ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 小田和正氏のこと

 めざましTVで、軽部氏が小田さんにインタビューをしていました。いきなり出鼻をくじく強烈なジャブを繰り出す小田氏に、「そういえばわたしが大好きだったこの人は、こういう人だった〜!」と大笑い。久々に小田さんらしさを見た気がします。(確か、「インタビューを受けるのはあまり好きではないのでは?」の問いに、「くだらないことを聞かれるとイヤだから」みたいなことを言ってました。)シュールだし、覚めてるし、相変わらず彼が作る歌や詩のイメージとは真逆?とも言えそうな暴言を混ぜつつも、面白い特集でした。ストイックで自分にも他人にも厳しく、決してファンにもマスコミにも媚びたりせず、静かで冷静、なのに野球など好きなことになると少年のようになる彼。いいところも、それはどうなのと思うところも含めて、わたしは高校大学時代、この人やオフコースに心底はまっていたのでした。
 ところで、特集では大阪城ホールでのコンサートに密着していました。昔では考えられないことに、花道があって、走り回って歌う小田さんの映像を見ることができました。そして2つのびっくりが同時に来ました。ひとつはこんな映像がテレビで見れること。昔はテレビで歌うことを拒否していて、一年に1回も露出がないこともありました。そしてふたつめは「少しでもファンの近くに行きたい」なんていう発言。最後にコンサートに行ったのが独身の頃だったので、最近の彼は曲やクリスマス番組でしか知らなかったのですが、この人は、ファンの近くに・・なんてメディアで言うとは思いませんでした。ファンを大事にしていないとは思いませんが、そういうのはすべて音楽で納得させればいいんだ・・と言う人だったと記憶しています。年を重ねる毎に、人って本当に変わるんだなあと不思議な気持ちで聞いていました。
 興味深かったのは大阪城ホールを「こんな大きすぎるホール」と形容していたこと。KinKi Kidsのコンサートを基準にしてはいけないのでしょうが、KinKi Kidsファンにしてみれば、「大阪城ホールでコンサートだったら、近くていいよね」と言うところでしょう。この感覚がすでにおかしいということなのでしょうか。いずれにせよ、本気で音楽を楽しむのなら武道館だって大きすぎるし、ドームなんて論外だと思うのですが、本音を言えば彼はもっともっと小さいところで、良質の音楽を届けたいのだろうなと思うのです。でもその彼がこの年になってから、息を切らせて歌いながら走ってまでもファンに近づきたいと思っているなんて本当に新鮮な驚きでした。
 そして、ちっとも変わらない小田さんっぷりと、驚くほど変わった小田さんの両方にとても興味を惹かれたので、透き通るボーカルを久しぶりに生で堪能したいと思ったのでした。
 余談ですが、火曜日に新星堂に行ったとき、たくさんCDを買ったせいか、店員さんが小田さんのポスターをくれました。失礼ながら、どうせポスターをもらうのなら57歳のポスターじゃなくて26歳たちのポスターがよかったなあなんてちらっと頭をよぎってしまいました(ごめんなさい、土下座!!)
 しかし今朝めざましTVの特集を見ていて、自分が熱くファンをしていた昔の記憶が次々に甦って来ました。露出が極端に少ない彼らを追いかけて、一生懸命多方面にアンテナを張って、たった数行のギター雑誌を永久保存してみたり、ラジオのゲスト出演に必死に耳を傾けていたあの頃。レコードをひたすら擦り切れるまで聞いていたあの頃。ポスターだってそう簡単にはもらえませんでした。
 時は過ぎて、まさか57歳の小田さんのポスターをもらっていようとは、本当にびっくりです。あの頃の10代のわたしが、今のわたしをこっそり見たらどう思うだろう?なんて、そんなことを思ったりしました。
(購入したCDについては、音楽カテゴリーで、別途あらためて感想を書きたいです。)