ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 玉置浩二 〜故郷楽団〜 concert tour 2015  9月6日 東京フォーラムCホール

たくさん拍手やら拍手コメントやらをいただいてます。
更新するたびに、スターもたくさんぽちぽちしていただいていて、ひとつ前の日記なんて、ほんとすご〜く個人的な内容なのに、すみませぬ。
いつもたくさんの方に読んでいただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。

拍手レスもしたいのですが、まずは来週回しにしたら、確実に埋もれちゃいそうな日記、鮮度勝負な方からアップします。
そちらは少々お待ちくださいね。

行ってきました。玉置さんのライブ。
このツアー参加は2回目です。

今回は、KinKi友だちをふたり誘って、オットと4人で見ました。
なので、彼女たちが玉置さんを、楽曲を、そしてこのバンドの音をどんな風に感じるのか、とてもとてもドキドキしてました。

オットとは、帰りに一緒に飲んで帰ろうということになっていたので、席で待ち合わせたのですが、友人達とお茶を飲んでゆっくり会場入りしようとしたところで、突然電話が鳴りました。

「もしかしたら、俺らの席、移動しなきゃならないかもなんだって。」

ええーっ!?なんですって?

急いで入ってみたら、すでにおねえさんがわたしたちの席の前に待機してらして、わたしたちが座る予定だった2階の最前列には、なぜか収録のカメラがありました。
で、「別の席を用意したので、そちらへどうぞ」と言うことになり、いきなり階段を降りることになったわたしたち。

おねえさんの案内に従って歩いて行くのですが、どんどんどんどん前方へ。

着いた先は、ステージ正面かなり前列の、すばらしくいい席でした。

おぉ!!これはもしや、ものすごくラッキーなのでは???

ということで、興奮気味にみんなでしゃべっていたら、あっという間に小さく流れていたBGMが大きくなって、ライブがスタートしました。

実を言うと、一回目の参加からしばらく時間が空いたので、最近は全然違うものばかり聴いてました。

当日の朝も、なぜかウォークマンを起動したら、某方々(笑)のDとタイトルがついたアルバムが鳴り出して、なんで?なんで?と思っている間にものすご〜く惹き付けられて、延々聴きながら有楽町まで。

そんなんで気持ちの切り替えができるのかどうかとても心配していたのですが、まったくの杞憂でした(笑)

そりゃそうだ(笑)切り替えられないわけがない!!

最初ロビン氏のチェロが鳴り出した瞬間に、頭の中に玉置さんのふるさと、北海道の広い台地やラベンダー畑が脳内に広がったような気がしました。

そして静かに静かに「花咲く土手に」が始まって・・・

春の暖かい風。百合を抱いて列を作る人々、夕焼けの土手をゆく野辺送りの列が次々と浮かびます。
すごくお金がかかったセットがなくても、照明がそんなに凝っていなくても、歌と音楽の力だけで、ぐいぐいと想像の世界へと誘われます。

ああ、こういうのが醍醐味だなぁ。
極上のステージの始まりです。

前回もとてもいいと思った記憶がありますが、今回はさらに喉の調子も良さそうで、絶好調という感じの玉置さん。
ロングトーンの声の伸びが半端なくて、1曲目から、心がふるふる震えました。

Cホールはキャパが1500席くらいだそうですが、MCによれば3日間超満員だったそうで、この日のライブはWOWOWのカメラが入っていて、後日放映されるそうです。
(我が家は入ってないので見れないんですけどね、涙)

このくらいのキャパだと、歌声も音楽もさほどコントロールしなくても隅々まで届いて、ボーカルメインのコンサートを聴くには、とてもちょうどいい感じ。
客席もストレスをまったく感じることなく存分に浸ることができますが、ステージの方々もそうなんじゃないかな?という感じ。

今とっても充実しているのだろうなぁというのが玉置さんのその表情からも伺われ、伸びやかな歌声がこれでもかと堪能できました。

曲と曲とつなぐところで、一旦後ろを向いてギターを取り替えたり飲み物を飲んだりするのですが、そのまんま曲が始まって、手前に歩いて来る途中ですでにフェイクを始めてる。
マイク乗らないうちから、とってもご機嫌なフェイクが聴こえてきて、それがあんまりいい声なので痺れました。

続く「カリント工場の煙突の上に」もまた、次々と景色が浮かぶ曲なので、まずは最初の2曲だけで、ミクロの決死隊みたいになって、玉置さんの心の中に入り、一緒に景色を眺め、幼い頃へと戻って共に心の旅に同行しているような不思議な感覚を覚えました。


バンドの感想や、曲に関してのなんやかんやは前回書いたので、こちらをご覧いただくとして。


今回違う感想を持ったところをふたつだけ。


一つ目は「I LOVE YOU」と「やっぱ好きやねん」のところ。
今回のツアーでは、カヴァー曲は2曲だけ歌うのですが、これらがさらに前回よりも進化しているように感じました。

歌い込んでいくうちに、どんどんその歌声が進化しているのが明らかで。

一番最初に生歌でこの歌たちを聴いたのは、Blue Note Tokyoだった気がするのですが、その頃はどちらかと言えば情感たっぷりに、たとえるなら生クリームのような濃厚な歌唱だったのが、何度も歌っているうちに、ちょっと違う風に感じ始めました。

どっちがどうというのとも違う気がしますけど。

あの時は玉置さん流の表現にねじ伏せられるように感じていたのが・・・

あちこちで歌いこんでいくうちに、歌をより自分のものにしているのはもちろんですが、一方で無駄な力が抜けて、原曲のもつ純粋さみたいなものがより滲んでいるような気がしました。
さらに洗練されたような気もするし、あえてストイックに歌うことで、原曲の持つより純粋な感情がつまびらかになったような、そんな気もしました。

たとえば「I LOVE YOU」は玉置さんが歌うとオトナの情愛の歌に聴こえるわ〜と思っていたのが、今回より純粋な、背伸びした子どもから大人への転換期の恋の歌に聴こえたような気がしたし。

「やっぱ好きやねん」もまたそうで。
そもそもが大人な歌ですが、オトナの心の底にあるなんだかとっても純粋でキレイな気持ちみたいなものが滲んでいるように感じました。
表現に奥行きが出て、とてもよかったなぁ。

もちろんわたしの個人的な感想なのですけどね。


そしてもうひとつ。

今回一番前回とはまったく違う意味で心に残った曲は「それ以外に何がある」でした。
この間はあまり特筆しなかった曲なのですが、今回は全然違う感想を持ちました。


まずは・・・この歌を聴いたとき、急に色鮮やかに迫ってきた歌詞がありました。

孤独も 恥も 嘘さえも 痛みも 怒りも
僕らには全部必要だから 
きっとあるんだね
だからいつの日か 子どもの頃に 思い描いた
みんなが仲良く暮らせる 世界があるはず

ああ、なんで今まで気がつかなかったんだろう。

この歌は最新のアルバムの中の1曲で、昨年のツアーでも歌われたはずなのに、不思議です。

何も否定しないし、誰も傷つけない。
負の感情もすべて、全部自分にとって、人にとって、世界にとって必要だと受け入れること。

すべて抱きしめてあげる歌詞。

この詞はもちろん玉置さんの手なるものですが、なんて素敵な歌詞なんだろう。

そしてそして、後で思い出したことですが、もうひとつ、わたし的にとても大事なことを知ったような気持ちになったところがありました。

そのことを語るには、ちょっと話が逸れますが・・・少し前に、通りすがりのサイトで見た話を書かなくてはなりません。

「玉置さんの歌の歌詞には「なにもない」という歌詞があまりにも多い」という文章です。

さらっと読んだだけなのに、とても心に残ったのは、確かにそうだと思ったからで・・・

たとえば、今回のライブでもセットリストに入っている「MR.LONELY」には

何もないけど 君のために 野に咲く花のように
遠く離れていたって 笑って
元気でいるから

と歌っています。

さらに「メロディー」でも

あの頃は なにもなくて それだって楽しくやったよ

という歌詞。

さらに大好きな「夜想」という曲。これは盟友、松井五郎さんの詩ですけど、この歌の最初も「なにもない」という言葉からのスタートです。

わりと最近の「なにもない椅子」という曲もあるし、「なにもない」は確かに彼の詩のキーワードのひとつだよなぁと思うわけです。

これは主にしばらく前の記憶だけれど、とてもはしゃいでいるように見えるときでも、ふと垣間見えるさびしそうな顔。
破壊的なパッションで、仲間と一緒にものすご〜くガンガン弾いているときに、ふとうつむいた瞬間の「しん」とした表情。

得意げに歌い終わって、客席に向かってあるいは仲間に向かって破顔しているときでも、どこか心に「なにもない」「からっぽ」という気持ちを抱えていたのかもしれないと思うのです。
そう想像するとたまらないものがありますが・・・
好きな人たちにはいつだってしあわせでいてほしいと思うので。

でも、この曲「それ以外に何がある」は今までの曲とは根本的にちょっと違うような気がする・・・とそのサイトの方。

「絶対に何かの心の変化があるはずだ!」というようなことがそのサイトには綴られていたのです。

そのときにはあんまりピンと来なかったのですが、今回のライブでちょっとそのポイントがわかりました。

形のない言葉もそれでも何かになって想い合って
僕らはつながっていたんだろう

「それでも何かになって想い合って」ここがとても大事な大事な肝なのかもしれないと想いました。

今まで生きてきた道にムダなことなんてひとつもなくて、失敗したりうまくいかないことが起こっていろいろなものを失ったように見えたとしても「なにもなく」なんてないのだ!!

そういう前向きのエネルギーがあふれてて、だから玉置さんはこんなにしあわせそうなのかもしれない・・・
そんなことを想ったわけです。

そして、これが今年の2月に、玉置浩二ショーで歌われたときの動画。

ね、ね、素敵でしょ?

余談ですが、この玉置浩二ショーの時、2月の段階で、実は今年のツアーメンバー全員がバンドのメンバーとして登場していました。
今になってわかりますが、今年の構想はすでにこの時点で始まっていたのだなぁ。

そして、ふぇるまーた的に特筆すべくは、佐野聡さんです。
この方は大阪のつよしさんのライブで、TUバンドとして参加された指笛やトロンボーンを弾かれたあの方です。
おぉ、こんなところにいらしたんだ!!と思ったので、あえて動画を貼りました。
ほんっとわたしの記憶ってあてにならなくてびっくり(笑)

でもあとになってから、ふとこういうのを発見するのも時としてとっても楽しいのだ!!
よかったら見てみてくださいね〜

なんとなくこの曲こそが今の玉置さんを現す象徴的な1曲かもしれないと思いました。

さて。

途中の休憩のときに友人たちにおそるおそる「ライブ、ど〜お?」と聴いたら、ふたりとも「声の圧がスゴイね〜」「いい声だね〜」としみじみと言ってくださって、とてもうれしかったです。

特に「サーチライト」が生で聴けたのがとってもうれしかったそうです。ふたりともにこにこしながらそう言ってました。
後半で言えば「 MR.LONELY」「田園」「メロディー」あたり。
畳み掛けるようにお茶の間でも有名な曲がたくさん入っている今回のリストは、新しいファンや、初めて玉置さんに触れる方にとっては、とってもとっつきやすくてよかったんじゃないかなぁと思います。

一時期、いろんなことがあって。

ファンクラブを一旦解散して表舞台から姿を消したり、悩んでいるんだろうなぁとか、身体がついていかないのかもしれない・・・とか胸が痛い思いで見守った数年間もありました。
さらに戻ってきてからも、またいろいろあったりして、むずかしいなぁと思ったこともありました。

でもでも。

彼がさまざまな危機的状況を乗り越えて、ステージに立つことをあきらめず、今こうして精力的に歌を歌っていることが、本当に尊いことのように思えてなりませんでした。
たくさんの試練を乗り越えて今ここにいるからこそ、こんなにやさしい歌を歌えるのかもしれないとも思いました。

「田園」でやっとみんな総立ちになって、大盛り上がりになるのですが、ふと周りを見回したら、オットと同世代くらいの男性たちも、ご夫婦も、親子も、ひとり参加とおぼしき方々も、みんなとっても楽しそうにクラップしていて、なんだかしあわせな光景だなぁと泣きそうになりました。

働き盛り、今の日本を一生懸命支えている世代も多いから。
そしてこんな時代だから。

みんなこの歌にここで勇気をもらい、それぞれがそれぞれの場所へ帰ってゆく。
この客席のうれしそうな顔が、玉置さんにも伝わっているといいなぁ。

ほんと素敵だなぁ・・・と楽しいのにじーんとしてました。


WOWOWの収録が入っていたから、玉置さんのMCもなんだかいつにも増して緊張している雰囲気でしたが、そんな中、両手でチョキン!というハサミで切るような動作を何回もして、「ここはオフレコだよ!」という話もしてくださって、なんだかファンへの愛も感じたし、平和で暖かい空気がいっぱいでした。

わたし比としては、若い人が増えたような印象で、家族連れや、小さな子どもさんも結構見かけて。
こんないい歌声や楽曲に小さい頃から触れられるのは、とってもしあわせなことなんじゃないかなぁと思いましたよ。

最後の「メロディー」が美しくも儚く終わって、わりとあっさりとライブそのものは終了したのですが、席を立つときにふと友人が涙ぐんでいることに気がつきました。
ああ、本当に楽しんでくれたんだなぁととてもうれしくなりました。
「この曲は昔からとっても好きなのよ。生で聴けて涙腺が決壊したわ!」と言っていて、なんだかわたしも誇らしかったです(笑)
ふたりとも「とにかく生歌がすさまじくよかった」と言ってました。

そして友人のひとりが「玉置さんとつよしさん、その表現方法や才能、考え方に共通点があるって思ったよ!」と言ってくださったのもうれしかったです。

ここはどちらのファンにも異論を唱える方、「一緒にされたくない」と思われる方、実際にはっきりとそんな風に言われる方もいくらでもいらっしゃるので、気をつけて発言しなくてはならないところなのですけれども(笑)

いえいえ、そんな風に思う方がいることを否定するつもりでもないのです。

それはお互いのファンがお互い心底推してる方のことを「この世で唯一無二の才能の持ち主、音楽の神さまにとことん愛されてる方だ!」と疑うことなく信じてらっしゃるからだとも思うし。

どちらもそれだけの価値がある方だとも思うし。

そもそもが「好き」なんて感情は、自分の感覚や感性さえ信じられるなら、何を言われたってちっとも気にすることもないじゃないのとも思うわけで。

種類は全然違うけど、そんなちょっと世間的に不利なパブリックイメージを持つところも共通点だなぁ・・・なんて、わたしは思っていたので、あえてそこに友だちが踏み込んでくれたのはうれしかったです。

おっと話が逸れちゃった(笑)

オットは最近ギターにはまっていて、玉置さんの曲を一生懸命コピーしていることもあり、ギターを持つ玉置さんの指先にものすご〜く注目してました。
そして玉置さんと同世代ということもあると思うのですが、ひゅーひゅー言ったり、よっ!!とか声を掛けたり、リラックスして楽しそう(笑)

帰り際にすぐに「次はビルボードにする?フォーラム?」なんて言ってたところをみると、行く気満々のようです。
わたしももちろん行きたいですが、秋から冬の予定がね〜・・・早く知りたいわ!という感じ。

いえいえ、ディナーショーはぜーったいムリ!
経済的にムリだというのもあるけど、せっかくライブに参戦するなら、食することでじゃなくて、音楽でおなかいっぱいにしたいし。
そもそもせっかく成果が出てきたところなのに、わざわざお金を払って太りに行かなくても・・・(笑)
むしろ断食させてくれながら生歌聴き放題とかなら行くかも??えへへ。いやいや。

っていうか、それは冗談として、そっちに行くならライブに複数回行きたいです(笑)

おっと、何をそんなに力説してるのじゃ(笑)
そもそもどんどんライブから離れて来てるから(笑)

ウワサによれば、10月にも玉置浩二ショーがありそうだし、スキマスイッチがゲスト?というウワサだし、今後もいろいろと楽しみです。