ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 思いがけない親友の変貌

 今日は音大時代の親友と銀座でデートして来ました。山野楽器の前で待ち合わせして、楽器店でお互いの生徒のための楽譜を探し、CDコーナーでピアノのCDを物色し、お昼を食べてお茶をして、濃い濃い時間を過ごして来たのです。楽しかったなあ。
 最初の2時間ほどは、久しぶりなのでお互いのレッスンの裏話や、最近弾いたピアノ曲の話など音大卒業生らしい話をして盛り上がりました。特に印象に残ったのは「カプスチン」のこと。彼女が最近ある演奏会で聞いてはまったそうなのですが、彼女もわたしも過去にこの作曲家のことを全く知りませんでした。「音大を出たっていうと、なんでも知ってるみたいに思われるけど、知らない曲、知らない作曲家、多いよねえ」なんて言いつつ、しばしカプスチンについて熱く語る彼女の話を聞きCDを探しました。結局取り寄せで手に入らなかったのですが、ジャズっぽくもあり、ステキなんですって。これはいつか聞かなくては。
 ところがです。ご飯を食べ終わって三愛の上の方にある見晴らしのいい茶店に移動してから不意に「レイン、KinKi KidsのファンだってA子に聞いたんだけどさ〜ホント?」と言い出したのでびっくり。「うん、そうね、そうかもね。」なんて最初あいまいに答えたのは彼女が全くクラシック以外の音楽に興味を示さない人だったから。学生時代、オフコースだ、サザンだ聖子ちゃんだとミーハー語りを繰り返していたわたしの話をにこにこしながら聞いてくれたものの、彼女自身はちっとも影響を受けずにわき目もふらずラベルやスクリアビンを聞いていました。
 なので、卒業してから彼女と会う時は、子どもや家庭の話、レッスンの話、本やドラマの話をするのが常でした。わたしはもちろんミーハーな女ですが、一応時と場所をわきまえていたいですからね(笑)所構わず誰彼かまわず、ミーハー話をしたりはしないのです。それなのに、それなのに・・・あっちからわざわざこのたぐいの話を振ってくるとは、いったいどうしたというのでしょう。
 真意を図りかねて戸惑っていると、彼女がせきを切ったように「聞いて聞いて」としゃべり出しました。なんと彼女「w-inds.」のファンになってました。「ええええええ?!何ですって?」これには本当にびっくりです(笑)
 話しっぷりから想像するに、最初彼女は「中2の娘のつきそい」という形で「w-inds.」 のコンサートデビューを果たし、気がついたら武道館のコンサートに連続で行ったり、DVDや雑誌を買いあさったりするようになったんですって。いつの間にか娘よりも熱く熱く応援するようになってしまったらしいです。
 この年になってミーハーしているのは自分だけかと思って苦悩?していたら、「レインも確かKinKi Kidsにどっぷりだったよ!」とわたしたち共通の友に聞いたそうで、確認してみようかな、でも笑われるかなと何度も迷いつつ、話題にできないまま1年近くたっていたんだそうです。そんなことならもっと早く言ってくれればよかったのに(笑)
 そこからは180度話題転換して、思いっきりミーハー語りになりました。待ち受け画面の慶太氏を「かわいいでしょう」と見せられたり、コンサートではじけっぷりを聞くにつけても、信じられないません。あの彼女が武道館で「『慶太〜!!』って何回叫んだかわからない。」んですって。クラシック音楽サラブレットの家系に育ち、おっとりまったり育った彼女がです。まさかそういう一面があるとは全くもって知りませんでした。人生これだから、おもしろい。
 それはそうと、彼女は今もとても熱心に自分のピアノのレッスンに通っています。もともとわたしとは比べ物にならないくらい、小さい頃からそれはそれは熱心にピアノの勉強を重ねているのです。今はショパンのバラードを弾いているそうで、よく見ると手が違います。ずっと引き続けている人のしっかりしたいい手です。
 その彼女がこの間、ショパンノクターンのレッスンを受けているとき、コンサートの直後で余韻に浸りつつ弾いたら、「情愛がとてもこもったステキな演奏ね」と褒められたんですって。「w-inds. を聞いた後で心がきゅんきゅん動いてたから、どうもピアノの表現力にも影響してたみたいなの」と。興味深い話です。わたしにも経験があって、それは数年前、ちょうど「溺愛ロジック」が出た辺りのこと。あのPVに骨抜きになってしまった時期にそれと並行して、わたしはドビッシーの「夢」をレッスンに持って行きました。「この曲を高校生の生徒にも弾かせてるんだけど、やっぱり大人が弾くと全く違うわね、なんだか妙に色っぽいピアノだわ、こんなにロマンチックな曲だったっけ」と言われたことがあるのです。レッスンに向かう往復の間もずっとずっと堂本剛のファーストシングルをエンドレスで聞いていたのでした。「はは〜ん。きっとそのせいだな。」と密かに思った話をしたら、とても共感してくれました。
 音楽ってそういう風に自分の今の気持ちが鏡のように写ったりするところが不思議よね〜と大盛り上がり。これでもどちらかと言うと硬派で真面目な?音大生だったわたしたち・・そんなわたしたちが20年の月日を経て、こんな若いアイドルにうつつを抜かしているなんて、誰が想像したでしょう?!しかも、お互いアイドルの音楽性にも惹かれているのが不思議です。「ジャンルはなんであれ、いい音楽はいい音楽なのよ」なんて熱く語るわたしたち。いえいえ、わたしは当時からミーハーだったから、想像通りとも言えるけど、彼女に限ってはホントに信じられない変貌です。でもとっても生き生きしている彼女をみて、わたしもがんばろうと思いました。自分のレッスンも通わなきゃ・・そこのところもしっかりと刺激を受けて来ました。
 さてさて、実は今日もうひとつ、すごく面白いことがあったのです。この話を始めると長くなりますし、ちょっと実名を出すのはヤバイかもしれない話なので、こっそりこのエントリーの下に後ほどイニシャルトークでアップしたいと思います。ドラマファン及び、KinKi Kidsファン以外の方には何がなにやらさっぱりわからない話かもしれません。ご興味がある方は後ほどスクロールして見てください(笑)