ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

奈良旅日記 7月11日編  その1

旅日記に関して、「続きも待ってます!」とコメントをくださったHさま。いつも反応を言葉にしてくださって本当にありがとうございます。心からの感謝をこめて。
二日目の旅の記録です。画像も多いのでパソコン推奨です。
11日は起きてすぐに外を見たらずいぶんどんよりとした曇り空でした。
降水確率が高かったので、法隆寺方面のバスに乗ってしまおうか?と前日には話していたのですが、朝の時点ではまだ降っていなかったし、やっぱりあきらめきれずに明日香方面へ行くことにしました。
電車で近鉄奈良から1時間ちょい。この距離ならなんとかなるかも!?とふんぎりをつけて慌ただしく朝食を食べチェックアウトして9時26分発の近鉄奈良発の電車に乗りました。
飛鳥に着いたのは、10時33分。途中乗換えの橿原神宮前駅ではすでに雨がたくさん降っていました(笑)この駅にはいろいろなお店があってびっくり。地元の最寄り駅よりも買いたいものが充実してる気がする…と言いながら通り過ぎました。
  
さて、飛鳥駅に到着。
よく見ると撮影時間が夕方なのですが(要は画像は帰りに撮ったのです、笑)飛鳥駅はこんな感じでした。
となりの自動販売機は石舞台仕様。前回は楽してお友達に車で連れていっていただいちゃったし、この駅に降り立つのは今回が初めてです。
とりあえず雨はほとんど降っていませんが、今にも泣き出しそうな空を見ながら、駅前の貸し自転車で自転車を借り、とりあえず最初の目的地は
「まっすぐに道なりに行くと、高松塚古墳があるから、そこに行ってごらんなさい。」
と言われるままに高松塚古墳へ。

ここは公園になっていて緑がいっぱい。とてもきれいに整備されてました。古墳そのものを見た後は高台をゆっくり歩いて戻ったのですが、「ここは空気がとてもおいしい気がする。わたしたちが住んでる関東よりも、ずっと自然に、とても楽に呼吸ができる感じがするね。」という話を。
薬師寺に行く直前につよしさんがラジオで「街」という曲に

僕が 生きてるこの街は 不思議を潜め 呼吸して

という歌詞が入っているのは偶然じゃなくて「このころは息をするということがとても大変だったから」というようなことを言っていたね。その話を思い出すとなんだか胸が痛いね…なんて話をしたり、ヨガで聞いた「人が一生の間に呼吸する数は決まっている」という話や、呼吸によって身体の中にあるマイナスのエネルギーを吐いて、プラスのエネルギーを吸い込むんだって…なんてヨガの先生の受け売り話をしたり(笑)
雨がぽつぽつ降ってきたし、高松塚古墳は駆け足でぐるっと巡って壁画館はパス。
自転車屋さんでもらった地図を見ながら次なる目的地は「亀石」に定めてまた走り出したのですが、意外とアップダウンがあります。

亀石はいつ、何の目的で作られたのかは定かではないのだそうですが、川原(この場所の名前かな)の所領の四方の境界を示す標石ではないかと言われている…というようなことが書いてありました。
その下に伝説が書いてあってそちらの方が面白いことが書いてあって
ここ一帯は昔湖だったそうで、川原は長い喧嘩の末対岸の当麻に水を取られてしまい、そのため湖の多くの亀が死んでその供養のために石に亀を刻んでここに置いたとされるのだとか。
この亀石は現在南西を向いているけれども、これが西を向いて当麻の方に向いてしまうと、大和盆地は泥沼になると言われているのだそうです。
いつまでもちゃんと南西を向いていてほしいものだわ…と思いつつふと隣を見ると、小さな休憩スペースとお店がありました。
おいしそうな新鮮な野菜とか手作りのつめたいおやつとか、黒米のおにぎりとか売っていて、食べてらっしゃる方もいましたしとても心惹かれましたが、先を急ぐのでとりあえずパス。
雨が激しくなったのでビニールの合羽を着て、荷物は大きなゴミ袋に入れて次の場所を目指します。
次は橘寺かな?…なんて言いながらよくわからないまま走っていたら、突然とっても知っている場所に出てびっくり。
それは前回石舞台ライブの直前に立ち寄った黒米のたこやき屋さんの前だったのです。
「うわぁ、なんて懐かしい@@@@」としばし立ち止まって感慨にふけるわたしたち。
ここでやっと「自分たちの足で明日香に来た!」と実感しました。
まさかふた月と経たない間にまた来ようとは…(笑)
あの時いたなつかしい(!?)メンバーひとりひとりの顔が思い出されるような気がして、不思議な気持ちでしばらく立ちすくんだ後、このあたりは勝手知ったる道だね!このまま石舞台に先に着いちゃったらそれはそれでいいしね!なんて言いながら、前回石舞台のライブに向う時にたどった道をおさらいしつつ自転車を漕いていきました。
しばらく知った道を走っていくと、前回公衆トイレがあった場所が出てきてなつかしい…なんて見ていたらすぐそばに橘寺への入り口を示す標識があってびっくり。前回はぜんぜん気がつかないで通り過ぎていたのでした。
標識に沿って道を曲がると田んぼの真ん中にとつぜん橘寺が現れます。雨が激しくなったので、一旦合羽を脱いでゴミ袋に入れ、本格的に傘に持ち替えていざ、中へ。
入口に小じんまりとお菓子が売られていて、中では仏さまに小麦粉がお供えされていました。
  
ここは聖徳太子がお生まれになって子ども時代を過ごされた場所とされているそうです。となりの馬の画像は聖徳太子の愛馬、黒駒の銅像だそうです。聖徳太子さまの像もありました。

そして蓮の花。この季節蓮がとても綺麗だと聞いていましたが、前日はライブを見ることでいっぱいいっぱいで見ることができませんでした(笑)
しばし立ち止まって蓮の花をじっくりと鑑賞しました。
  
それからこれは二面石。この辺にたくさんある巨石のひとつだそうです。「二面石」と書いてある木の立て札がものすごく古ぼけて朽ちかけていて、時代を感じさせました。
その隣に新しく立てられた看板があって二面石の説明が書いてあります。
「右善面、左悪面と呼ばれ、我々の心の持ち方を現したもので、飛鳥時代の石造物のひとつである。」
と書いてありました。
左の画像が善面で、左が悪面ということなのだと思うのですが、どちらも愛嬌がある顔に見えました。
誰の心の中にもどちらの面もあって…どちらから見るかによって、違う面が見えたりして…相手の心の中にも自分の心の中にもさまざまな面があるってことかな。
たとえば苦手だと思うこと、苦手だと思う人でもそうと決めつけず違う側面からみれば違う一面が見えてくるはず?…よくも悪くも印象を思いこみでひとつに決めてしまうことはとっても危険?…とも言えるのかな?…なんてさまざまなことを考えながらしばらく眺めていました。
 このお寺の中には本堂と別棟の往生院というところがあって、「写経」とかもできるようなのですが、ここには全国から集められたという天井絵があって(これは古いものではなくて、多分最近のものだと思います)色とりどりでとてもきれいでした。
このあたりですでに12時半頃だったのですが、この日はふたりとも夢中で自転車を漕ぎ、見るものすべてに惹きつけられていたせいか、はたまたあまりの湿気のせいか(笑)まったく空腹を感じておらず、また合羽を着て次は石舞台に向けて出発です。