ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 最近のレッスン室にて。「この6ヤダ!」

 これは、やっと両手になったばかりのSちゃんのレッスンでの出来事です。
 ん?!なにそれ?と思って聞き直したら、「#はいいけど6はヤダ!」って再びわけのわからないことを言う、Sちゃん。指は5本で5の指までしかないし、まさかロックじゃないよね?と首を傾げつつ、楽譜を見てわかりました。フラット(♭)のこと。これは6ではありませんのことよ(笑)そもそも「#はいいけど」ってどういうこと?不明です。#も♭も弾き方は一緒なのに。子供って不思議です。
 そういえば先週、5線譜の上の方に棒つきの音符を書かせようとしたら、「これ9にする?」と聞いた4年男子もいました。ちょっと考えて、「あ、そうか。下向きに棒をつけるのかって聞いてるのね?」と気がついて、「惜しい!下向きはあってるけど、9じゃなくて9とは逆側に棒だからね!」と返しました。子どもとの会話ってなんだか謎なぞみたい(笑)でも、この「9の反対」は使えるかも。わかりやすいぞと思い、メモメモ!
 さて、もう少し大きい子の話です。ブルグミュラーの「別れ」という曲を練習しています。もう何週間もやっているのに、どうしても最初の部分が弾けません。なんで?なんで?と思って良くみていたら、楽譜と指を交互にみているのです。それじゃあ、弾けっこありません。指を見るたび、今楽譜がどこなのか見失ってしまいます。初歩の頃から、何度も何度も指を見ちゃダメ!と教えるのですが、どうしても癖になっている子がいます。実は指なんか見なくたって、ブルグミュラーまで弾ける子なら、絶対に鍵盤の幅は指が覚えているはず。
 ということは、「ただ手を見ないと弾けない」と思い込んでいるだけ。言わば、自分で作ってしまったジンクスのようなものなのです。それがわかっているので、指先を別の楽譜で隠して見えないようにして、弾いてもらいました。
 彼女は最初「先生の意地悪!」とプンプンしながら弾いていましたが、結果はあれほどできなかった箇所を、一度も間違えなかったの。「ほら。もっと自分の指を信用した方がいいよ!」と言ったら狐につままれたような顔をしてました(笑)たった一度の実験がよほど衝撃的だったのか、それから彼女、一回も手を見ませんでした。「百聞は一見に然ず。」
 ああ、もっと頭がやわらかい人になりたいです。やっぱり子供のDSでも借りてトレーニングかしらん(笑)