと思いました。
つよしさんが弾くギターやベースの音色が歌声に寄ってきたのかな?声帯を震わせずとも弦が声みたいに鳴って、とてもとても心を動かされました。
この感覚は初めてで、いつも歌を聞いている時に思うように、セッションやソロのアドリブが終わってしまうのがとてもさびしく感じました。永遠に聞いていられたらどんなにしあわせなことでしょう。
声楽家は「人間の身体は最も素晴らしい楽器のひとつです」とおっしゃるのですが、つよしさんの声を聴いていると彼も身体全部を使って楽器のように素晴らしく上手に響かせていると思います。
でも「逆もまた真なり」で、地道な鍛錬を半端なく重ね、その人の手になじんだ楽器は身体の一部のようによく鳴って、その人の感情や言葉をも代弁するってことかしら…なんてそんなことを思いました。


Love is the key
前の曲FUNKASY!!!と対極でこちらはめっちゃゆっくり。今年この曲はどのライブでも聴けたのですが、驚くことに全部アプローチが違っていました。
そして個人的には今回のが一番好き。しつこすぎず甘過ぎず、おおらかな歌い方なのになぜかとってもセクシー。
代々木ではなぜかイケナイ感じのセクシーに思えて(笑)手の間からこっそり見てないフリして見る…的な印象があったのですが、今回はもうちょっと開放的なセクシーに感じたんですけど…ここは人それぞれ感じ方ひとつかな(笑)
KenKenのスリリングに這いまわる自由なベースの上で、自由に泳いでいるような歌い方でした。
メモを見たら「音の波。波間を浮輪に乗ってゆらゆら。浮遊感…ってな声」って書いてあってどんな声?と当惑(笑)自分メモながらそのポエム加減にくらくら(笑)LOVEの「V」の発音で、お手本みたいに唇を噛んで伸ばすところがあんまり色っぽくてドキドキ。
照明がドラマチックな「赤一色」だったのが更に色っぽく見えた原因かしらん!?いつになく強烈な印象が残りました。


・Chance Comes Knocking. その1(があるということは、その2もあります、笑)
代々木でも思ったのですが、音楽の楽しみ方は幾通りもあるということをいろいろと思い出させてくれました。
ただ歌っているだけ、演奏しているだけが音楽じゃなくて、立ったり座ったり振り向いたりするだけでリズムが生まれ、メロディーが載って音楽になる…というのを心から実感し楽しみました。
つよしさんってば、客席側にわざとおしりを向けて、まずはズボンをずりずり〜っと下げ始め…かなり腰パンになったところで、振り向いてはポーズ。この瞬間の表情がまるで雑誌の一ページ。
このつよしさんの動きにステージの上も含めた会場中が反応して音楽がひとつの方向性を持ってきて…どうかすると客席のひゃーっ!きゃーっ!までが連動して唯一無二の音楽を形作っていて、音楽ってなんておもしろいんだろうと大興奮。
アンプの影に隠れてリズムを取りながら絶妙のタイミングで顔だけひょこっと出して、それにKenKenが反応して音を鳴らし、次第にまわりのミュージシャンや客席もやっぱり巻き込まれて、無邪気なかくれんぼですら音楽の表現へと変えてしまう楽しさと言ったら。
そしていつしかステップが一定の規則をたどり始め、ターンが美しく決まりキレのよいダンスが音楽と連動し始めて…これから!といういいところでつよしさんの身体にくっついていたコード類がパラパラ〜っと身体から落ちそうになって「あーあ。」慌てて動きながらかき集めるステージのヒト…そんな仕草が一部始終わかるくらい近くで見たのはここ最近なかったこと(笑)
ここぞと言う時の本気のダンス、そんなに長くはないですが、代々木以来毎回ちらっと見せてくれるので「いつか気が済むまでがっつり踊っている彼が見たい!」という気持ちがどんどん大きくなっています(笑)