ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 2016年6月 奈良旅の記録 その10 天河大弁財天社さん

栃尾観音堂でのひと時があまりにも楽しかったので、宿まで戻ってきてややしばらく、お茶を飲みながら、興奮気味にふたりでずっと話してました。

おばあちゃん、ほんとにいい方だったね。握手してもらえばよかった。なんならハグでも・・・
なんて話とか(笑)

またあのおばあちゃんや、あそこで出会った方々に会いに来たいね〜なんて話とか。
ペンションのおじさんに聞いた話を反芻して、その水害の厳しさを知ったり。
とはいえ、やっぱりのどかで温かな田舎の暮らしに思いを馳せたり。

そうこうしているうちに、のんびりしちゃってて、「ちょっと待って!お参りよ!お参り!」と不意に慌しく動き出すわたしたち。

気がつけば、そろそろ4時になろうという時間になっているではありませんか!!

夕飯は一応遅めの7時にしてもらってますが、それにしてものんびりしすぎ。
そもそも今朝からあちこちで、やさしくされすぎてるから、心が敏感になり過ぎていて、あの時はああだったね!この時はこうだったね!と話し出すと止まらない(笑)

そのたび、一通り反芻しないと話が終わりにならないんですけど(笑)

そもそもわたしたちは何のためにここ、天河大弁財天さんからすぐのところに宿を取ったのよ?

なんて話しながら玄関を出て、靴を履いて駐車場を横切ります。

そうしたらここでさらにまた、とんでもない天川マジックが起きました。

なぜかショコラ嬢もわたしもそろそろ20年になろうというくらい、とってもお世話になってきた人に、たまたま駐車場のところで出くわすというびっくりな出来事が・・・

「会った」と言えるような距離感でもなかったのですが、確かにその方で、こういうこともあるのね〜と本当にびっくり。

この日、神社で特別なご神事があるわけでもなく、村がお祭りの日でもなく、土日ですらない普通の日をたまたま選んでここ天川に来たわけで。

さらに予定通り、先にお参りしていたら、この時間には絶対にここにいなかったはずで。

その日、その時、そこでその人にばったり会う確率はいかばかりだったのか・・・

そう考えると本当にびっくり。
ご縁というものは不思議ね!なんて言い合いつつ。

きっとこういうのも天川の村と天河弁財天の神さまが出会わせてくださったご縁なのかも?

きっとこれはいろんな意味で「初心とか、感謝の気持ち・・・なんてことを思い出しなさい。」という神さまからのメッセージかもね?なんてことを言い合いつつ。

今日、朝宿を出てから、一体いくつ目の不思議だろう?なんて話しつつ。

そして一旦敷地を出て、あらためて正面から鳥居をくぐって、お参りすることに・・・

珍しい人にいきなり遭遇して、動揺したんだかなんなんだか?(笑)今回は意図せず、一番最初の鳥居の画像を撮っておらずで、????と思いながらもお手水の画像から。


オンタイムでツイッターには貼ったのでご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが、この日、この季節はいつになくお花がたくさん咲いていて。

こんなにここが花ざかりの時に来たのははじめてで、とても華やいだ気持ちになりました。

いつも、どこの神社よりも激しい勢いで水を出してくださる龍さん周りが、この日はとてもカラフル。

なんだか龍のお顔までがおだやかに見える?とても喜んでいるようじゃない?なんて思わず笑顔になるわたしたち。


で、小さなたいこ橋を渡りながら下を見たら、小さな金魚がいて、ふたりでしばし、大喜びで眺めてました(笑)


そして二つ目の鳥居をくぐって、いよいよ拝殿へと階段を上ります。


階段の途中で、灯篭に灯りが入っているのを見つけてぱちり。


まだ日が暮れるという時間ではないものの、拝殿もなんとなく夕暮れの気配です。

お参りの際に、毎回美しい音で五十鈴を鳴らしたいと思うのですが、思うように鳴らないのもいつものこと(笑)

あれ、上手に鳴らせる方、いらっしゃるのかしら?

そしてなぜか衝動的に5円玉をお賽銭にしてしまい、その後もずっと、後々まで後悔していた、小っちゃいわたし(笑)

ここでひと呼吸して、ゆっくりと手を合わせます。

ここの神職のみなさまは、とても静かに、きっちりと昔ながらのやり方を守ってお勤めされているように見えるのですが、わたしたちのような、一般人もここにくると思わず背筋が伸びるような気がします。

特に特定の神さまを信じているわけではないわたしのような者でも、思わず神さまに日ごろの感謝を伝えたくなります。

いつもお守りくださってありがとうございます・・・というようなことをお祈りしてきました。

この日はなにか、撮影が行われたみたいで、能楽堂にも灯りが灯っていて、とても美しかったです。

淡い光に照らされて、赤がとても映えていました。


お参りを終えて階段を降りてからふと見ると、灯りが灯った灯篭が整列しているように見えて、この景色もとても美しかったです。


灯りの入った灯篭はこんな感じでしたよ。

一通りお参りしてから、社務所の方へ周り、この日のご朱印をいただき、いつもとっても気さくな、わりと年配の神社の巫女の方とちょっとだけ世間話したりなんかして。

おもしろいことをおっしゃって、わたしたちをからかったりされて、他の神社の方々も一緒になってくすくすと笑い・・・

ああ、なんて楽しいひと時。夕暮れ時のこのまんま、しばし時が止まればいいのになぁ〜


そして、久しぶりに「諸芸上達守」をいただいてきました。
ここのところ、体調がイマイチであんまり練習ができていなかったのですが、そろそろ治ってきたし、心を入れ替えてまたリスタート!(いつも言ってる気がするけど、笑)

そしてお参りを済ませたあとは、いつもの坪内の大銀杏のところにご挨拶に行きました。


この季節、緑が濃くて本当に美しいです。
この銀杏の木も必ずご挨拶がしたくなる大樹ですが、空海さんお手植えとされているのですよね。

我が家には、ここで拾った銀杏(ぎんなん)を植えた鉢があるのですが、2年の時を経てずいぶん大きくなりました。

葉っぱの数もすでに10枚を越えましたよ。

ここにいらっしゃるこの大木の赤ちゃんなんだなぁと思うとなんだかとても感慨深いです。

その後わたしたちは、神社の敷地の中にある、ゆったりと座っていられるベンチに腰掛けて、夕暮れ時の空気や山の息遣い、気配のようなものを静かに楽しんでおりました。

夕方なので人もほとんどおらず、本当に贅沢な時間です。

時々ぽつりぽつりとここにご縁がある某お方の話をしてみたり(笑)
ライブの思い出話に花が咲いたり。
まだこの時は興奮冷めやらぬ、MISIAさんと歌った「I've found〜」と「街」の話になって、うっとりと思い出しつつ、この天川の景色の中で聴くのもよさそうね〜なんて話をしたり。

雨は完全に上がってますが、たなびく霧が生き物みたいに広がったり狭まったり。
つばめたちが巣から出たり入ったり。

そういうのを見ているのも本当に楽しい時間でありました。

そうこうしているうちに、大音量で村内放送が!!
「夕焼けこやけ」のメロディーが流れ、それが町の「おうちに帰りましょう」のアナウンスで・・・

「ああ、今このとき、この音を村の人も旅人も、みんなみんな同じように聴いているのね〜」なんてセンチになってみたり。

鳥の声、風の音、空気の匂い・・・いろいろなものを思い出袋に詰めて帰りたいなんて思いつつ。

そしてため息!ため息!ため息!

そうこうしているうちに30分があっという間に過ぎて、多分2回目が5時ジャストだと思うのですが、今度は「ふるさと」のメロディーも流れ、割れた音の、お世辞にもいい音とは言えない「ふるさと」なのに、心のふるさととも言えそうなこの地で「ふるさと」を聴けるしあわせを思いましたよ。

この天川村の、天河神社の夕暮れの景色や、この時に抱いた気持ちは、これからも一生忘れることがないと思います。


さて。

ちょっと蛇足ですけど、なんですかこれは?という「謎」の画像をあえてアップしておきます。

これはなんだと思いますか?

宇宙人のかまど?
異世界への入り口?
ここに座る目印?

いやいやいや(笑)

翌日巫女さんにうかがったら「ここでお護摩を炊いたりするんです。」と教えてくださいました。

ちなみにこれは、拝殿の方ではなくて、わたしたちが座っていたベンチの正面あたり、わりと社務所寄りの場所にあって、ここにあるのはなんだか「意外だね〜」なんて言い合いました。

さっ!ごはんごはん!

急に現実的なるわたしたち。
幸いなことに、宿は目の前です(笑)