ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

  shamanipponーラカチノトヒー tsuyoshi domoto 6月8日 その2

この日記はずっと下がったところにある「その1」の続きです。
ここからご覧になっても差し支えありませんが、最初からご覧になりたい方はどうぞスクロールしてくださいね。
ここからはセットリストに沿って書いていきます。
思いきりいびつです。
長いところと短いところがあります。
それでもいいという方はふたたび言いますけど、ネタばれに気をつけつつ、どうぞ続きを読むからお入りくださいね。
TUKU FUNK
スタートはどんな風に?と思ったのですが、ドキドキする間もなく、ふっつーにつよしさんが現れて、あれよあれよという間に白いギターを弾き始めます。
久しぶりに生で見たつよしさんは、気負いがなくて、穏やかで素っぽい無心なとてもいい顔をしていました。
少し前に日記で触れたような、過去のステージ、客席とも緊張感あふれるドキドキしたスタートではありません。
あの頃があって今がある。きっといつかはとは思っていたけれども、今の彼にちゃんと逢えて本当によかった…
ステージの低さにも近さにもオーディエンスに対する信頼が現れているような気がして、信頼に足るファンでいたいと心から思いました。
バンドの皆さんも定位置について、最初はひそやかに、徐々に聞き慣れた音がリズムがにぎやかに鳴り始めます。
和の要素と洋の楽器の音色が溶け合い影響し合って世界にひとつだけの音をカタチ作っている感じ。特にパーカスとドラムの音のコラポ、その上を自由に泳ぎ回るギター、這いまわるベースがとても印象的でした。
あっ!ベースはKenKenと確認してなんだかとてもうれしかったです。
数日前に彼のお父さまの訃報に接し、とても胸が痛かったのですが、心にはもちろんいろいろな気持ちがあったでしょうけれども、いつも通りのKenKenがそこで音を奏でている様子には、なんだかとっても勇気づけられました。
ホーン隊にこの日はルイスバジェがいらっしゃるのを確認してワクワク。
244 Endli-x以来ぶりです。
KenKenやルイスの陽性で突き抜けた音は、意外にもつよしさんの音楽ととっても相性がいいように思います。
自然とつよしさんの元から持っている陽性な音も引き出されて音楽に温かみと包容力が増すような。
他にいつもと違う方はというと、ギターに清水ひろたかさん。
彼の名前を聞いて、どこかのライブでその音に触れた気がしてならないのですが、salyuさん?CHARAさん?それともオノヨーコさん関連かな?
あの方も相当なイケメンなのよ〜と友人から聞いてましたが確かに〜。素敵な方でした(笑)
つよしさんは赤と黒のTシャツにシャマ柄のパンツ。その上に黒のボコボコした素材の短い丈のジャケット。
髪はテレビよりも更にパーマが強く感じましたが、テレビよりオトコマエ度5割増しという感じ。
この後折に触れて髪の毛を触っていて、何通りもの髪型になっていておもしろかったです。
ある時はオールバックでワイルドに。
ある時は完全に横に撫でつけてまるでカツラ?という感じになっていたり…
前髪が出現してぐっとかわいくなったり、ウエービーな前髪がはらりと落ちて来て超絶色っぽかったり。
片時も同じ髪型が保たれないところが不思議おもしろくて釘付けでした。


くにのうた
TUKU FUNK終わりに、ホーン隊の皆さんが顎を上げてすくっと立ち上がり、すたすたとこちらに向かって歩いて来られるのでびっくりしました。
わたしは通路側の6列目、一番端っこにいたのですが、真横をSASUKEさんが通って左へ。
わたしたちの場所から最も近くの客席の間に現れたのはしろくまさん。ステージの上にいらっしゃるのを遠目で見た時よりもずっとがっちりした感じ、パワフルで持久力がありそうな肉体に見えました。リード系の楽器は体力がいるし、鍛えてらっしゃる感じでしたよん。
6列目の後ろ、通路との間の所々に台がおいてあったのかな?その上に上がって高らかにファンファーレのように鳴らされた最初のひと吹きはとても誇らしげで印象的な音でした。
久しぶりにほぼ真横で聴いたサックスの音、より至近距離で鳴り響くトロンボーンやトランペットのffな音に心をぎゅーっと掴まれました。
続けて鳴り響いたスティーブさんの銅鑼の音。これでとてもその場の空気が締まります。すべてがかっこよくて思わず身震いしてしまいます。
続いて始まった「くにのうた」本編はCDよりもずっと男臭くて、文科系というよりは体育会系のノリのようなイメージを持ったのはなぜだろう。パワーを肌で感じたからかな?
わたしは個人的にライブバージョンの方が断然好き。
前に立って音を鳴らし声を上げる面々が、なんだか理不尽な世の中という敵に楽器や声という武器を持って力強く立ち向かう、選ばれし戦士のように見えました。むふふ。
FFの美しいCGみたいな、そんなイメージを抱いたのは目の前のKenKenがちょっと細くなってとっても綺麗だったからかな?
つよしさんがうるわしいのはもちろんのこと。竹内くんも。わたし的お初だった清水さんも、SASUKEさんもお久しぶりなルイス氏もスティーブ氏も豪太さんもバンマスも。コーラスの平岡さんもタイガーさんも。
…なんだかみなさんとってもかっこよくて、どこかに印象的な赤が入った統一感のあるお衣装で、わたしの目にはみなさんが勇者っぽく映りました。
実際みんなすごく心身ともに強靭そうで、とてもとてもかっこよかったです。
竹内くんを始め、みんなが「shamanippon」と高らかに声を上げる中、なぜかつよしさんは口をきゅっと引き結んでギターに専念していて、なんだかそれもとっても不思議な光景。
言いたいことはギターで言います…的な(笑)
太い一本の大元のフレーズはCDと同じですが、中の細かいところがアドリブで、あちこちに枝分かれしていく素敵な音楽。そんなところもちょっと新鮮でした。
いつからかshamanipponの旗がステージの上ではためいていて、つよしさんに夢中だったわたしはその存在に気がついておらずびっくりしました。
あとからあちこちで見たレポによれば、スティーブさんが送風機で風を送ってはためかせてらしたようです。
目はひとつひと組しかないから、やっぱり見逃しとか多いのですが、ふとした瞬間に気がついてぎゅーっと心を掴まれる。こういう感じも好きです。


にひ
大きな月。雲、夕焼け?熱帯雨林の林?水?とわたしメモ。
印象的なイントロから歌へ。
マイクスタンドが赤いことにやっとここで気がつきました。形がshamanipponのマークをかたどっているみたい。芸が細かい!とか思ってしまった。
この曲はわりと原曲に忠実なアレンジになっていたと思います。期待したところで期待したとおりのフレーズが流れます。「ああここの音はこの方が鳴らしている音なんだ」というのを確認するのも楽しかったです。
この曲は、つよしさんが繰り出す歌声もさることながら、つよしさんのギターが強烈に色っぽくて痺れました。
歌声はどちらかといえば絶妙にコントロールされていて、それだけが際立ってくるというよりは、歌声も楽器的スタンスで音をかたどっているように感じました。
それに対してギターの音は、いつからか強烈に「つよしさんらしさ」を発揮するようになっていて、ギターも声の一部であるような、ギターの音色も身体から出している音のような、心と直結しているような…そんな不思議な感覚を覚えました。
リフの緩急が素晴らしく、弾いている指先に見とれました。
同じ音を繰り返しながら徐々に高みに上り詰めてゆく感じが素敵です。
この曲はつよしさん曰く「イロエ」な1曲ですが、つよしさんのギターを鳴らす表情がふと恍惚としていて、顔でギターを弾いてるんじゃないかと錯覚しました。そんなカオ。ひゃ〜っ!!ごちそうさまでした(笑)



The Next Dimmension
前にも日記に書きましたが、最も単純にわたしのテンションが上げ上げにしてくれるこの曲がライブで聴けて、とてもとてもHAPPYだった1曲です。
あんまり歌の印象がなかったのですが、そういえばつよしさんが「ラカチノトヒ」と歌っているのだということがあらためて実感できました。
美我空ライブの時にもシルエットをうまく使った演出がいくつかありましたが、この曲も「彼の手」が重要なポイントです。
そもそも客席のあちこちで同じように親指と薬指を合わせたファンクポーズを取っている方がいて、これはすでにできているお約束なのかなぁ?とすぐに取り入れてみたりしました(笑)徐々にそれが会場中に広がって行って、あっという間にみんながやっている素敵な光景。
ぐるっと見渡すつよしさんの信頼に満ちた顔。バンドのみなさんに対する時だけじゃなくて、客席側を見渡すそのお顔もとっても穏やかで、なんだか胸がキュンとしました。
ここでもまた信頼されてるなあと思いました。
途中つよしさんの手だけにスポットが当たり、影絵の時のようにつよしさんの手が白く浮かび上がって、その手が数字を出しています。
ブルーベリーのジャンプのコーナーが、進化してこんなところに取り入れられてました。
このジャンプは結構難易度が高くて、どういうタイミングで入るのかなんとなく理解するまでに結構何度か飛び損ないました(笑)いやん、年かしら。リズム感には結構自信があるんだけど(笑)
「音のサーフィン」とわたしメモ。こういうの好き。


ラカチノトヒ
この曲は短編小説みたいに独立した世界観を持ってこれでもかと迫ってきて、強烈に心を揺さぶられました。
わたしは今回のアルバムで最も心を奪われた曲は?と聞かれたら即答でこの曲をあげると思うのですが、ライブでもやっぱり最も印象に残った曲のひとつでした。
歌声はもちろんですが、この曲の最大の見せ場のひとつは、つよしさんが久しぶりにソロライブ本編で見せて味せて(笑)魅せてくれた長い長いダンスです。
いつもこういうものを見た時に、短絡的にわたしの頭が思い出すのはラベルのボレロなのですが(笑)この時もやっぱり強くそう思いました。
いえいえ、今回が今までの中でも一番ボレロちっくだったかも。
その心は…なんていうのかな、音楽がきちんと秩序立っていて、禁欲的なムードを持った曲であるのに一方で不思議な色気を醸し出していて、見る人が時間の経過とともにますます魅了される。
ほら、ラカチノトヒにも共通しているところがありませんこと!?
ずいぶん前に円卓の上でバレリーナが踊る映像を見たことがあるのですが、その時と魅了され方が似ていると思いました。
ボレロちっくでありながらも…同時にバリのケチャックダンスとか、わたしの居たマレーシアのガムランとかいろんなものが思い出されて、頭の中をぐるぐるしました。
多分神さまに近い感じとショーとしての完成度の高さ。これが共存しているからそう思ったのかも。
何を書いたんだかよくわからなかった文字のひとつが、ふと解読できました。
津軽三味線みたいな音。ベース。」と書いてありました。
そのひとことで思い出したのですが、パーカスもすごく和っぽい音を出してました。
それに対して同じ打楽器でも豪太さんの音はボレロ西洋音楽の匂いもして、この和洋折衷な感じがまた、とても魅力的だと思ったのでした。
仲良しさんからいただいたレポに「サロメもかくや」と書いてあったのですが、その意味がよくわかりました。まさしくサロメもかくや…です。
バックスクリーンには上半身裸のつよしさんの大きな映像が映し出されているのですが、もっと前にいる生身のその人は服は着ているけれども、とんでもなく色っぽさ全開モード。
この実物の前には、裸つよしさんも降参(笑)
ほとんど目の前のご本人に釘付けでした。ごめんなさい。
どうやら裸つよしさんの方は、流れている血潮の映像が途中重なっていったので、色気をふりまきたい映像ではなくて、理科の人体模型みたいな「血の流れはこうなってます」的使い方をされていたみたいでした。
一方で目の前の本物つよしさんは、隠しても隠しきれないほどの色気と、簡単には触れることができないような神々しさが同居している不思議なムードを醸し出して踊っています。
ウソドモリト…からのマントラみたいな部分がとても秩序立って並んでいるように感じたり、音楽が進むにつれてどんどん聴いている自分自身も高揚していくような感覚があります。
竹内くんのソロギターに合わせて向かい合って踊るのですが、竹内くんのイロエな音をそのまま見える形で表現するとこんな風になるのか〜と妙に納得。
音がない世界に行って、絵だけを見たとしても、どんな音かが想像できそうな感じがしました。
以前ラジオで耳が聴こえない方のハガキが読まれましたが、その方が「聴こえなくてもライブをとても楽しんでいる」とおっしゃってました。
そのエピソードがラカチノトヒの時に不意に思い出されました。きっとどういう方でも楽しめるようにいろいろと考えられているのかも。
あえて不似合いなメルヘンちっくな感じに表現すると、まるでつよしさんが竹内くんのギターの精みたいにも見えておもしろかったです(笑)
正確に音のひとつひとつをステップにして再現しているように感じました。
つよしさんは恍惚とした顔。自在にくねる腰。
途中で一段高いところへ移動して、さらにダンスが激しくなってクライマックスへ。
畏怖の気持ちと煩悩の塊のような気持ちの間をゆらゆらと揺れながら見た、聴いたこの1曲。強烈な印象が残りました。大好き。

この曲あたりから数曲あるテンポが速い呪文系の歌詞は、実はつよしさんの真骨頂のような気がします。
それこそBPMの速い曲をカツゼツよく機関銃のように繰り出している時のかっこよさ。
どこで息を継いでいるのかわからないくらい素早く正確なブレス。
これらが複雑なメロディーの上を音程のレールからまったく落ちずに走っている時の凄さと言ったら。
どこまでも伸びるロングトーンと、機関銃みたいな早口、以前だったらもしかしたらロングトーンを選んだかもしれませんが、ここ最近はどっちを取るかと言われたらとっても迷いそうな気がします(笑)
ではこのライブでは、あんまり歌声を強調した曲は少なめなのか?というと全然そんなことはなくて、多分このshipのある場所が、他のところよりも深夜が早めにやってくる奈良だ…ということもあると思いますが、後半部分の方に美声堪能のコーナーが集まっています。
動と静のバランスもとっても良くて、入口から出口まで、いろいろと上手に計算されていると感じた今回のライブでした。
続きはその3としてただ今準備中です。
これは明日以降にアップしたいと思います。