ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 大学生奮闘記。

 今日は最後のレッスンがとっても綱渡りで大学生ふたりです。
この子たちがまだ大学から帰る時間が固まっていなくて、先週なんぞは片方からの連絡がなくて、ずいぶん振り回されてしまいました。
何度メールしても連絡がまったくないのです。確か学校の初レッスンの日だったはずだし、心底うろたえました。
彼女はピアノが初心者過ぎる状態でうちに来ましたから、どう考えても初レッスンが楽しいものになるはずがないのだし、きっと学校のカルチャーショックとピアノのショックが重なって、落ち込んでるんじゃないか?とか、必ず連絡しますと言ったのに連絡がないのは、何か帰り道にあったんじゃないか?とか…
そんなこんなで、6時に来ると言った子が8時になっても何の連絡もないので、揚げ物にしようと思っていた我が家の夕飯は滞るし、そのうちやっぱり大学が始まったばかりでドキドキな毎日を送っているオトートが「腹減った〜」と現れるし。
とうとう綱渡りですが、揚げ物を始めてしまったのですが、終わっても彼女からは連絡すらなく。
仕方ないので、8時半になって家電に掛けたら、彼女のおかあさんが出て「まあ、てっきり帰りにピアノに寄ってるものだと思っていたのに…本当にすみません。どこへ行っちゃったのかしら?」とこれまた当惑気味におっしゃるので、思いきりどうしよう?どうしよう!と気を揉むことになってしまったのです。
ただし、彼女のおかあさんが「先生、今日のレッスンはもうお休みにさせてくださいね。連絡もしないなんて、とんでもない娘だわ。」とおっしゃるので、いつも見ている限りでは「とんでもない娘」とは思えないけれども、今回は甘えさせていただくことにして、電話を切ったのでした。
それから10分して、8時40分。オットも帰宅し、我が家の食卓がやっとセットされ、いざやっとごはんという段になって「先生、ごめんなさい。」と本人から電話がありました。
「どうしたの?」と聞くと、携帯の電池が切れちゃって連絡不能になっていたのだそうです。あまりにも弾けないので、先生に相談に行ったのと、人身事故で電車が遅れるしで、こんな時間になってしまったこと。わたしからのメールも見ておらず、本当にすみません。」とのことでした。
あまりのことに、一瞬絶句したものの、「今日はどうする?」と聞いたら「今日はもういいです。先生の迷惑になるし。」と小声で。「じゃまた別の日に振り替えましょう」と言う気満々だったのですが、彼女の言葉の最後のところ「なるし。」が微妙に涙声だったことに気がついてしまった…のに気付かないフリはできないでしょ…そう思ったら反射的に「これから来る?」と言ってしまいました。
もちろん彼女は来ると言い、食卓目前にして9時からレッスン。オトートが「こんな時間からバカじゃないの。お人よしにもほどがある。やめとけよ!」といらいら声で(多分彼はおなかがぺこぺこで怒ってた、笑)
他にも数名ピアノがほとんど弾けない子、初めてに近い子が集められたクラスで、いきなり彼女たちは両手の楽譜、トンプソンを与えられて、最初の方、5曲も宿題を出されたのだそうです。中でも初心者中の初心者の彼女は、やっぱり誰よりも弾けなかったとか。そりゃあ、凹むわ。
とはいえ、彼女はひと月前からうちに来ているから、両手の曲はまったくの初めてではありません。でも、初心者なのにいきなりみんなの前に出されて完ぺきに弾けるはずもなく…撃沈してきたらしいです。
手の形とか力の抜き方はものすごく勘がいいし、楽譜だって冷静になれば着々と読めるようになりつつあるのだし。
「毎日休まず弾けば絶対にみんなに追いつける。大丈夫。」って短いレッスン時間の間に多分20回くらい言ったかも。
相変わらず超短いバルーンスカートを履いて、まつ毛をたっぷり盛っててすご〜いギャルっぽい恰好なのですが、彼女の中の素顔はとってもシャイで心配性な女の子。
結局まだキーボード類は買えていないようですが、小さな2オクターブ半の卓上キーボードで、今のところは欠かさず毎日弾いているらしいです。もちろん相当苦労はするでしょうけれど、何より勤勉だからきっと大丈夫だと思うのですが…
今日はその子と、前からきているうぜーよちゃんのおねえちゃん(彼女はやっとバイエル80番まで行きましたよ!)がダブルでやってくることになっていて、綱渡りの二乗なんですけど…大丈夫かなぁ。
この子たちは、週に2回ずつやってくるので、本当に時間のやりくりに苦労しています。
それにしてもわがオトートも含め、大学生とかかわると時間が読めなくて困ります。本当に時間がわからないのです。
夕飯の支度ができないもそうだけど、わたしがご飯を食べるタイミングがなくなっちゃうのが一番困るんですけれども。
9時とか9時半に食べてると益々体重が…目下の一番の悩みはそこです。