ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 最近のこと。夏休みの課題。

久しぶりに日記を更新したら、たくさんの反響をいただきまして、ありがとうございます。
しばらくはとろとろやっていくことと思いますが、もう少しおつきあいくださいませませ。
さて。
夏休みになりました。
とはいっても、それはうちの生徒たちの話で、もちろん社会人のアネにはまったく関係がないし、大学生のオトートは今試験の真っただ中。
というわけで、日曜日、せっかくのお誕生日だったのに、ほとんど試験勉強で部屋にこもりっきり。
バースデーケーキは毎年手作りするのですが、今年は時間もなさそうなので、とりあえず買ってきたショートケーキで済ませて、試験期間が終わってからあらためて彼が好きなケーキを作ってあげようかなぁと思ってます。
久しぶりにゆっくり話も聞きたいです。
夏休みと言えば、こんな本を読んでます。

ピアニストの毎日の基礎練習帳

ピアニストの毎日の基礎練習帳

帯のところに「1日15分、この練習を続けてみてください。」と書いてあります。
続いて

初心者から大人の学習者まで。
ピアノを教える先生方へ。
プロ、アマを問わず、舞台でピアノを弾く人へ。
本当に効果的な練習法、
楽しみながらピアノを続けていける方法をお伝えします。

と書いてあります。
最初に自分で試してみて、効果があるようなら生徒にも薦めようという魂胆です(笑)
そんなわけで、とりあえず生徒のレベルに合わせて初級コースの課題をやってみることにしました。
これは、簡単に言っちゃうと、日付の下一けたの番号のついた曲を順繰りに毎日さらっていくという練習法です。
初級課題は、ツェルニー30番と40番。スケールと、バッハのインベンションとシンフォニア
今日だったら4がつく曲を全部さらいます。4番、14番、24番、34番。
初級編だからとりあえず譜読みはうん十年前(笑)に済ませている曲ばかりだし…弾けないのもあるけどね(笑)…まあ日々の鍛錬にはちょうどいいかなという感じ。
今うちに来ている子たちの中で、一番多い層はソナチネレベルですが、実はわたしはその辺りはあんまり熱心に練習してはいませんでした。
しかもペースがひたすら「遅い!」とせきたてられて、自分も練習しない癖にもっと早く次のステップに行きたくて、頭の中にはショパンやベートーベンへのあこがれがあったし、もったいないことに、その当時やっていた課題はかなり上の空で練習したのでした。
今生徒に弾かせてみると、どの曲も味わい深いいい曲なんだけどなぁ〜そうやって常に先ばかり見てその時々の「今」がおろそかになって、こうなっちゃったわけです。悪いお手本です(笑)
そんなこんなで、自分的にはこの辺りが一番レパートリーが薄いのですよね。
せっかく今、この辺りをがんばっている人がいっぱいいるので、彼女たちと一緒にこの辺りのレパートリーをめいっぱい楽しんでみようと思っています。
生徒と言えば、今うちの生徒たちの中で手がかかる子たちは2極化していて、5歳児と7歳児の超初心者と、大学生ふたり。
この子たちのレッスンに一番苦労させられています。
あとの子たちも時期により、それぞれにいろいろありましたが、現在のところとっても落ち着いて楽しんでいるので、静かに見守りつつ、一緒に楽しんでいるところです。
5歳のモカちゃんは、ただ今のところ3回のレッスンを終え、まずまずの滑り出しです。
とにかくうちに来ることが楽しみで楽しみで、前の日が眠れないくらいなんですって。ありがたいことです。
まずは仲良しにならないと始まらない仕事なので、ここまでは大成功。
ゲンコツやチョキで鍵盤に触れることが多かったのですが、今週はじめてドとレ、ふたつの音が入ったわらべ歌を宿題に出しました。
目を輝かせておそるおそる鍵盤に伸ばされたその指が、数年後には自由自在にメロディーを刻むのだなあと思うとワクワクドキドキです。
4年生のMちゃんみたいに、いつか「ヤッホー新幹線」とか中田喜直さんの連弾曲集とか、一緒に演奏する日が楽しみです。
でも先週早速ちょっとした事件があって…
モカちゃんがべそをかきながらやってきました。
もしやもうレッスンがイヤになっちゃった?とドキドキしたのですが、どうやらそうではありませんでした。
雨の日だから、着てきたかったワンピースはダメとおかあさんに止められて泣いていたんですって。
前の週にすっごく素敵な膝丈の白いドットのワンピースを着ていて、それはそれはかわいかったので、もちろんそう言いました(笑)
そうしたら、今週も同じのを着てくると言ってずっとハンガーにかけてあったのに、いざレッスンの日が来たら、「雨なのにそんなワンピースは汚れるでしょ。絶対ダメ!!」と言われて、ものすごくがっかりして泣いてしまったのだとか。
なんてかわいい5歳児!
結局その日に着てきた服は赤いドットの短いチュニックに黒いふっくらしたパンツ。本人的にはイマイチ女の子係数が下がったと思ったらしいのですが(笑)むしろおばちゃんの目からはこっちの方がずっとかわいくて(笑)「いやん。なんてかわいいの。ほんとにかわいいね。何を着てもよく似合う〜」と見たまま言ったのが偶然の大成功(笑)
着てくる洋服への執着は一段落したらしいです。5歳でもオンナだな(笑)
肝心なレッスンの方は、とりあえず、彼女はただ今「ド」というものの存在を知り、買ったばかりの鍵盤を前に「ド」を探してはまわりのオトナにレクチャーしてみせ、大喜びの毎日なのだそうです。
『「ド」にもいろいろあって、こっち(低い方)はぞうさんの「ド」。真ん中はおかあさんっぽい音。こっち(高い)方へいくとね、ねずみさんの「ド」とか、ありさんの「ド」もあるんだよ。こっちのドとそっちのドはぜんぶちがうド。わかった?』
と得意げに言っているそうです。
「ドを知ってモカの世界はまたひとつ、飛躍的に広がりました。」とおっしゃるおかあさんの言葉はどこか哲学的な匂いがして、わたしもなんだかピアノを習い始めたばかりの頃の新鮮な気持ちを思い出しました。
何人預かっても、やっぱりこのあたりの初歩のレッスンがとても好きです。
今のところはテンポよく楽しい時間が過ごせればと思ってやっていますが、何をやっても喜んでくれるので、こんなに楽しい時間はありません。
そこから更に1年が経ち、2年目に入ったAちゃんのレッスンは、もうちょっとむずかしいです。
仲良くなったのはいいですが、今度は仲良くなりすぎてだんだん言うことをきかなくなってしまいました。
この時期を上手に超えていかないと、次の段階へは進めません。
先生大すきから、ピアノ大すきへとうまくシフトしてもらわないといけないし、そろそろむずかしくてかなりがんばらなくちゃいけない課題も出てきました。
感受性が強いAちゃんは、弾けないということがものすごくイヤで、うまく今週は練習できなかったというだけで、やってきた時から不機嫌を身にまとっています(笑)
ピアノは弾きたいけどおしゃべりもしたい。褒められるのは大好きだけど、苦手なものに取り組んでいるとすぐに飽きて話題を変えようとしたり、もっとやさしい方へ逃げようとします。
たった30分やそこらで(いつも45分くらいになっちゃう、笑)もうムリ〜とねそべったり、もうヤダとふくれたりする子の気持ちをうまくピアノに惹きつけて、また弾きたいという気持ちにさせて、ああうまく言ったという体験をさせておうちに返すのはほんと大変です。
ふと「もうイヤだ〜」とわたしが思う瞬間もありますが、一方で気がつけば両手で楽々弾けるようになっちゃって「ゆうぐれ」という曲を哀愁たっぷりに弾きあげてくれたりします。うっわ〜なんだか泣きそう。
こんな瞬間もあるからほんと楽しい。
今はそんな彼女のレッスンが一番大変ですが、モカちゃんもあっという間にその域に達することでしょう。
そんな大きな波を何度か乗り越えていくと中3のFちゃんのように、ものすごく厚い信頼関係が生まれて、ものすごく楽しい時間が過ごせるようになるわけで…
先週のレッスンの後、彼女が大好きな嵐の櫻井くんのソロの歌をiPodで聴かせてくれて、ふたりでノリノリで聴いたあとに楽譜を取り出して連弾したのですが、まあびっくりするほど息が合って楽しかったのです。
何も言わなくても「ここぞ」というところで同じアクション。同じアーチキレーション。
気がつけば、ブレスのタイミングまでばっちり一緒、息の深さも一緒になっている不思議!
もちろんFちゃんはわたしがモカちゃんくらいの年から手取り足取り教えた生徒なので、呼吸がぴったり合うのはあたりまえといえばそうなのかもしれないけれども、この楽しさは格別でした。こういう瞬間が時々やってくるからこの仕事、やめられません。
ああそんな日を迎えられるまでみんながんばってね!…そう思わずにはいられません。
ピアノみたいな楽器は、本人が努力しないことには絶対にうまくなれないので、最近嫌われ者の「がんばって」ですが、わたしはやっぱりこう言います。
レベルが全然違うけれども、大学の試験を今日に控えて、何度もレッスンに来て、やっぱりすぐに泣いちゃうNちゃんも、音大生のYちゃんも…とにかく負けるな!がんばって!
ついでにわたしも…夏休みの宿題…やっぱり『ね、がんばるよ〜♪』と締めておきます(ほんとうだな!?、笑)
追伸:
またたくさん拍手コメントやメールの返信を溜めております。
いつもたくさんありがとうございます。
今日はちょっと(勝手にですが)KinKiさん関係のお出かけをしてくるので、続きは帰ってきてからということで。