ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

ぼくはロックで大人になった〜忌野清志郎が描いた500枚の絵画〜

このエントリーは、少し前に見た番組の話です。
どうしても書きとめておきたかったのでちょいちょい下書きを足しつつあたためていました。
この番組を見ることができたのは実はとっても偶然なのですが、お茶の間レベルでしか清志郎さんを知らなかったわたしにはとても新鮮な番組でした。
この文章が清志郎さんファンの目に触れる可能性があると思うと、とっても素人な文章なので恥ずかしい気もしますが(笑)思ったことを素直に残しておきます。
この間ラフォーレ原宿で彼の絵に触れて、絵がわからないなりにも強烈に惹きつけられるものがあったので、とっても興味が沸いて録画してみました。
番組は清志郎さんが描いた大量の絵や心情を吐露した大量のノート、高校時代の美術の先生や担任の先生、そして親友の三浦友和さんや仲井戸麗市さんのインタビューなどで構成されていました。
まわりの方々の中から聞く清志郎さんのカケラをひとつひとつ集めてはだんだんに清志郎さんという方の輪郭がみえてくるという構成もおもしろかったですし、おかあさまが彼について身の上相談に投稿された記事が出てきたり、走り書きのメモに本質的なことが記されているのをじっくりと見せてくれたり、至れり尽くせりの番組でした。
最近民放の番組ではこんな風にじっくりと作られた見応えのある番組はなかなか見れないし、おもしろいと思う番組がもっぱらNHKに偏るのは年のせいかな?と思ったりもしてましたが、そうじゃないな、番組への熱の入れ方や取り組みの本気度が全然違うのだと気がつきました。
わたしのつよしさんファンの友人の中に、清志郎さんファンでもあるという方がたくさんいます。
この番組を見ていて、ずっと清志郎さんを応援されていた方がつよしさんのファンにもなったのがとてもよくわかる気がしました。
常に本当の自分と向き合おうとするところ、自分とは?と問い続けていること。誰に何と言われようがご自分の主張がはっきりとあって、決して曲げないところ。音楽でも美術でも、常に持ち続けられたあふれんばかりの表現衝動。どんなにスーパースターになっても自分を見失わなず、やっぱり自分とは?を模索するのをやめないところ。ド派手な衣装で武装して最高のテンションでステージを走り回るテンションの高い姿と普段の生活で見せる顔とのギャップ。家族や普通の生活をとても大切にされていたところ。わかってもらいたいけど、わかってもらえないことへのいらだち。「ミュージシャンは結婚しちゃいけない」と本気で思い作品をたくさん書き溜めて結婚の日を迎えられたという、その思い込みの強さもやっぱり似ているなあと思ったり。
途中で「わかってもらえないという気持ちを彼に重ねていた」というファンの方がインタビューに答えてらしたのですが、この方の清志郎さんへの思いが、ソロのつよしさんのファン(特に男子の熱いファンたちかな!?)の思いとも共通するものがあるような気もして、興味深かったです。
わたし自身はテレビに出るようになって初めて清志郎さんという方を認識したので、高校時代から売れっ子になる前までの彼をまったく知りませんでしたが、その時代のことも知ることができてよかったです。
特に高校時代や不遇の時代にノートに書きつけていた膨大なメモやイラストから、彼のルーツ、どんな風に考えどんな風に生きたいと思っていたのかがよくわかりました。
わたしは子どもの頃同じ日生まれで血液型も一緒の三浦友和氏のファンだったので、彼の口から親友清志郎さんの話は何度か聞いたことがありました。
今回友和さんからもまた当時聞いたことがなかった話が聞けてとてもおもしろかったです。
友和さんと清志郎さんは亡くなる直前まで母校の高校の美術の先生を囲む作品展に出品されて先生にも会われていたそうで、そうやって昔からの絆をちゃんと大切にしてらっしゃるところもとても素敵だと思いました。
個人的にはわたしも都立高校の出身なので、都立の「自由自主自立」的な雰囲気に久しぶりに触れることができたのもとても楽しかったです。
あんな風に個性的でわが道をゆくタイプの先生がたくさんいらしたなぁとか。でも慕って行くといろいろなおもしろい話が聞けたり、とことんめんどうを見てくださったりしたなぁとか。
『ぼくの好きな先生』という歌がBGMに流れていて

ぼくの好きな先生 ぼくの好きなおじさん

と歌詞にもなった美術の先生が、控え目ながらも長い年月ずっと清志郎さんを見守ってらっしゃったのが印象的でした。
またインタビューを受けて、多分当時ご存じなかった事実を知らされて絶句している仲井戸氏とか、熱い思いを秘めているに違いないのに言葉少なに淡々と語る友和氏とかの様子に、この方たちと清志郎さんの関係がいかに本物で、大切にしていたかがうかがわれる気がして、とても心に残りました。
わたしは作品の方を先に見てしまいましたが、この番組を見てからあらためて作品の数々を見れたらよかったなぁとしみじみ思いました。