ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

平安神宮公演2011 9月4日 その2

この日記は、こちらの日記の続きです。
相変わらずだだっ長くて読みにくい文章ですが、それでもいいよ…という方は続きを読むからどうぞ〜
☆『時空』
レーザーの演出がとても素敵でした。空へ向かう円すいみたいな形の美しいサーチライトのような光。
緑、赤、黄色、青…さまざまな光線が交錯して、空間を広く使った演出がなされてました。
つよしさんはもちろんキーボード。
何かの合図をしているのか、時々まっすぐに上がる腕の白さとそこはかとなく漂う色っぽさにくらくら。
スターダスト(星屑)…とレインメモには書いてあるのですが、どういう意味だったのか忘れました(笑)
そんな照明だったのかな??覚えてらっしゃる方がいたら補足していただけたらうれしいです。
この曲は毎回同じではないので、その日その日の音色や音の厚さ、雰囲気がとても楽しみなのですが、この日は夜空に溶け込むような繊細な音色に聴こえました。
昨年の石舞台ではもっと重厚で分厚い、たとえて言うなら大河ドラマのタイトルバックのような感じがしたのですが、今回はキラっキラっとあちこちで星が小さく光るのを見ているような、さざ波に目を凝らしているうようなそんなイメージで聴いていました。
キーボードも右側(高音部)の方が主に活躍して、最後の方でホーン隊が鳴らしていたメロディーが哀愁漂っていて、キーボードの音との対比が素敵でした。

☆『空〜美しい我の空
十川さんのピアノの渾身のイントロですでに打ち抜かれました。
この曲、実はわたくし、つよしさんの歌の中で今のところ不動の一番です。他にも好きな曲はいくらでもありますが、一番と言えばやっぱりこれ。
たくさんの郷愁とやさしい気持ちとせつなさと子どもの頃なんだか遠い昔なんだか奈良なんだか(笑)どこかへ帰りたいというわけのわからない強烈な想い?(たとえるならかぐや姫症候群的な、笑)が沸いてきます。
うっかりふわふわ糸の切れた凧みたいに飛んで行ってしまいそうな頼りない気持ちを、つよしさんのやさしい歌声がやさしくくるんでしっかりとこの場に留めてくれるような(笑)不思議な包容力を感じます。
この曲が古都のいにしえの時に思いを馳せることができるこの場所で、歴史のある平安神宮の建物の敷地の中で聴けたことが今回最大のしあわせでした。
この歌は最大限につよしさんの声を前に出した演出になっていて、十川さんのピアノの音はかなり音が少なめ。つよしさんの歌声にさりげなく寄り添ってブレスのあとのタイミングもぴったり。控え目であくまでも彼の声の音色や響きや表現を楽しむ仕様になっていましたが、おふたりの音楽的絆の深さを再確認しました。
そしてつよしさんの声の美しかったこと。声の音色がシルクみたいになめらかでどこまでもやさしかったです。
今回のライブでは、歌が前面に出た曲は決して多くはなかったですが、どの曲もとても印象的でとても心にまっすぐに届きました。
寄りそうような清潔な音がするフルートの音色も素敵でした。
夜空バージョンということで、いつもよりひそやかな歌。歌詞替えが至るところにあって、そんなところにもグっときました。
「夜空の音楽(リズム)」「星座誘う」「夜風の音楽(リズム)」「赤い星なぞって」「あしたが誘う」
これらが一々はまってうっとりしながら聴きました。
やさしくてせつなくて、水のように自由自在で、繊細で儚くて…この曲のイメージはつよしさんそのもの…だと思います。
この歌に魂を持って行かれそうになりながら(笑)ふと見上げると、空のキャンバスに丸いライトみたいなものがうっすら描かれていて、客席の後ろから前、前から後ろへとふたつの丸い玉が行ったり来たりしていました。
これは何を意味しているのかな?とぼんやり考えていました。
どこかで「あれは人の魂を表現したのではないかな?」と書いてらっしゃるのを見て、ちょっとそうかもしれないと思いました。


☆『Help Me Help Me…』I Love Youバージョン
ピアノの鳴らす長調の和音。美しいイントロが少しずつ調子を変えてゆき、聴きなれたこの曲の独特のイントロへとつながって行きます。
ジョンレノンライブの時に武道館の入り口の階段の途中に座り込んで生まれたというこの曲は、いつもアレンジなどどこかジョンレノンっぽい匂いがすると思うのですが、このライブの曲目の中にあって、ちょっと異質で、最も積極的にこちらの胸に迫ってくるものがあるような気がします。
元々つよしさんは歌声に強さと説得力が多分にある人だし、乾いた地面に沁み込んでゆくようなやさしい歌声も好きですが、こういう強さのある曲もやっぱり聴きたいです。
特にI Love Youバージョンに進化してからは更にドラマチックさが増して、聴いていると胸が苦しいような抑えきれない感情が後から後から沸いてきます。
「逃げたい時はどうすればいい?」とつぶやき誰にともなく問いかけていた人が、年月を経てファンに奈良に日本に…世界に向かって堂々と「I Love You」を放つ。
わたしメモには『今を愛せる』と書いてあります。多分歌詞かな?(だから覚えているうちに書けってば!)
そういえばこの曲このバージョンって音源化されていないのですよね!?これ、とってもほしいです。ぜひぜひアルバムとかに入れてほしいです。
なんと言っても印象的だったのは、この日のこの曲は、レナードさんの太鼓が「ドンドンうんうん」「ドンドンうんうん」という一定のリズムを終始同じように刻んでいて、ああこれは…鼓動なんだなぁと気がつきました。大太鼓の作る力強いたゆまぬ鼓動の音がつよしさんのそれのように思えて、なんだかグッと来たりしました。
十川さんの自由に飛び回るようなカッコイイピアノの音とSWINGOさんの大胆なクレッシェンドを繰り返す太いシンセサイザーの音が時々交錯したのですが、この鍵盤2本というのもとっても新鮮。
平岡さんのコーラスの声が、どこか和な感じとソウルフルな感じの両方を併せ持っていて、つよしさんの声と全然音色が違うのにふたつの声が絶妙なハーモニーを生んでいて、素敵でした。
一定の場所で繰り返し鳴るホーン隊のきらびやかな「ミーーーレッドーー」のユニゾン、合間を縫ってキラっと光を放つ音を出すギター。
そして全員がめいめい自由で強い音を鳴らした時の凄さったら。
音楽の強さと反して、ステージは若草色だったり、青っぽい緑っぽいやさしい色に染まっていて、それもとても印象に残りました。
最後の方はさまざまな色のレーザー光線とさまざまな楽器の鳴らすffな音が交錯して不思議な高揚感。
熱がすーっと冷めるようにppになって静かに終了しました。


☆『縁を結いて』歌い出しはびっくりするほど繊細でやさしい声。
最近とみに思うのですが『蜘蛛の糸のように か弱く 力強く』という歌詞を聴くたびに、ああつよしさんみたい…と思うのです。
あまりに繊細でか弱く思える時もあるけど実は決して打ち負かさたりせず、とても強い。
それにしてもやさしい声…というよりちょっとヘン?あれ?どうかした?と思ったきっかけは珍しく音程が揺れて、あれ?バンドの音に声が負けてる?と思ったからです。
考えてみればいつもあれだけ個性派揃いの大所帯のバンドをしょって歌っているわけで、全然歌声やその存在感が負けないのが凄すぎるんだなぁと気がつきました。
生半可な歌手だったら絶対に音に負けてしまう…とあらためて思ったのですが、もちろん今回とてあれ?と思ったのはこの曲限りです。
「どうしたんだろう?」「どうしたんだろう?」とひそかに思いながら聴いてました。
わたしは目が悪いので、実は彼が泣いていたことにはぜんぜん気がつかなかったのですが、あとでご本人の素早い申告により…あ〜そうだったんだ!と腑に落ちました。
ご本人は泣きながらも最後までちゃんと歌おうと必死だったんだろうなぁと思います。
歌い終わりはまるで堪えているかのようにうつむいて、珍しく無言のまま…ちょっとブレイクをとってセッションへ。

☆『セッション。そしてメンバー紹介』
最近どこのライブでも、セッションではつよしさんが指揮者のようにひとりひとりをフィーチャーして、生き生きと楽しそうなのですが、この日、わたしの感じ方はいつもと少し違っていました。
みんなと音を出し、音で会話をしながら、直前までの高ぶった気持ちを少しずつ落ち着かせているような…そんな気がしたのです。
彼の音に呼応するようにみんなの音が包み込むように響いて、ひとりずつソリストが前に出るという感じよりは、tutti(全員で同時に演奏する)が多い感じが新鮮でした。
ステージで演奏する人たちはだれもがとても楽しそうでやさしい顔をして、このメンバーの真ん中で音を鳴らすつよしさん、しあわせだろうなぁなんて思ったり。
この日のステージは打楽器の名手が3人もいたことで、よりプリミティブな、たとえばバリのケチャとか、アフリカンな感じとか、そんな音楽の匂いもありつつ、より自由度も増して聴いていて楽しかったです。
最初表情は険しく曇ったまま、感情が読めない感じで一心不乱に演奏していたつよしさんが、時間の経過とともにだんだんにバンドの音に反応して表情のある音を鳴らし始め、冷静で楽しそうな音を取り戻していく感じが手に取るようにわかって、とっても素敵な時間でした。
途中いつになくアドリブが和な音を醸していき、なんだか演歌調のリフが長々続く場面もあって、それもまた新鮮(笑)
どう転ぶのかさっぱり見当がつかないのもセッションの醍醐味です。
今回何といっても「歌が少ないのが残念」と言ってらした方も結構いらっしゃいましたが、わたしはここ数回のライブでは、歌第一主義は置いておいて(ないわけではないです、もちろん、笑)彼が彼らが鳴らす音、彼から生まれる音のおもしろさに取りつかれていて、我を忘れて次の音に没頭してしまうので、歌であれインストであれまったく垣根を感じておりません。
つよしさんを中心に、混沌からひとつの方向へまとまってきたり、まとまってきたものをまた誰かが混ぜっ返したり、気がつけば方向性をひとつにして、高みへと駆け上がったり、そういう一種の音楽的会話の流れを一緒に体感し、存分に楽しんでいます。

バンドはいつもながらとっても多彩なメンバーでした。
(この話は音楽と人と絡めて別途語りたいです。)
鍵盤楽器はダブルで、十川ともじさんとSWINGOさん。
パーカッションもまた レナード衛藤さんとスティーヴ・エトウさん兄弟
そしてギターの名越さんと、奥さまのコーラス、平岡恵子さんのご夫婦。
(紹介された時に、なぜかSWINGOさんが邪魔するようにおふたりの間に立ってらして、笑いを誘ってました。ご夫婦は明らかに仲良しで、見ていてとってもほほえましかったです。その様子を冷やかし交じりで「いかがわしい」(もちろんジョークです、笑)…と言ったのは誰だったかしら?(笑)覚えてらっしゃる方がいらしたら、補足お願いしたいです。)
つよしさんは自分のバンドを指して、誇らしげに『兄弟も夫婦も出演しているバンドです』と言い、バンドメンバーさんもニコニコ、ニコニコ。
そしてお馴染みギターの竹内朋康さん。
つよしさんが「次期大統領!」と紹介してました(笑)
ドラムの地元京都ご出身の屋敷豪太さん。
ベースはハートフルでステージに笑顔と元気と情熱をいっぱい運んでくれる素敵なベースKenKen。
ホーン隊がSASUKEさん(トロンボーン)、ふさはらさん(トランペット・篳篥)、白くまさんこと川島さん(サックス&フルート…かな?)
そして…奈良が生んだ水の妖精、堂本剛
(思わず笑いましたが、実は結構真剣にそうかも…と思ってしまった平安神宮マジック!笑)
雨を止めていただいた神様に、バンドの皆さんも客席も一緒に合同参拝をするということに。
初日の前にみんなで(バンドのメンバーさんたちを指して…かな?)参拝した時、あまりにもバラバラだったので、今日はちゃんと合わせるように…と注意(笑)
自分が神様だったら出て来てしまうくらいひどかった…と(笑)
そしてつよしさんの音頭で、ふっつーに平安神宮さんの本殿の方に向かって参拝。
今度はバンドのみなさんもぴったり(笑)
最後のつよしさんの一礼があまりにも長くて、顔を上げるとまだ小さな頭がきちんと下がっていて、慌てて下げ直す人多数(笑)
そんなこともいい思い出です。

メンバー紹介のあとは、バンドの皆さんは手を振りながらステージからはけて、つよしさんだけが残ってMCタイムです。

ここからは言葉尻は覚えていないので、箇条書き風にわたしが覚えている範囲のMCを。
このまんまの言葉でしゃべったわけではありませんので、念のため。

☆MC
・時間が限られているので、まずはたくさん曲をやりたかった。
それに僕はしゃべりだすとついしゃべり過ぎてしまうから…
(さっきまで一言もしゃべらなかったことがウソのように、せきを切ったように、早口で猛ダッシュでおしゃべりが始まりました。もっと落ち込んだ感じなのかな?と思いましたが、意外に普通のテンション。穏やかな顔、声で話をしてました。
ただし、言いたいことがありすぎて…という感じでどんどん更に早口になっていくのがなんだかほほえましい感じでした(笑)

・さっきは泣いてしまってすみません。『縁を結いて』は不思議な導きがあって書いた詩。
どうしてみんな(日本人、世間一般的な意味で)、もっと日本のことをやさしく強く抱きしめることができないんだろう。受け止められないんだろう。でも…悲しみさえも包んで、自然は僕たちとともに存在してくれている。涙も自然からもらったもの。うそなく…。

・自然からもらったものをちゃんと自然に返すこと、それをしないと未来がないと思う。

平安神宮は自然の空の下で演奏し歌える。人の力を体感できる場所。また平安神宮で、日本の大自然を感じられるところでまた一緒に過ごせることを願っている。

・自分たちのためではなく、未来人のために何ができるか?
未来に生きる人のために過去から、自然からもっともっと学んで子孫へと繋げたい。

・ほんとは3日間のライブ予定が台風には勝てなかった。
あの状況でライブをしたら、事故につながるかもしれないと思い、とても悔しかったけれど、中止にさせてもらった。
ツィートなどを見ながら皆さんの気持ちが痛いほど分かった。

・自然の力を凄く感じる。
今回の台風で大変なことになっている奈良県十津川村那智は行ったことがある場所。あそこでも人が亡くなったりしている。
とても気になっている。

・先日も奈良の宮司さんと話した。宮司さんは水の神さまが何かいろいろ言っているんじゃないかと。自分はそういうものが見えたりするわけじゃないが、同じことを思った。

・日本の中心が奈良・京都・東京と移っていく中で日本は今まで大きな国難をいくつも乗り越えてきた。国難を乗り越えるためには物理的なことも必要だが、祈ることも必要だと思う。

・このライブに東北他地方、海外からも来てくれた。
皆さん、自分というものを持って、意見を持って、この国をどうしたいのかを、この国をどう救うのかを考えて。

・愛しているものから逃げないで。自分の周りの大切な人を愛して。

・僕は今日のこのご縁のことずっと忘れない…皆さんも忘れないで。皆さんの幸せを本気で願っている。
今日は愛をもって生きられるよう、本気で祈りながら眠りにつきたい。

・今日も皆さんのまっすぐな気持ちを感じた。生きてて良かった。皆さんのことを心の底から愛してる。

・皆さんも、ぼくに飽きなければ、また会いに来てほしい。

・来られなかった方々にも、優しい言葉で伝えてあげて。

・僕はいつでも皆さんを愛してる。
こんなに人を愛せるなんて幸せな人生。大きな愛をありがとう。

つよしさんは、深々と頭を下げてから大きく手を振ります。
普通に手を振り返すファン。
右側で真ん中で左側で手を振るつよしさん。
負けじと手を振り返すファン。
この間、キャーっ!!という感じでもなく、話掛けモード(笑)でもなく、ひたすら淡々と、でもちょっとはにかんだ温かいムードの中で、みんながひたすらぶんぶんと手を振っている感じでした。
名残惜しそうなつよしさんと、もちろんいつまでもつよしさんその人を瞳の中で追いかけていたいファン。
最後はつよしさんもファンもみんな一緒に結構長いことぶんぶん手を振り合って、見えなくなるまでいつまでも手を振り合って……にこにこと終了。
ふとまわりを見回したら、誰もがとってもやさしく温かい、愛情に満ちた顔をしていて、なんだか心がぎゅっとしました。
ああ、なんてやさしい空間なんだろう…と。
そして、ここだけじゃなくて、会場の外でずっと音を聴いていた人たちも、前日遠くから来たのに見られず帰られた方々も、涙を飲んでお留守番組にならざるを得なかったつよしさんLoveな人たちも…みんなで目の前のつよしさんの歌を聴き、手を振り愛を分かち合える機会があったらどんなにいいか…と切実に思いました。

ライブが終わってしばらくしたら結構な雨が降ってきて、とても傘なしでは歩けない状況になりました。
昼間も土砂降りでしたし、ほんとにほんのちょっとの雨の合間を縫って行われたライブでした。

次は東北のみなさまの番。
バトンは繋がせていただきました。どうぞ楽しんで、そして見届けていらしてね。
楽しい報告が聴けること、お待ちしてます。

後少しだけ、このライブでわたしが感じたことを「音楽と人」を絡めながら書いて、次はやっとシングル「Nijiの詩」語りへとシフトしていきます。
実は一度週末に超大作を書いたのですが、すんでのところで消えてしまいました(笑)
何年経っても学習しないわたくしでございます(笑)
と、予告的なことも書きつつ…

この感想はあくまでも一個人の感想ですので、どうぞゆる〜く読み流していただけたらと思います。
今回中止になった日もあるし、どんな風だったか少しでも知りたいという方もいれば、哀しい気持ちになるからしばらく見たくない…という方もきっといらっしゃったと思うのです。
わたしが書くことで誰かを傷つけることがないように…と気をつけて書いたつもりなのですが、未熟者ゆえ、それでも哀しい思いをさせてしまっていたらごめんなさい。
なるべく見たとおり、忠実に書いたつもりですが、間違いがあったら指摘していただけたらと思います。