ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 「星に願いを」

 「星に願いを」、もちろん見ました。アネとオトートとみんな揃ってオンタイムでドラマを見るなんて久しぶりです。実は「ドラゴン桜」と「猫の恩返し」と3つ見たいものが重なって、結局「猫」はあきらめました。猫の「バロン」(うちのは犬だけど)をぜひ見たかったので残念ですが、こちらはその気になればレンタルもできるだろうし・・ということで先の楽しみということにしました。
 さて、「星に願いを」ですが、最初にティンカーベルが出て来たところで、「わぁ〜!ホントにディズニーなんだ!」と不思議な気持ちになりました。ダンボやアリスにロビンフッド・・・子供たちとせりふを覚えてしまうほど見たディズニー映画を彷彿させる映像や音楽の中に、つよしさんたちがいる不思議。イソップにグリム童話、日本昔話に、アンデルセン。子供時代を彩るお話はたくさんあれど、ディズニーのポジティブでまっすぐなテイストは、やっぱりなんと言っても王道だと思います。「本当は怖い・・」なんて物心ついてからがっかりさせられることもなさそうです。
 登場人物みんなのキャラクターがわかりやすくて、誰にも悩みがあって、それぞれが不器用だけれどやさしくて一生懸命。こつこつと創りあげること、出来上がったもののすばらしさ。それと引き換えに失ったもの、あきらめざるを得ないもの。小さい子にも主題がわかりやすくて、夏休みの終わりに家族で見るのはぴったりの作品でした。
 前半の穏やかで普通の3人の友達関係もディズニーらしいテイストで好きですが、ぐいぐい引き込まれたのは後半の会社員になったあたりからです。プラネタリウムに没頭していくにつれて孤独を強めていく大平氏の描写に心がぎゅっとしたり、なにがなんでも学会に行きたいと上司に掛け合う場面「ガソリンかけて燃やします。・・けど、完成だけはさせますから」に込められた思いの深さに鬼気迫るものを感じたり。
 最近変にひねりすぎて何が言いたいのかさっぱりというドラマが多いので、こんな風にストレートなテイストは逆にとても新鮮です。藤木さんと優香ちゃんが演じた実在はしていないふたりの人となりも、きちんと存在感があったし、彼らのドラマもきちんと描かれててわたしはとても好きでした。(余談ですが、優香ちゃんがミニーちゃんっぽくかわいかったです。実写でミニーマウスをやるなら、ぜひ彼女に、笑)
 「信じれば夢は必ずかなう」というこのドラマのエッセンスは、我が家の事情ともあいまってとてもとても心に響きました。
 夢と絶望というものは、対極にあるようで、案外背中合わせにあるのではないかと思います。深い絶望と向き合ってこそ新しい夢も生まれ、何度転んでも新しい希望を手繰り寄せることができる自分に気がつく。どんな過酷な状況がやってきたとしても、夢をあきらめない、ひねくれたりよじれたりしない「強さ」が手にできたらと思います。「信じれば夢は必ずかなう」単純な言葉ですが、本当に深いです。
 それにしてもメガスターの星空の美しかったことといったら。これはぜひ実物を見たいです。
 最後のほうで歓声に包まれながら、「I made it all by myself.」「It's my hobby.」と言ったシーン、その照れくささと晴れやかな誇らしさの入り混じった横顔も含めてすごく好きな場面です。
 それと共に一番心に残った場所はというと、多分ここ。星空の描かれたお皿にビー玉がひとつづつ増えてゆく場面です。「子供の頃、初めてプラネタリウムをつくり始めたとき、たったひとつだったビー玉が、時を経てあんなにたくさんになった。」という描写は、「あなたは1人じゃないよ」というメッセージという解釈が正しいのでしょうがもうひとつ。小さなお皿は大平さんの作り上げた星空にも似て、こつこつ一生懸命ひとりで星をふやしていった彼の努力と成果をも象徴しているような気がして、とてもとても好きな場面です。
 役柄を離れたつよしファン的感想・・・にまでは実はまだたどりつけておりません。もちろん彼が出ているドラマだからこそ注目したわけで、きっかけは彼にもらっているわけですが、ドラマを一度見始めてしまうとダメ。ストーリーを追いかけるのに夢中になってしまうのです。
 ストーリーをきちんと追いつつも、「この目はあのときのあの芝居の目だ」とか「この表情がモエだった」とかこまかいところをはずさず見ている人の感想を見ると感心してしまいます。すごいファン魂・・・と(笑)私はというと、そういう友人のモエポインツを読んでから改めて見直して、「ほ〜!なるほど」なんて後々になってやっと気がついたりします。テンポが数拍ずれてます。いずれにせよ、つよしファン的視点でのドラマの感想は「a piacere」の方に後ほどということで。
 ところで・・ここからは余談です。このドラマで「純粋な夢」を現実にしたすばらしい大平氏の姿の余韻に浸りつつ、実は夕べはなんだかあるべきものがない寂しさを感じており・・・なんだろう?と思っていたら「女王の教室」が24時間テレビでなかったのでした。寂しいではありませんか(笑)両極端なこのふたつのドラマですが、どちらも熱烈に見ている不思議さよ。ファンタジーならとことん「いい話や〜」で行ってほしいし、毒ならばいっそ「女王」くらいの方が潔くて好きです。自分でも一貫性がないような感じがしていますが、本能には逆らえない・・・ということで(笑)これぞAB魂・・なのかもね(笑)