ここ数年、時々思い出す言葉があります。
その昔、月刊アサヒグラフ「PERSON」という雑誌があって。
確か2001年の11月号・・・かな?
(正直さだかではないので、間違っていたらご指摘ください!)
この号はKinKi Kidsが表紙で。
「僕らの距離感」というサブタイトルがついていて。
そこに吉田拓郎さんが寄せてくださった「彼らが教えてくれたこと」での一文です。
あまりに強烈だったので、当時もとても印象に残ったのですが、最近かなり頻繁に、拓郎さんは当時からふたりの本質をしっかりと見抜いてらしたのだなあと思い出していて。
あちこち探していたら誌面の切り抜きが出てきました。
引用すると・・・
光一と剛は、本質的には多分「合わない」二人なのだと思う。
しかし二人は「お互いがお互いのファン」である事「自分が出しそびれている才能」を気づいている友人である事を良く理解している。だから頑張りがきく。
アーティストは何もかもを一緒に共有しなくともいい。
KinKi Kidsらしさは、そう云うところにもあるように感じるのだ。
こんな文章でした。
本質的にはふたりはよく似ていると思うので(個人的には)「合わないふたり」とはあまり思わないですが…
その先はとても納得できます。
そしてその話に関連した部分はブログ後半であらためて書くことにして、ここではさらっと触れておくに留めます。
ちなみにタイトルは吉田拓郎さんの歌からお借りしました。
言わずと知れた「人生を語らず」の一節です。
さて。
先週KinKi Kidsの最新の円盤「ThanKs 2 YOU」が発売になりました。
(たまたまご覧になる方もいらっしゃるかも?なので、とりあえず在庫がありそうなamazonさんを貼っておきます!)
正直、仕事で新しい幼児の生徒を迎えたばかりで、すごく大切な時期だし、それどころではないはずなのですが…
わたしにしては珍しく、発売一週間の間に、ちょこちょこ隙間の時間を見つけては、初回も通常盤も、隅々まで全部見ました。
ファン歴20年以上にしてこの熱量!!
我ながらスゴくない?と半ばあきれ半ば感心しつつ、そう思いました(笑)(笑)
本当はライブの円盤であればこそ、切れ目なく全部いっぺんに堪能したいタイプのわたしですが、細切れでも頓着せずに、とっとと見たことにまずはたいそう驚いてます。
ここのところ、Amazonプライムで細切れにライブを見ることに抵抗がなくなったせいもあると思うし。
単純に過去の素敵ライブを見れば見るほどに、最新のライブ円盤への期待が高まっていて。
その進化のほどを、今のこの目で確かめてみたかったというのもあります。
それくらい、昨年末に見たコンサートがよかった記憶しかない!!ということでもあるし。
本当に今回の円盤の発売をすでに年始から楽しみにしていました。
本編についてもたくさん触れたいところがありますが、まずはどうしても書きたいところから先に書こうと思い、このエントリーをします。
実は少し前から温めていて、こんなツイートをしました。
サウンドプロデューサーとして、何を念頭に置いてアレンジしたか…の話。ジーンとしつつ、超納得。
— レイン (@raintalk) 2020年11月11日
関ジャムのKinKiの歌を作るなら…の話と対になる、とっても彼らの関係性が滲むエピソード。
まだ発売日だし詳しく書くのは思いとどまるけれど。
ここは近々、ぜひブログで掘り下げて書きたいなぁ。
これをつぶやいた時はまだ発売日当日だったので、さすがに思いとどまりました。
週末を挟んだし、まっいっかということであらためて続きを書きます。
ドキュメントの中身について触れてますので、まだ見ていなくてネタバレを避けたい方は見終わってからどうぞ。
今は回れ右でよろしくです。
このツイートは・・・わかる方にはわかったことと思われ、すでに反響もいただいてますが…
初回盤のドキュメントを見ての感想でした。
実は今回のライブでは、剛さんが「サウンドプロデューサー」として正式に名前を連ねているのです。
それを円盤発売ではじめて知り、いろいろと納得することがありました。
音楽そのものが「道理でものすごく好みだと思ったよ!!」というのがとても素直な感想です。
今まで何度もライブで披露されてきたKinKi Kidsの名曲たちも、確かにどこかひと味違って聴こえてました。
剛さんはドキュメントの中で、こんな風に語っています。
ジャニーさんの存在というか、今までの教えの延長戦上でいうと
「youは今そういう状態なんだから仕方ないじゃない。
昔のこととか(無理に)やらんでいいから。」
ジャニーさんならきっとそう言うだろうと剛さんは想像したそうです。
そして。
「今のKinKi Kidsを見せればいいんだよ。」
と(ジャニーさんなら)言うなって思ったから。
このサウンドが鳴ってたら、KinKi の音楽がもっとカッコよくなるのにという「欲」(と言ってますよね?違うかな?)みたいなものをサウンドにした。
と、剛さんは語ってました。
耳のことがあって。
わたしたちファンでさえ、剛さんが久しぶりに大きなステージに立つことをとても怖く感じていたのに。
ましてや本人はどれほど怖いと思っていることだろう・・・という想像は容易にできて。
今まで通りにはできないから、光一さんがダンスパートは引き受けて、剛さんは演奏パートを受け持つというのは自然なこと・・・
なんて勝手に少し消極的に捉えていたのですが、実はそうではありませんでした。
もちろんその今の耳の状態と向き合う努力のすさまじいこともドキュメントには隠さず描かれていて。
実際本編を見ていて「今辛そうだな」な場面も何度か目の当たりにして、胸がぎゅっとなるなんてもんじゃない・・・とひそかに思ったりもするわけですが(涙)
それでもそれは、本人が「どうしても立ちたい」と望み、自分で選んだこと。
だったらファンは、ただただ祈るような気持ちでとことん見届けるだけだ!!
と、こちらもまた覚悟を持って見ているわけです。
それはそれとして。
どうしても「そこ」に捉われるファンを置き去りにして、もう彼はすでに一歩先をにらんでいて。
ライブでのKinKi Kidsの音楽やパフォーマンスをさらにブラッシュアップして、もっとかっこよく見せるべく、すでに完全に前を向いていて。
想像のはるか上を目指していたんだなあというのが伺われ、本当に凄いなぁと思ったのです。
そして実際に、このライブのサウンドがいたるところで「おや?」と目を見張るほどに、相当かっこよかったことはもう知っているわけで。
答え合わせを経て・・・
そういうことだったのか!!
凄過ぎる!!
と心底そう思ったわけです。
今までもギターを持ち演奏し、歌うシーンは随所に見られましたが、できあがった円盤を見るとそれぞれの楽器の音が今までよりもずっと際立っていて。
重要さを増し、ドラマを感じられるように聴こえるし。
剛さんが弾いているギターの音もしっかりと拾われ、見せ場、聴き所として大切に扱われているのがわかります。
Twitterで、たまたま誘われてはじめてKinKi のライブを見たという方が
「えっ!?本当に堂本剛、弾いてるじゃん!!あてぶりちゃうやん!!」
「しかも、こんなに弾けるの?ジャニーズなのに?」
とか言ってるのを目にして、思わずほくそ笑む(笑)
百聞は一見に如かず!どーだ!!と誇らしい気持ちになりましたのことよ(笑)
おっと話が逸れちゃった。
まずは、全面的に剛さんがライブの音楽のプロデュースに関わったからこそ、ずっと一緒にやってきた吉田建さんや堂島くんはもちろんのこと。
日ごろから剛さんの脳みその中身、求めている音楽をわかっていて。
短いリハーサル期間の中で、瞬時にして理解できるメンバーがさらに集められたのであろうということが伺われます。
だからホーン隊だったり、多聞くんだったり、コーラスのタイガーさんだったり、ENDRECHERIでお馴染みのメンバーもたくさん入っていたのでしょう。
そしてドキュメントでもかなり細かいところまで剛さんが音作りに関わり、各楽器にイメージや、時にリズムまで詳細に伝えているシーンが映りました。
アレンジの中に超カッコイイFUNKっぽい感じが随所に入っていたのも納得です。
そしてそれがKinKi Kidsの世界観に新しい新鮮な色味を加えていて。
どこか新しい世界の扉がまたひとつ開いたようなワクワク感と共にKinKi Kidsの未来へのさらなる希望が湧いてくるではありませんか!!
でも、それよりも何よりも特筆すべくは・・・
光一がこのサウンドの中で踊っていたら?を想像しながら作った。
という言葉だった気がします。
ダンスに対して愛情がないアレンジをしてはダメなんですよ。
とも言っていて。
それはとりもなおさず、剛さんもまた「名うて」のダンサーでもあり。
「こうやったら光一がもっとかっこよくなるのに」という明確なビジョンを持っていて。
それを常に考えながら、今回のライブアレンジが施されたということでもあるのだなあと思ったのです。
考えてみれば、ソロワークの方では剛さんの創りあげた音楽の世界は誰をも踊りたい気持ちにさせるすごい力を持っていて。
たとえば我が家ではステレオから「CREPE」が流れてくるだけで、ただ通りすがっただけの家族をご陽気に躍らせてしまったり(笑)
わりとおとなしいとされていたKinKiから入ったファンたちも、いつの間にか踊って当然!踊る気満々!という空気でライブに臨んでいたり(笑)
最近「歌ってみた動画」にも迫る勢いで伸びてきた、プロのみなさん、セミプロの皆さんの「ENDRECHERI踊ってみた動画」の存在!!
そうだった、剛さんってそういう人だったんだ!とあらためて思うわけです。
そして自分もまた、王道ジャニーズとして散々ステージのセンターに立ち。
ジュニアの頃から光一さんとシンメで踊った数々のダンスで、見る人を唸らせて来た人でもあるわけで。
その人がジャニーズ稀代の踊り手の一人でもある堂本光一その人を「とことんかっこよく踊らせたい!!」という意図をもってアレンジをしたら、どうなるのか?というのを存分に発揮したなぁと思ったのです。
たとえば光一さんのほぼソロパートだった「買い物ブギ」がものすごい好みだったことは、散々ライブの感想のところでもオンタイムで触れました。
ブルーレイで見てみたら、やっぱり光一さんがとんでもなく生き生きと踊ってるなぁと思わされて、何度もリピートしたポイントでもありました。
さらに、今年発売になったKANZAI BOYAで踊っている光一さん。
初めて見た瞬間から、FUNKのリズムを目で魅せ、身体で体現するような素敵なダンスは、なんという存在感!!と感動したことをも思い出しました。
ミュージシャンが楽器の音を操って創り出す世界観を身体ひとつで表現できるというのも、本当に凄いことだなぁと思い、感慨深く感じていたのですが…
その秘密の一端がわかったような気がしました。
そこで思い出したのが先のツイートでも書いたようにかつて、KinKi Kidsで出演した「関ジャム」での発言です。
ふたりがお互いに曲を作る時は「相方にこの歌詞を歌わせたい!」とか「このキーで歌わせたい!」とかお互いをさらに素敵に見せることをとても意識して作っていると言ってました。
たとえば「陽炎~Kagiroi」は剛さん作ですが、光一さんの音域の一番素敵に聴こえるキーを意識して作っているに違いない!!と素直にそう思えるし。
実際にこの曲を歌う光一さんはとても魅力的でしたよね。
一方で光一さんが作ったメロディー、たとえば「ねえ恋涙~♪」の初っ端の掴みのハート直撃度合いとか(笑)
「銀色暗号」のサビのメロディーの揺れとか、すごく剛さんの声のいいところを出すべく創られた気がしたりもしていて。
それはそれは納得!!だったわけです。
そこへ新しく「相方をさらにかっこよく踊らせるアレンジ」という新しいパワーワードが加わった感じ。
これはジャニーズ広しと言えども・・・ジャニーズを抜きにしても・・・かな?
日本の音楽シーンでなかなかに稀有なパターンではないかな?と思ったわけです。
なんともワクワクさせられました。
そして、日記の冒頭部分に戻ります。
拓郎さんの言葉です。
二人は「お互いがお互いのファン」である事
「自分が出しそびれている才能」を気づいている友人である事を良く理解している。
まさしくこういうことかも。
こういうことなんじゃないかな?と思いました。
ソロの現場では、お互いに自分が最高だと思うステージを作り、それを形にしているのだと思うのですが、KinKiな場所では常に脳みそは二つあるわけで。
これはやっぱり大きな強みだなぁと思うのです。
オレならもっともっと光一をカッコよく踊らせることができるのに。
あまり積極的にやらないけど、王道パターンだって剛はめっちゃカッコイイんだよ。
そんないい意味での「こんな相方も見せたい」という「欲」のようなものも、お互いの心の中に常にあって。
ソロの現場では決してやらないようなことを提案されて、することになったり。
一人だったら一生取り組まないであろうことをその瞬間ではたとえ半信半疑であっても、やることだってあるかもしれない。
でも、それで開いた「新しい扉」もまた、たくさんあることをお互いがお互いによくわかっているのではないかと思います。
かと言って、それがどちらかのとんでもなく突飛なひとりよがりな発想というわけでもなく。
ふたりは同じように頭の中で「ジャニーさんならこんな時どう言うか?どう思うか?」をイメージして動いているとしたら・・・
そりゃ無敵だろうなぁと、しみじみつくづく思いました。
そして、拓郎さんがおっしゃるとおり
(そんなふたり)だから「がんばりがきく」
のだろうと思います。
このエントリーでは剛さん側からの話に光を当ててみましたが…
もちろんこれは双方向からのお話で、光一さんもまた、光一さんの立場からさまざまな提案をし、自分たちのライブに深く関り、もっと良いものを!!と妥協せずにステージを創り上げる姿が印象的でした。
その辺の役割分担もいつもながらさすがだなあと思います。
ライブMCでは、いつにも増して光一さんがすご~くがんばってた印象だったのもまた、剛さんの耳に少しでも休憩をあげようという意図もあったんじゃないかな?と思わされました。
今年になってから、ライブのソロコーナーの一パーツだった「KANZAI BOYA」を自分たちの曲として、ものすごい短時間にリリースにまでこぎつけたという凄い行動力を発揮したのも記憶に新しいところだし・・・
つくづくと今のKinKi Kidsは「無敵だね~♪」と思います。
そしてこんなことをつらつらと考えていたら、剛さんもソロアルバム「カバ」でカヴァーした拓郎さんの名曲「人生を語らず」が思い出されたわけです。
越えて行け そこを
越えて行け それを
今はまだ 人生を 人生を語らず
力強い人生の応援歌。
光一さん方向からの話もいずれ書けたらいいなと思っておりますが…
とりあえず、どうしても語りたくなったので書いてみました。
いつも長々と書いてすみませぬ。
読んでくださってありがとうございます。