ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 ENDLICHERI☆ENDLICHERIライブ5月21日 覚書 その2

その1につきましては、下がってお読みください。この続きも例によって、恐ろしく長いので、続きを読む表記にします。ここから先は、かなり個人的な感想を含みますので、そのことをご理解のうえ、お読みいただければと思います。

  • ダブルアンコール

 最初、ダブルアンコールはしたくないと思ったのだそうです。「46公演どの公演も特別な日にはしたくなかった」と言っていて、そういう考え方がとても素敵でした。でも、ファンの熱烈なアンコールの拍手と(当然です!)、わざわざオーラスを見届けるためだけに集まってくれた別の日の参加メンバーの紹介も兼ねて、ダブルアンコールが行われたようです。ちなみに、この日、わざわざいらしていたバンドメンバーはベースの種子田さん、コーラスの伊藤サチコさん、CHAKAさん、tokoさん、ギターの中村修司さん、サックスの庵原良司さんだった模様です。Fブロックのお友達によれば、この皆さんは、最後列のPAのために囲ってあるところでライブ本編も楽しまれていたそうです。
 さて、ダブルアンコールでは、「これだけの日を跨いで来たのだから」をやりました。上で触れた方々も、ステージに上がり、大歓声に包まれます。いつもよりテンポをグッと落として、最初の音だけを十川さんにもらって、ほとんどアカペラで、ケリーが歌い出します。情感がこもった、しっとりとした歌いっぷりです。声の音色は全く曇りがなく、伸びやかです。
 途中から十川さんの洗練されたピアノが加わり、気がつけば、パーカッション、そしてホーン隊と音がだんだんに加わっていきます。最初はミュートのような抑え目の音だったような気がします。そして時間をかけて、ゆっくりとクレッシェンド。
 そして、ここからはコーラス隊の見せ場となります。主となって活躍してきた3人のボーカリスト、りんこさん、tokoさん、CHAKAさんが、それぞれに結構長いソロを採って、それぞれに自慢の喉やフェイクを聞かせてくださいました。ここがもう圧巻。音楽好きにはたまりません。わたしは幸運にも全員の方の歌声に触れることができましたが、横に並んで順番に聞いてゆくと、この方々それぞれの個性の素晴らしいことと言ったら。三者三様で、比較することすら馬鹿げていると思うくらい、皆さんとても素晴らしいのです。お互いがお互いの個性を引き立てあって、ますます素晴らしさが際立っています。いつもの収録の時ほど大掛かりにカメラが入っていたわけではないのですが、どうぞ、この場面がDVDになりますように、と願わずにはいられません。
 こんな風にプロのボーカリストの方々は、それぞれが、自分の持ち味を最大限に生かして、求められる場所でお仕事をされているのだなあと納得。多分、主役の3人の皆さんも、他のお二人の見せ場をわくわくしながら眺めていらしたのではないでしょうか。こうやって、一同に介することなんか滅多にないでしょうからね。
 また、こういう風に仲間の見せ場を見たり聞いたりしている、別の楽器のメンバーさんたちも、心底楽しそうなのです。目をキラキラさせながら、音に浸っていらっしゃる舞台側の方々を眺めているのもとてもとても楽しかったです。
 言わずもがなですが、ケリー氏のしあわせそうなこと。この会場の中の誰よりもこの音を楽しみ、浸り、しあわせを感じていたのは、実はケリー氏ご本人ではなかったかと、そんなことを思いました。ファンとしては、「よかったねえ。」とただただニコニコ見つめるのみ。どれだけ彼の音楽にも良い影響をもらい、これからの音楽活動のためにプラスになるものをもらったことでしょう。
 そういえば、このダブルアンコールのセッションは、簡単な打ち合わせのみで、即興的に行われたのだそうです。言われなければ、練習が重ねられたナンバーだと思ったことでしょう。それくらい、すごいチームワークだったのです。
 これは、日替わりのメンバーに鍛えられ、どの組み合わせでも、どんなに状況が変わっても最大限に力を発揮することができるようになったチームエンドリの、46公演の集大成とも言えるセッションでもあったのでしょう。

  • 余談ですが

 何がすごいって、今回、当日参加以外のバンドのメンバーさんが自分が参加しない日に、何度も見に来られていたことではないでしょうか。オーラスに来られなかったスティーブさんは、20日にいらしていたそうですし、他の皆さんも何度かこっそり足を運ばれていたようです。
 「仕事としてギャランティーが発生しなくても、プライベートの貴重な時間を割いてでも見に行きたい」と思わせる何かが、ファンだけではなく、メンバー側にもあったのだろうと思います。それってすごいことだなあとうれしくなったエピソードでした。

  • 思いがけない発表

 これらが全部終って、いよいよ最後の締めかなあ?という場面で、突然にそわそわする、ケリー氏。そして例の追加公演の発表がありました。何度も事務所の方と目を合わせて口ごもりながら、でも最後は決然と発表です。「後日談になるはずだった」は多分本当のことでしょう。バンドのメンバーの方々も、本当に知らなかった方が多そうでした。後日談にした方がこの日の後味ももっと良いものになったのだろうし、ご本人に対する風当たりも違ったことでしょう。それでも言わずにいられなかったところが、彼らしいなあと思いました。すぐに追加のお知らせが出ることを知っていながら、この場所で、「またいつかお会いできるといいですね!」というような白々しい嘘は、きっとつけなかったのでしょう。
 知る人ぞ知る話で恐縮ですが、江国香織さんの「きらきらひかる」の睦月みたい。「誠実であることを、なによりも一番大切にして、守ろうとしている」ように見えました。それもまた彼。
 もちろん会場に来ていた方のほとんどは、びっくりしながらもほぼ好意的に受け止めていましたし、純粋に祝福ムード。空気も温かでした。
 オーラス気分が中途半端に引っ込んでしまったのは、ちょっと残念ではありましたけど(笑)それでも、あの場所でご本人の口からあれだけの人数の前でちゃんと宣言されてよかったと思います。

  • 追加公演の件は3時間だけ秘密にしよう!

 これを言い出したのも、ケリー氏です。彼自身、インターネットや携帯メールの影響は熟知していて、どんな小さい言葉でも発したら最後、一瞬にしてファンの間を駆け巡ることをよ〜くわかっているようでした。そういう発言が今回の公演のそこここでありました。いろいろな発言から類推すると、いいことばかりではなくて、悪意に満ちた曲解もちゃんと案外冷静に受け止め、自分という商品を効果的に世に出すための戦略を十分に考えているのかもしれないとさえ思いました。
 そんな中で言われたこの発言には、どういう意味があったのだろう?と後々ずいぶん考えさせられました。ここからはわたし個人の感想だし、客観的な事実ではないことを先にお断りしておいた上で、書いて行きます。
 わたしは、彼本人が、自分の発言によりオーラスの余韻をぶち壊してしまうことを、案外本気で心配していたのではないかと思いました。彼の目の中にはオーラスに参加している方だけではなく、参加したかったけれど諸事情があって来られなかった人、またはチケットが手に入れられず行けない人の存在がちゃんと映っているようでした。Tankの中の2800人、外周を取り囲み、外から応援しているほぼ同数の人たち、そしてチケットを得られなかった大多数のファンの皆さん。行きたくてもかなわなかったたくさんの人たちが、パソコンの向こうで、携帯を握り締めてライブのレポが落ちる時間を心待ちにしていることを、ちゃんと知っているようでした。
 そんな多くのファンに、とりあえずこの日のライブの中身のことを話してあげてほしいと思ったのではないかと。そのための3時間。3時間の間だけは、「ライブの余韻に浸る時間」にしたかったのではないかと。いきなり追加公演のこと一色になって、他のレポが流れてしまうのを、避けたかったのでは?という解釈をしました。そうかもしれないし、違うかもしれませんが、とりあえず納得はしましたよ。
 上の話はわたしの推測に過ぎませんが、事実だけを書けば、少なくとも、「オーラスにいた人たち、そしてTank周辺で見守っていた人たちだけの特権として、追加公演についてこっそり教えてあげる。」というような、イヤな雰囲気で秘密にされたという感じは皆無でしたので、そこのところは誤解のないようにはっきり書いておこうと思います。
 彼はよくも悪くもインターネットの影響というものを痛感していて、せっかくのオーラスの夜に哀しい展開になることを真面目にとっても懸念してたのだと思います。
 わたしが知っている限りでは、そのあと、彼との「約束」を健気に守っている方が多くて、追加公演に触れずにオーラスの雰囲気を伝えていらした方がたくさんいて、それはそれで、とっても微笑ましくて素敵な光景でした。追加公演決定辺りのやりとりは、ちらりとはワイドショーで流れたので、ご存知の方も多いことと思いますが、この辺のやりとりが、特典映像でもいいから、流れるといいなあと思います。
 それからもうひとつ、地方公演や、海を渡ることについても、ちゃんと継続して動いているようです。追加が決まったのは、今年は、この辺りしかスケジュールが空いていなかったからとはっきり言っていたし、「夏しかない」というスケジュールで、今から地方のホールを押さえることは不可能だったのでしょう。というわけで、今回は彼だけのために作られたTankという場所だからこそ、成り立つ追加であるらしいです。
 それをやったからといって、「地方は無し」ということではないということを、ちゃんと明言していました。

  • オーラスを見て

 3時間近い公演の間中、ずっと思っていたのは「終ってほしくない。もっと聞いていたい!この音楽と離れたくない!」そんなことばかりでした。多分、つよしさんのファンの中には、ルックスが一番好きな人もいれば、役者している時が一番という人もいれば、アイドルでいてこそという人もいれば、彼のダンスが一番という人もいて、音楽ファンもいることでしょう。こんな七色のファンを持った彼のパーティーに集まった2800人×46回の人たち。
 今回は特にファンに限らず、ご両親を連れて来た方や、ご夫婦、恋人同士、子供たちを連れて来た方、声に興味を持って集まった男の人のグループの皆さん。客層も本当に様々でした。
 こんな様々なカラーの人たちを、音楽ひとつでまとめあげ、一つにしたこのパーティーは本当に素敵でした。しかも、そのパーティーを企画から参加して、真ん中でいつも変わらず扇の要となっていたのが、我らがつよしさん。長く彼を応援しているファンの一人として、彼の人間的、音楽的成長っぷりが本当にまぶしかったです。想像をはるかに超えるいいオトコになってきたものだ!とほれぼれしながら、眺めておりました(笑)
 特にわたしが、元々音楽ファンなので余計にはまったのかもしれませんが、こんなにたくさん通いたくなるライブは多分、小さい頃からずっと触れてきたクラシックも含めて、始めてだったと思います。
 初めは「ケリーの声を生で聞きたい」一心でチケットを取ったこのライブでしたが、途中からは、参加されたミュージシャンの方々にまでいろいろと愛着が沸いて、片っ端から彼らのページを訪ねたり、別の場所での活躍にまで興味が広がって行きました。多分、エンドリから離れても、この方々を目にしたら、これからも応援して行くんだろうなぁくらいの勢いです。そんな一流のミュージシャンの素晴らしい一面をたくさん見ることができて、本当にしあわせでした。
 また、同世代の音楽家の皆さんの活躍を見て、大いに刺激を受けました。音楽により世代を越えて共感しあえること、若い世代と一緒に、同じ目の高さでまだまだ新しい音楽を創造して行けること。なにより音楽とかかわりつつ生きていけることのしあわせ。多分、わたしの今後の仕事にもたくさんいい影響がありそうな予感があります。
 それから忘れてはいけないもうひとつのこと。ここ数ヶ月、わたしの日記が目の前のエンドリのことでいっぱい埋まってしまったことを寂しく思っていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、KinKi Kidsを忘れていたわけでも、どうでもいいと思い始めたわけでもありません。たまたまKinKi Kidsとしてのニュースが少なかったので、エンドリ寄りになってしまったのです。
 わたしはKinKi Kidsのファンでもあるので、つよしさんが今後、エンドリだけで一生食べて行けばいいとまでは、思っていません。アイドルの堂本剛の存在も欠かせないし、ふたり揃ったKinKi Kidsはもちろん大好物です。
 でも一方で、このENDLICHERI☆ENDLICHERIも、大好物になりました。パンも好きだけど、ご飯も好き。ラーメンもいいけど、スパゲッティーもね…というように、1種類だけではなくて、多方面に活躍するKinKi Kidsを応援したいです。
 これには、たとえば光一さんのソロワークも含まれるし、「SHOCK」ももちろんそう。その時々のバランスがたまたまどちらかに振れたとしても、長いスタンスで見ながら、素晴らしいものを生み出そうとがんばっている彼らふたりを応援していきたいなあと、しみじみ思っているこの頃なのです。
 「多分2年に1度の活動だから」なんて念を押しつつ今回8回も通わせてもらいました。家族が文句ひとつ言わず出してくれたので、これだけ行くことができたのです。これが、思いがけず、日も開けず、夏にもう一度となると、次が言い出しにくいのも正直なところです。でも、仕事も家事も、子供たちとの関係もなるべく一生懸命力を尽くして、もし行けるものならば、回数はぐっと減ってもやっぱり見届けられたらいいなあと思います。それだけ魅力的なライブでしたし、次に行ったら、たとえセットリストが同じだったとしても、また別物になっていることでしょう。その日のライブ感を重視したつくりだからこそ、麻薬のように何度も見てみたくなったし、あの場所で体感したいと思ったのだと思います。
 つらつらと長くなりました。レポを書こうと重い腰を上げるまで、ここ1週間、実は、スコ〜ン!とライブのことを忘れて現実と闘って(笑)おりました。多分すっかり満足しきって、充足していたからだと思います。次も控えていますしね。ただ、そんなわたしですが、本気で楽しんで駆け抜けた日々を思い出す作業を改めて始めてみると、出てくる出てくる!心の片隅に仕舞いこんであった、山のような感情の束たち(笑)
 日頃はあんまり感情を表に出しすぎる文章は書かないように努めてきましたが、今日はちょっと感情過多な文章になりました。最後までおつきあいくださった皆さんに心からの感謝をこめて。ありがとうございました。