ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 「君はひとりじゃない」

 昨年に続き、12月8日、ジョンレノンスーパーライブに行ってきました。
 今年の出演メンバーを見たとき、昨年の方が圧倒的に素人でも楽しめそうなメンバーだったように思えたのですが、実際に見てみたら、去年にひけを取らず今年もとても楽しかったです。
 それどころか、あまりにも強烈な印象に残ったところがあって、本当は全体を通していろいろ調べたいところをクリアーにして、ジョンレノンの曲に詳しいお友達のブログなど貼らせていただきつつ…全部の感想をまとめて書くつもりだったのですが、鮮度第一ということで最も印象に残ったことだけを先に書きます。
 今まで様々なジャンルのいろいろな音楽会、ライブに行って、何日も余韻に浸ることもありましたが、いまだちょっと気を抜くとそのシーンが浮かんできて涙が浮かんできてしまうほど引きずっているライブは多分片手で数えられるくらいしかないと思います。そのうちのひとつが、今年の12月8日のそれでした。ライブに行って「歌の力」にこんなにガツンと来たのは久しぶりでした。
 あまりにも主観的な深夜のラブレター的な文章で恥ずかしいので、とりあえず隠します。
 ちゃんと冷静に書く感想はまた後日と思ってますので、感情過多な文章は苦手という方はどうぞそちらをご覧いただければと思います。
 さて。
 その時は突然にやってきました。確か奥田民生氏が大いに会場を盛り上げた後。
 しばらく入れ替えの時間があって、暗転して突然何の説明もないまま音楽が流れ「これはもしや?」と思っていると、ステージ上に突然3D映像の忌野清志郎さんがあらわれたのです。
 映像はちょっとぼんやり薄くて、まるで夢か幻かという感じですが、等身大で存在感があって本当に彼がそこにいるかのように見えました。そして大音声の音楽。歌が始まりました。「IMAGINE」です。
 あまりにも不意打ちで最初はわけがわからず呆然と聞いていたのですが、

夢かもしれない 
でもその夢を見ているのは
君ひとりじゃない 仲間がいるのさ

この歌詞が流れてきた瞬間「今流れている、ステージの上にいる人」が放っている歌に純粋に心打たれてしまいました。
 歌そのものに大きな力とやさしさ、包容力のようなものがあって、なんて心の底まで届く歌声なのだろうとドキドキが止まりません。多分その瞬間はこの方が生きているとか亡くなっているとかということはどうでもよかった気がします。
 どうやってこの映像を?とか今この人はもういないのに…とかそういう発想が出て来ないくらい頭の中が歌とその歌詞の内容のことだけでいっぱいになって、呆然と聞いていました。 
 ここのところずっと「なぜみんなさびしいのだろう」「どうやったら寂しくなくなるのだろう?」というというようなことを漠然と考えたり、我が子を含め、まわりの子どもたちにどうやったら「ひとりじゃないよ」「大丈夫」と伝えられるのだろうというようなことを考えていたのですが、この歌を聴いていたら、あまりにもストレートな清志郎さんの

ほら ここにいるぜ 

君はひとりじゃない

ちがう

ひとりぼっちじゃな〜い

という叫びのような歌声がただただ胸に迫ってきて、胸がいっぱいになってしまいました。
 ステージでは陽炎のような頼りなくゆらめくぼんやりとそこにいる「彼」が、確かに今その時の会場中の心をひとつにして魅了していて…会場はあっという間に水を打ったかのように静かになり…それを聞いてあちらこちらで涙しているわたしたちがいたのです。
 そんなわけで、ものすごく集中して歌を聞いていたらあっという間に1曲目が終わり、バーチャルの映像が静かに消えてゆきました。
 そこでおしまいかと思ったら、無人のステージの上にスポットだけが何重にもあたっているのが見えて…誰も現われないまま、別の「IMAGINE」のライブ映像がステージ両脇の大画面に登場しました。
 わたしは残念ながらその映像がいつのものなのかはよくわからなかったのですが、多分わりと最近のものなのかな?と想像しました。
 今度は大画面に映る、クリアな映像の彼でしたが、ふと目をとなりにやると無人のステージは無人のまま…
 さっきまでリアリティーあふれてわたしたちの目の前にいるかのようだった「彼」がもうこの世にはいない…ということを意識せずにはいられない演出になっていて、さっきまでとは違う涙が出てきました。
 日本はなんて惜しい方を亡くしたんだという気持ちや、生前の彼の歌や先日ラフォーレで見たような作品の数々にもっと目を留め、耳を傾けておけばよかったという後悔や…それこそいろいろな気持ちが沸いてきて、ちょっとヤバイくらい涙線にきて、ずっとハンカチを探してました(泣くつもりじゃなかったし、暗がりに涙目で全然ハンカチが見つからなかったのです、笑)
 映像は結構長くて、もうアウトロかな?と思いきや

ちが〜う
ひとりぼっちじゃな〜い

というフレーズがほとんど叫ぶように何度も何度も繰り返されて続きました。
 この歌を子どもたちに、今さびしくて仕方ない人たちに聴かせてあげられたら、彼らがどんなにか励まされるだろうと思いました。
 大人たちは、渾身の力をこめて、清志郎さんのように、何度も何度でも真剣にこう言わなくてはならないのだと思います。そして人としての伝える手段は様々で、清志郎さんはまさに歌で大切な心を伝えられる人だったのだなぁとしみじみ。
 そして、わたしはあまり詳しくないのですが、生前のジョンレノンという人がまさにそういう人で、オノヨーコさんはその想いをいまだに大切に守り、絶やさないように守っているのだなぁと感じました。
 さらに、このステージを昨年一緒に見に来た清志郎さんファンのお友達、たぬきさんに見せてあげたかったなぁという気持ちが沸いてきて、どうしようもなかったです。まだまだはっきりくっきりの脳内映像を頭をパカーっとかち割って見せてあげたいです(笑)
 普段あまりライブを見たり映画を見たりして泣くほうでもないのですが、今回ばかりは、まぁあきれるくらいとめどもない涙というものを経験した気がします。
 昨年の映像もBSで後々放映されたりしましたから、今年のも流れるのではないかと思うのですが、その折には清志郎さんのファンの目にも、あまり彼のことをよく知らない人の目にも…たくさん触れたらいいなあと思います。
 最後の最後に「演出 箭内道彦」の文字が出てきて、そこでまた涙線がヤバイヤバイ(笑)なんて「らしい」んだと思いながらこの徹底した何の説明もなく「出演者扱い」な感じに心打たれました。
 どうしてもこの経験を文字にしておきたかったので、ひどく感情過多の文章になりましたが、先にこれを掲げておきます。 ちなみにこのあたりのニュースについては、ここに書いてありましたので、合わせてお読みいただければ。 
 ちなみに、忌野清志郎氏の歌う「IMAGINE」を見つけたので貼っておきます。

 次は全体の感想を書くつもりです。もちろんここ以外にも見所聴きどころ満載の本当に素敵なライブでした。
 このあまりにもハート直撃事件があったことで、せっかくのKinKi祭りに乗り遅れてしまった感がありますが、こちらについても徐々にペースを取り戻しつつあるので(笑)もうちょっとお待ちくださいませませ(笑)