ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

堂本剛 平安神宮公演2011 9月4日 その1

今回は台風のため、三日間のうちの一日が中止になるというとても哀しい出来事がありました。
一日目は奇跡的に公演が開催され、二日目は台風のためやむなく中止だったそう。そしてこの日は三日目最終日です。
席についたら椅子がありえないくらいびしょびしょでした。
昼間神社などを巡っていた時にはかなり土砂降りに近い雨が降っていましたが、この時間にはかなりやみ加減だと思っていたのですが、やっぱり雨が降ったりやんだりの三日目。
ちなみに友人たちが座席に着こうとすると、親切な真後ろの席の方が、彼女たちの席をご自分のタオルで丁寧に拭いてくださったんですって。
寝る前にショコラ嬢が「親切な方がいるものです!」と教えてくださったのですが、つよしさんを中心に人を思いやる空気ができあがっている彼のライブ空間はほんとうに心地よいと思うこのごろです。
まず席についてから、支度をするのがすでに大変。
取り出すものと雨が降ってきてもいいようにしまうもの。荷物を全部覆うビニール。手元に合羽とタオル。そんな中でもメモ書き用のノートとペン。そしてやっぱり双眼鏡。
ステージ上にはオーロラのような光がふわふわしていました。
螺旋を描くような不思議な光で、意味するものが何なのか想像してみましたが、よくわかりませんでした。
ふと後ろを見ると、お堂の屋根にレーザーで何か字なのか絵なのかが描かれているようにも見えたのですが、それが何なのかはわかりません。
DVDになったら薬師寺の時みたいにじっくりと確認しよう…と思いました。
そうなのです。この日、収録が入っていますとのアナウンスがありました。
ライブの前にお参りに行った際にも、カメラが確認できて、友人たちと「あったーーっ!!」と大喜び。
ステージ上にもカメラがあったし、ステージの両側にもクレーンがついたカメラがありました。
始まる寸前に雨が上がったりパラパラと落ちてくる瞬間があって、ビニールのカバーが取り払われたりまた持って来られたり。
何度かそれを繰り返して最後にはカバーがはずされました。
暗がりの中バンドのみなさんが入って来られる気配がして、ステージ左側から黒いエレキギターを持って剛さん登場。
立ち姿だけで、絶対に彼だとわかるその見慣れた丸みを帯びた大好きなシルエット。
そのなだらかなラインが定位置につくのを見ているだけで、ドキドキが止まらない(笑)
上半身は赤い着物のようなゆったりとした衣装。中は黒いシャツだったそうですが、わたしのところからはよく見えず。
妙に肩口が色っぽくてドキドキ。撫で肩からするんと腕が出ていて、ギターを弾くと妙な色気があってすっかりと目がハート(笑)

☆『美 我 空』
一瞬だけいろいろな楽器の音が一斉に鳴って、割って入るように和な音がして、その音は篳篥(ひちりき)かな。
息の長い太い朗々とした音。これからお祓いが始まるのか、それとも祝詞があげられるのか…という厳かな空気に包まれます。
この曲は元々雅楽的な匂いがしますが、この日はもっともっと更に雅楽な感じの音。
そしていつもの耳馴染んだ音。
始まったのは美我空でした。
思えばこの曲はここで演奏されるために作られたのかも?と思わされるくらい平安神宮という場所にベストマッチな音。
昨年もこの美我空はこの場所にて演奏されましたが、昨年よりももっとおごそかで…そのくせ矛盾するようですが自由な音が鳴っていた気がします。
つよしさんのベースも、昨年より更に雅楽ちっくな音を鳴らしていた印象です。
ベンベンという三味線や琴の音色にも聴こえるようなタッチ。絡みつく和楽器の音色。
音には隅々まで耳を澄ましつつ、目はつよしさんのシルエットに釘付け。時々はらりと落ちる前髪、それをかきあげるしぐさが妙に色っぽくてドキドキ。
この人はつくづく思うに両性具有な感じ。男とか女とかでは測れない不思議な魅力があるなあ。
上の方しか見えなくて全貌がよくわからなかったのですが、篝火が何か所か焚かれていて、この光がとっても妖しい感じに揺れてました。
篳篥の音を鳴らしていたのは多分ふさはらさん。
しろくまさんはフルートだったのかな?それとも雅楽器?よく見えなかったのですが、あのあたりのホーン隊が多分雅楽な音を鳴らされていたのではないかと。
ステージに青いスモークが焚かれてました。
この曲が最後の方でさまざまな音の坩堝(るつぼ)となって混沌としてくるところが大好き。


☆『NIPPON』
最初はギターの小気味良い感じの音で始まり、何の曲だかわからない感じに始まりました。
いえいえ、曲目はすでに先に聞いて知っていたはずなのですが、この曲だとは思っていなかったのです。
誘われてスローでけだるい、アンニュイな感じのクラップが自然に起こり…歌が始まってみたら「NIPPON」だった!!
ワンフレーズだけで今回はなんだかとっても色っぽい予感。
メロディー替え。
「ぶらりドレミファソって夜空に浮いてる赤い月」から一音下がって、「ふわりソラシドレって地面に溜まる水の溜まり」が。
移動ドで書くと「ミミミ ミミミミソラッミ ミミミ ミミミミ ミレドレミレ〜♪」の次は「レレレ レレレレファソッレ〜♪」に降りてくるのです。
このメロディー替えがなぜか超絶色っぽく感じて、痺れました。

サビの「NIPPON」のところ、コーラスの平岡さんが5度上でとても色っぽくハモっているのがとっても新鮮でした。
このハモリが聴きなれた3度のハモリよりずっと色気を増す感じに思えたのはなぜだろう。むしろ和音的には5度っていうのはプリミティブ(原始的)な感じなのに。
十人十色の時に、彼女の声はつよしさんの声にとってもマッチしている…とご本人たちのみならず、バンドの人たちもみんな思っている…という話を聞きましたが、本当に不思議なくらいマッチしていると思いました。
似ている声では決してないのに、こんなに自然に馴染む声。
そしてつよしさんったら…「NIPPON」という単語を歌っているだけなのに、こんなに色っぽいってどうよ。(もちろんうれしいです、笑)
合間のギターの音が夜空にぽっかり浮かぶ雲のよう。
この曲は夜空の雲の上を漂っているような、ふわふわと歩いているかのような不思議な雰囲気を醸し出していて、いつもとは全然違う幻想的な感じでした。
これ、早くDVDになってみんなで聴けないかな?!みんなとこの感じを共有したいです。


☆『Love is the key
この曲もイントロでは何の曲だかよくわかりませんでした。つよしさんのギターソロから。
ソラドラ↑ミレド
ソラドドラ↑ミレド
とメモ書きしていあるのですが、これ何だっけ?
多分…印象的なアドリブのフレーズかな。
この一本の太いユニゾンのフレーズを何本かの楽器が弾いていて、ニューシングルの初回Bに入っている社会科見学の、SHAMANNIPPONの国家のフレーズちっくな鳴らし方をしてていたのだと思います。
この曲もNIPPONに負けず劣らずアンニュイな感じのアレンジ。
途中で入ったホーン隊の音がものすご〜く色っぽい。
sasukeさんのトロンボーンの音が大胆に太くて力強くて、それがうまくつよしさんの歌声と絡んでカッコよかったです。
もっと全部の音が鳴って厚い感じになるのかと思ったら、この日は意外と楽器の音が薄めでそれぞれがソロで絡んでいくフレーズ(みんながいっぺんに鳴らさないという意味)と、ワンフレーズごとのホーン隊のキレのあるブレイク。
あくまでも「Love is the key」というつよしさんの歌声がメインで聞かせどころな感じ。
最後はつよしさんの渋めのギターの音。


☆『ENDLICHERI☆ENDLICHERI
どこからか和太鼓が響いて、音の鳴っている場所をキョロキョロと探しました。鳴らしてらっしゃる方はレナード衛藤さん。
実はちょっと予感的なものがあって、「やっぱり」と思いました。
レナードさんが3日に「荷ほどきもしないで、これから京都」とつぶやいてらして、この時期にそんなにハードスケジュールで京都に行かれる用事はなんだろう?と考えたら自然とこのライブが浮かんだというわけです。
この話、先にどこかでだれかにしておけばよかったなぁ(笑)
以前レオさんが入られた時にも、なんて彼の太鼓の音はつよしさんの音楽にマッチするのだろうと思ったのですが、今回もまたそう思いました。
しかし…この方の音がこの場面で生かされようとは…E☆Eと和太鼓は一見ミスマッチな感じですが、これが合うのです。
和太鼓ひとつで和と洋が見事にブレンドされて、不思議おもしろい唯一無二のE☆Eに。
途中からサンバみたいな音になってみたり、あまりの無国籍っぷりにわくわくが止まらない。このアレンジのE☆Eはみんなと早く語りたいな。
ぜひぜひDVDが出たら確認してみてくださいね。
つよしさんのファンなら誰もがものすごく聞きなれたこの曲だと思うのですが、アレンジが違ってもまったく違和感のない不思議。
つよしさんの音楽はいつも流動的で、誰かひとり入っただけでガラっと色が変わるけれど、それが決してイヤではなくて、常に新しいワクワクを生んでくれます。
こんなことが楽々成立している魅惑のライブ、もっと一般のみなさんに聴いてもらえる機会があったらいいのにな。
世の音楽好きならばジャンルを問わず絶対にわくわくすると思うのに。
レナードさんの重厚な音の上でお兄さんのスティーヴさんの音が軽やかに遊び、豪太さんがシャープに切り込んでいき…
KENKENがステップを踏みながら鳴らすピースフルで楽しげな低音が楽しい。
バンドのみなさん、誰もがとても楽しそうです。みんながそれぞれに作るさまざまなリズムがあふれんばかりになだれ込んできます。
あれ?我らがつよしさんは?と思ったら、シンセサイザーの前に座って無心に音楽にすっかり入り込んで弾いてました。
機種は?と思って双眼鏡をのぞいたら、コルグの最高峰シンセサイザーOASYSの名前が。これ、ものすごい高価なのですよね(って誰に言ってる、笑)
自由にオブリガードを入れたり「ミソラミソラ」「レソラレソラ」というような繰り返しの音をずっと鳴らしていたり、自由に泳ぐ古代魚が浮かびました。演奏することをとても楽しんでいる顔に見えました。
平岡さんが奄美大島の歌手のみなさんみたいな声で歌ってらして(元ちとせさんに近い感じの声の音色です)、これがものすごく強烈な味、アクセントになってました。
客席にとっても無条件に上がる曲。今回は場所柄キャーっ!!というノリではなかったし、みんな空気を読んでいて、叫ぶ人もいなかったですが、ステージの上も下も、誰もが楽しい顔になっていたのが印象的でした。
ピンクの光が広がって、いつしかステージ上のあたりの光が螺旋を描いて空に向かって広がっていました。
これが何を表現していたのかよくわかりませんでしたが、また振り向いてお堂を見上げるとお堂にも美しく光が当たってとても綺麗。
このあたり、DVDでどうしても確認したいポイントでもあります。某つよしファンにはお馴染みなお方が関っていらっしゃるとうわさのDVD撮影。本当に楽しみ〜♪