ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 奈良旅行記 その2

 前回西大寺で紅葉の始まったばかりのソメイヨシノを見たところまでで終わっていました。
 そうそう、関西の友人は早々に写真を撮り終えて、わたしたちがこぞってソメイヨシノをデジカメやら携帯やらに収めることに夢中になっている後ろにいたのですが「ソメイヨシノに群がる人々…みたいなん撮れそうやなぁ」だったかな!?ボソっと突っ込みが聞こえてきて、な〜んて「らしい」んだろうとうれしくなりました(笑)ああ、ここは関西だ!!
 どさくさにまぎれてとんだ失敗がもうひとつ。わたしたちは決定的な勘違いをしていて、ソメイヨシノの隣にある幼稚園がかの有名な西大寺幼稚園だということを全然把握していなくて、勝手に普通の保育園だと認識して、邪魔しないようにするする〜っと通り過ぎてしまいました。あ〜あ!!(笑)いえいえ、もちろんいいんですけどね(笑)
 さて、この後もどうしても行きたい場所がたくさんあったわたしたちは、まっすぐに愛染堂へ。特別公開中の秘仏愛染明王を見学しました。
 お堂に入ると壁面にJR東海の『うましうるわし奈良』のポスターが貼ってあって、そのコピーにいきなり心を奪われるわたしたち。
 「怒ったような顔して、愛だなんて。」
 その愛染明王さまは、真っ赤な顔をして、髪の毛を怒りの余り?逆立てて怖いお顔で目と口を見開いています。
 他にもこのポスターには興味を惹かれることがたくさん書いてあったので、家に帰ってからネット上で見つけられないかなあと思ったのですが見つけられませんでした。あのポスターは結構古いのでしょうか!?(ご存じの方がいらっしゃいましたら、教えていただきたいです。)
 なぜ、そんなに興味を惹かれたかというと、そのポスターには他にもたくさんの文章があって、それを読めば読むほど「244さん」を連想させられたからです(もちろんなんでもそこへ結び付けずにはいられないファンならではの発想ですので、そこのところはご了承くださいね。決して一般論としてのお話ではありません、笑)
 なんといってもとっても小柄でいらっしゃるのに、その存在感、目力たるやすごいものがあるし、渾身の力をこめて愛を解かれる方なのです。ほらほらほらほら(笑)「I」とか「愛」について語る彼とどこか重なるではありませんか!!
(念のためにもっかい言っておきますが、ファンの戯言なので、たまたまご覧になった方、怒ったりなさらないでくださいね。)
 さて、ショコラ譲とわたしは、小声で「ちょっとこれっ!!」と大興奮。せっかく目の前に本物の秘仏が待っているというのに、ポスターですでに食いつき、引っかかってなかなかたどりつけません(笑)
 やっとポスター前から目を引っぺがして仏様の前に行くと、平日だし、しかも遅い時間だったので、他に見ている人がだれもいなくて、かなり長いことじっくりと見せてもらうことができました。
 ポスターでは実際よりもかなり大きく見える愛染明王さまですが、実物はとっても小柄(34cmだそうです。)でした。本物の愛染明王さまは、ポスターよりもずっとずっと存在感を持って迫ってきて、その眼力(目力)にはドキドキしましたし、迫力満点です。ただ、なんせほの暗くて、お顔の輪郭はぼんやりわかるものの、赤いらしい色がよくわからないのが残念です。
 この仏さまは、「もともと愛を表現した神であるためその身色は真紅」なのだそうですが、長い年月を経ているせいか、ポスターのような真っ赤なお姿ではなくて、ほの暗い中で赤はわずかにしか判別できませんでした。
 そんなことをこっそり思いつつ、穴があくほど眺めていたら、見透かされたかのように、向こうからお寺の方がいらしてくださって、秘密兵器(笑)小さなペンライトでお顔を照らしながらじっくり、懇切丁寧に、時々笑いを交えながら説明してくださいました。
 係りの方がポスターを見ながら「今はフォトショップとかありますから、なんぼでも写真を加工して鮮やかないい色が出せますしね。でも本物はこんなに真っ赤ではないです」なんておっしゃってました(笑)
 ほんのりライトに照らされると、ところどころに赤い色が浮かびあがってきます。最初はポスターみたいにもっともっと全身赤が強かったらしいですが、今は所々に色が残っているのみです。
 同じお顔の仏様が二体並んでいるのはなぜだろう?と思っていたのですが、実は片方(より新しい仏さま)は「お前立ち」と言って、みうらじゅんさんは側近の方と称されていました。特別公開の時以外はこちらの方がついたてのこちら側にいらして、その姿を見せているのだそうです。
 そしてたまたまこの日は、秘仏公開の最中だったので、いつも衝立の後ろに大切に保管されている本物の愛染明王さまも拝むことができたというわけです。 
 秘仏の方の愛染明王さまの方がより赤い色が鮮やかに残っているところを見ると、やっぱりずっと日の光にさらされていると色があせるということなのでしょう。だからこそ、滅多に公開されないのでしょう。この仏様にお会いできたのは本当にラッキーでした。
愛染明王さまのWikipediaによれば

愛染明王は「煩悩と愛欲は人間の本能でありこれを断ずることは出来ない、むしろこの本能そのものを向上心に変換して仏道を歩ませる」とする功徳を持っている。

とあって、この益々この仏さまが大好きになって、心にしみじみと残りました。
 ちなみにこの日見た愛染明王さまがどんなお姿をしていらっしゃるかは、こちらのサイトで見ることができます。
更にサイトを見つけてびっくりしたことに、ちょっと前から仏像マニアの先生としてとっても尊敬しているみうらじゅん氏がまさしく愛染明王と対面していらっしゃる「仏像探訪記西大寺編」の動画を見ることができますので、ご興味がある方はどうぞご欄になっていただければと思います。
 ついでに、JR東海のCM、西大寺編もこのページから動画で見ることができます。とりあえず、まとめてみましたので、よかったら行ってみてください。

追記:さっそくコメントでとっかーたさんが、補足してくださいました。
わたしたちが心を奪われたポスターは、上にあるJR東海のCMへのリンクから入って、スペシャルの中のアドトレイン1のページの左上にあるそうです。

私信ですが、「キャーっ!感動です。ありがとう。とっかーたさん。どうしてももう1度見たかったの。」

 本当は本堂の方が気になったのですが、まだまだスケジュールがたくさんあったので、とりあえず割愛して次のスポットへ。(実は翌日再度リベンジに行くことになるのですけどね、笑)
 そこは西大寺のすぐ目の前のケーキ屋さんです。実は奈良への旅について日記に書いたら、大好きなブログhana*hanaことりさんがこのケーキ屋さんはお勧めですよ!と教えてくださいました。(本当においしかったですよ!ことりさん、ありがとです!)ほぼ同じタイミングで、bonyarihitsujiさんからも「このケーキ屋さんに行きませんか!」というメールがきて、これは運命かも!?(笑)ということで、何がなんでも寄ろうと思っていたのです。
 そこは、西大寺の東門の向かい側にあって、ガトー・ド・ボワという名前のケーキ店さんです。

画像はわたしが食べたケーキですが、ふわっふわな食感ででとってもおいしかったです。なんといっても西大寺の目の前ですから、今後西大寺に行ってみようかなあという方には、休憩を兼ねて寄られることをおススメしたいです(笑)奈良のお寺はどこもとにかく敷地が広くて、半端なくたくさん歩くので、甘いものを補給したらとっても元気が出ましたよ。
 ケーキを食べながらしばし歓談しながら、実はわたしたちは時計と外の明るさをしきりに気にしていました。
 もうひとつ、大切な計画があって、それは日暮れ時に平城宮跡にいたいというもので、うっかりタイミングを逃したら日暮れどころか夜になってしまいます。
 というわけで、この続きはその3に書こうと思います。(なかなか京都の夜が来ません、笑)