ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 エール

 昨日、9月15日の朝日新聞の朝刊の埼玉版にこんな記事が載っていました。

筋ジスの長男に必要だから
小学校にエレベーター寄贈
入間の新井さん、借金して工面

これが、見出しです。エレベーターが必要な車椅子のわが子のために個人で1800万円借金して、小学校に寄贈したそうです。

「親の責任。自分でつける。」と決めた。
(借金について)「大変だが返せるめどはあります。」という。

 この潔い決断、親としての強さには大いに共感もし、かっこいいなあと思います。エレベーターの前で、にこにこして記念撮影している写真が載っています。難病に、そして行政に立ち向かう覚悟の決まった人たちの、清々しい笑顔。この笑顔になるまでに、どれだけの悲しい思いをしたのか、物心両面でどれだけ苦労して乗り越えて、この笑顔があるのか・・しかもエレベーターができたことがゴールではないのです。病気との闘いのほかに、エレベーターの維持や借金の返済にまで心を砕かなくてはなりません。
 個人として彼らのために、「わたし」も含めたみんなのために・・・何かできることはないのだろうか?と考え込んでしまいました。
 これに対して

「市の責任を真剣に考えないといけないと強く感じている」

という入間市側のコメントも載っています。とはいうものの「行政は財政難や利用頻度の少なさ」から今までにまだ1校もエレベーターの設置がなかったそうです。
 筋ジスの子の中で、特に進行が早い子にとってはゆっくり行政と交渉したり考えたりしているうちに、病気が進行してしまいます。この記事のお子さんも、来年には歩けなくなってしまうかもしれないとお医者さんに言われており、慎重な議論を待つ余裕はないのです。だから、こんな風に「自力でがんばる」という気持ちにならざるを得ないのです。
 税金からまかなわれる1800万円はなるほど、少ない金額ではないでしょう。しかし、個人が借金をしてまで抱える1800万円は別の意味で途方もなく重いです。
 新井さんのご家族とは面識はありませんが、県の反対側の端っこで、心から応援したいと思います。