ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 アンフェアーとN'sあおい

 夕べはメールの返事をたくさん書いて、表題のドラマを2本見たら眠くなってしまい、オーラの途中で寝てしまいました。この2本の最終回は、ほぼオンタイムで毎週見ていたので、最後もそう遅れず見ましたが、「神はサイコロを振らない」はまだ2本残っているし、「輪舞曲」も日曜日のをまだ見ていません。となると、ドラマサイトも見れず、ちょっとさびしいです。
 特にアンフェアーについては、どこかでうっかりネタばれを見てしまったらつまらないので、細心の注意を払って「危うきに近づかず。」アネやオトートはオンタイムで一足先に見たので、ドラマにちなんで物騒な言い方で「おかあさんが見るまで、ネタばれしたら殺すよ!!」とまで言って「バカじゃないの?!」と呆れられてました。
 というわけで、この先の感想はネタばれを含むので隠します。すでにドラマを見て差支えがない方のみお入りください。
 「N'sあおい」については、目新しいドラマではなかったですが、最後までとっても好きなドラマでした。「いくらなんでもこんなことはないだろう?」というシーンも多々ありましたが、「あおい」には好感が持てたし、特に最終回直前の片平なぎささん扮する総婦長とじっくり語り合うシーンは、とっても良かったです。
 「あおい」のようなナースは病院にとっても、社会人としても決して「都合が良い子」ではありません。出すぎたまねをすることもあれば、危なっかしいこともたくさんしでかします。でも、看護士として類まれな才能があり、本能的に最も大切なことを知っている子でもあり・・・。
 まわりにいる大先輩たちが、いろいろなやり方で「あおい」に向き合います。直球を投げる人もいれば、反面教師もいますが、誰もが無関心ではありません。いつもきちんと向かい合っているところが、このドラマの好きなところでした。そして結果的に社会の現状や、してはならないことをひとつひとつ彼女に教え導いていて、いいドラマだったんじゃあないかと思うのです。
 今の時代は、社会として、若い世代と大人との間に距離がある気がします。子供たちも大人をうざそうに見ていますが、実は大人の側がもっと顕著に違う世代とかかわらないようにしているような。遠巻きに批判をするばかりで手は出さないし「おかしい、おかしい」と遠くの方から繰り返すばかり。最近そういうことばかりが目についていたので、このドラマの大人達がとても新鮮なものに写ったのかもしれません。
 脚本の吉田智子さんは、「愛犬ロシナンテの災難」の時と同じ方で、あの時もずいぶんといろいろなことを考えたなあと振り返ったりもしました。最終回の展開としては、ベタといえばベタでしたが、これでよかったんだろうなあと思います。「たれ坊」の西村氏が、ここまでにっくき敵役できたのに、最後に全部引っかぶってしまったのは都合が良すぎる気もしますが、彼の泣き所が「おかあちゃん」や「地元」っていうのがなんだか人間的で、わかる気がして嫌いにはなりきれませんでした。石原さとみちゃんも、堂々として、素敵な女優さんになって来たなあと思いました。(歌はちょっと・・・でしたけど、笑)
 さて、もうひとつ「アンフェアー」です。結局わたしは最終回を見るまで犯人に到達できませんでした。そこはなんとなくうれしかったです。誰が犯人でも「え〜?!うそっぽい」と思いそうだなあと思ってましたが、「安藤」は登場人物の中でも大好きでしたし、人間的にもなんだか憎みきれない、最大限に共感できる犯人像(そんなものがあるのかどうか甚だ疑問ですが)だった気がします。
 「愛」と「憎」が混ざり合った複雑な心のひだが、そう思ってみると今までのいろいろな場面にそういえば見え隠れしていたような。少なくとも「美央ちゃん」に対する気持ちとか、雪平に対する思慕とか、捜査員の中でも、雪平を中心とした家族のような小さなチームの中には、きっと安らぎを見出していたんだろうなあとか・・・終わってみると、いろいろと考えさせられてしまいます。
 それにしても最後のあの安藤の絵、とか、ふとした時の安藤のせつなくさびしそうな横顔が・・・とか。感傷的な感情がいくつも浮かんでは消えて行きます。彼が復讐を胸にしてきたことは全く共感する余地がないのですが、やっぱり憎っくき犯人とは思いきれませんでした。
 そもそもあそこまで誰も信用できない「いや〜な警察チーム!」があるもんか!と怒ってばかりいたのですが、最後まで見たら、イヤ〜な感じが薄まっているのも不思議です(笑)(瑛太ってこんなにいい顔だったっけ?なんて惚れ惚れしているわたしもいて、それもどうかと思うのだけれど、笑)
 今書いているこの感想を一緒に見ていたオットが見たら、「え〜?!あんなに文句ばっかり言ってた癖に、なに?この感傷的な感想は」と呆れられそうなくらい、時間が経過とともに、感想が変わって来ました。
 そうは言っても、あんなに人が殺される必要があったのか?とか、「雪平」みたいに武闘派の刑事を野放しにしたら絶対にいけないだろう?!とか。雪平もせめて撃つなら急所をはずせばよかったのにとか、「みおちゃん」が大人になってすべてを知った時、本当の意味で人間不信になりそうとか。ベテラン揃いの警察チームが揃ってあんな新人に振り回されて、手玉に取られていた事実はどうなの?とか。文句はいっぱいあるし、理解も共感もできないところもたくさんあったドラマです。
 でもそれなのに、それら諸々の文句を全部ひっくるめて、結局好きなドラマとして思い出すんだろうなという・・・妙なことになってます、わたしの中で。不思議なドラマだったけれど、惹き付けられ続けながらの完走です。わたしの中では、記憶に残るドラマの仲間入り決定です。