ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 2017年、春の奈良旅日記 その4  それは洞川の杉玉からはじまった!

いつもたくさんの反響をありがとうございます。

拍手もスターも、個人的にいただいた感想メールもありがたく拝見しています。

y.s.さま。いつも拍手コメント本当にありがとうございます。

みなさまに心からの感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。


以前からオットが杉玉を欲しがっていました。

昨年の秋に来た時に、天川川合近くのふれあい直売所(おみやげ屋さん)の「てん」さんで、とうとう「買うか?」という流れが来たのですが。

その時にネックになったのがセットで売っている屋根問題。

丸い玉の部分だけなら、新幹線でも持ち帰れそうですが、重さというよりも屋根部分がかさばるので、持ち帰るのをあきらめた経緯があります。


さて。

今回、前日洞川温泉街に足を踏み入れた瞬間、以前には確かなかったぞ?という杉玉がぶらさげてあるお店を発見しました。

もちろんとても食いついたわたしたちは、屋根を外して売ってもらえないかどうか聞いてみる?なんて話しながら通り過ぎました。

二日目の午後は、まずそこへ行ってみようということになって、ふらふら〜っと歩いてまずはお店に行ってみました。



杉玉は「てん」さんで売っていたのと同じもののようでしたが、わたしたちが見たものよりも、一回り小さいものも置いてあって。

大きい方が5000円。やや小ぶりの方が3000円でした。


あーでもない、こーでもない言いながら、夫婦で見ていたら、お店の奥さんがその声を拾っていろいろとご親切に教えてくださいました。

洞川で売っている杉玉は、一人の方が、ひとつひとつていねいに手作りしてらっしゃること。

作者の方は、70代くらいの地元の方だと伺ったと思うのですが、やっぱりどれも屋根とセットで売っていること。


外してみて、重さはさほどではないことなども確認させてくださり。

いろいろとお伺いしました。


小さい方(ドッチボールくらいの大きさです。)なら決して重くはないし、持ち帰れるかなぁ?ダメかなぁ?

そういえば午前中に歩いてきた途中に宅急便屋さんがあったよね?なんて話をしていたら・・・


「あら、うちからでも送れますよ。」と奥さん。

「これは買わない手はないよね!!」「よし、買うぞ!!」

あっさりと購入決定です。


そうして我が家にやってきたのが『これ』。

毎日惚れぼれと眺めてます。


少し遠目にはこんな感じです。


わたしはこれが届いた時に、こんな風にTwitterでつぶやきました。

週末奈良を旅してました。天川村は、第二の故郷のように思っていて。何か家に居ながらにして天川を感じられるものが欲しいねと話してました。
ついに夫がとても欲しがっていた杉玉を我が家に迎えました。山のいい匂いがします。大自然の懐に抱かれたい時に、ここに来て深呼吸。

本当にとてもいい匂いがします。

山を歩いていた時と同じ匂い。

まるで我が家の守り本尊よろしく、玄関を飾ってくれています。


杉花粉症なので、杉は基本苦手なはずのわたしですが、杉の香りは大好きです。
というか、洞川に行くようになって、小さい頃からこの香りが大好きだったということを徹底的に思い出しています。

これが我が家の玄関にあるしあわせ。


節約モードの我が家なので、ここ数か月はバターひとつ買うのにも、税抜き300円を割るまで待つ(底値は知り尽くしているのでね、笑)…というような暮らしぶりなのですが(笑)

お金では買えない我が家的に大事なよりどころにもなりうる、いい買い物だったなぁととても満足しています。


さて。


この杉玉をいざ送っていただくという話になったとき「送料はいくらか、ちょっと主人に聞いてみますね!」と奥さんがおっしゃって。

出て来られた方がいらっしゃいました。


オットと同世代くらいのとっても気さくな男性で、送料の話のついでに、同じ方が作られたしゃもじなどをいろいろと紹介してくださって。

確か250円だったと思うのですが、そのしゃもじもひとつずつていねいに木を削って作られているそうで。

全部形が違うそうだし、いつか手に入れたいなぁ。

そんな素敵なしゃもじなんだ!と思いながら話を伺いつつ。


あれれ?

気のせいかなぁ?どこかでこの方にお会いした?と不思議に思っておりました。


ここのお店の方々もまた、どこでもお会いする天川の方々らしい、とてもサービス精神が旺盛な誠実な方々で。

わたしもかくありたい・・・なんて思いつつ。


その方のお顔を眺めているうちに、やっぱりどこかで絶対に見知ったお顔な気がする・・・と思ったところで・・・


不意にオットが見つけたのが、ショーケースに貼られた「TU FUNK」のロゴだったのです!!


「レイン、これ見て!!」

「えっ?なんで?どゆこと?」

もしかしてお店の方、ファンなのかな?と小さく夫婦で言い合っていたら・・・


ご本人がにこにこと「そうなんですよ!!」と拾ってくださって。


その瞬間思い出したのです!

前にお会いしたことある!!

多分、初めて大阪の友人に天川まで連れてきていただいた時。
(なぜか日記に書いてなくて、記憶がちゃんと辿れなかったのですが、多分2011年じゃないかな?スゴイ!6年も前だ!!)


友人たちと五代松の鍾乳洞へ向かうトロッコに乗った時、トロッコの管理をされていた方じゃないかな?


ということは・・・


で。


思わず「テレビに出られた方ですよね〜」と言ってしまったわけです。


そもそもが、ものすごく恥ずかしがりやなので、普段そんなことを人に聞いたりすること自体がありえなかったわけですが・・・


もっと言うと、特に夫と一緒にいて、ファンだということを外で言うことなんてアリエナイのに、この時はあまりにびっくりして、思わず言葉が口をついて出てしまったのでした(笑)


で、相手の方はにこにこしながら

「そうです!!そうなんです!!」

「向かいのスタンドをやってるんですけど、実は『24CH△NNEL』に出たのはわたしなんですよ!!」

と、おっしゃるではありませんか!!


だからお顔にも見覚えがあったんだなぁと、その時初めて納得したのでした。



とはいえ。


とはいえですよ。


ここで一人きりだったら我に返って「そうですか・・・」となるべく話を広げずに。

ドキドキしつつも「後で宿に帰ってから、ひとりでこのしあわせを反芻しよう!!」と。

そこで話は終わっていたと思うのですが(笑)


となりにいたオットが黙っていようはずもなく(恥)

「こいつも負けず劣らずつよしくんの大ファンなんですよ〜!!」

とまさかの『勝手にカミングアウト!!』


おー!まいごーっ!!やめて!! 恥ずかしい。
(いえいえ、ファンであることが恥ずかしいのではありませんからね!念のため。)


そんな妻の心配をよそに、オットはその方と普通に談笑しているし。


わたしは冷静を装って、奥さんと一緒に精算&宅急便手配の住所を書き書き。

会計も終わり「よろしくお願いします!」と振り返ったら、なぜか男性二人がものすご〜く意気投合していて・・・


その後、スタンドの事務所に招かれて、お茶を呼ばれる話になっていました!!



ええーーーっ!?です。

なんという展開でありましょう!!


いえいえ。

ここ天川では、しばしばこういうことが起こります。

「お茶飲んでいけば?」とおっしゃる方に出逢ったことも初めてではないし。

普通に招き入れてくださる方の多いこと。


こんな風に初対面の人と人とが、身構えることなくお茶を飲み談笑できるのだということを、久しぶりに思い出しました。

昭和の頃はもっとこういうのが頻繁にあった気がします。


親切に「これ食べてみて!」とおみやげ屋さんで、おいしいものを勧めてくださるおばあちゃん。


喫茶店から出てややしばらく、店主さんがわざわざ追いかけて来てくださって

「このパンを持って川に行って、魚にあげたらいっぱい寄ってくるから。ぜひぜひ行ってごらんなさい。」

な〜んておっしゃってくださったこともありましたっけ。


通りすがりにここ何だろう?と「母公堂」をのぞいていたら、「コーヒー淹れるから、ちょっと入っていらっしゃい。」と招き入れてくださり

役行者のおかあさまのお話を伺いながらお茶をいただいたのも記憶に新しいところです。


こんなところがとても素敵な村で。


忘れかけていた人らしさのようなものを、いつも思い出させてもらいます。

この天川の人々みんなに共通するサービス精神は、本当に尊いなぁと思います。


誰にでも分け隔てなくやさしくて、聞かれたら誠実に答えたくて。

だからどうしてもひとつ聞くと話が長くなるし、そこまでしなくても全然いいのに・・・というくらいに一生懸命に答えてくださって。


ほら。

だれかさんとも似てませんか!?


だからこそ、つよしさんも天川にはまったのだろうし、つよしイズムを愛するわたしたちファンもまた、天川にはまっていくのだなぁと思ったり。


それは本当に誰に対してもそうで、打算とかなくて。

この方に限らず、天川ではそんな方に出逢ってばかりなのだけれど。

なんだか昨今、いろいろと疑い深くなっている自分を恥じる気持ちになったし。


何回かすっぽかされたくらいでなんだ!もっとちゃんと生徒@幼稚園の先生を見てあげなければ!とかね(笑)

もっと一人一人をちゃんと見て、ていねいなレッスンをしようとか。

自治会ごとも、もっと親身に取り組もう・・・とかね(笑)

いろいろと反省点が浮かんでみたり。

ここのところ、うちのピアノの生徒たちとも、もっと漠然とした『人との距離感』というものに微妙に悩んでいたのですが。

この方にお会いしたり、天川の村の方々と話をして、気がつけばいろいろ吹っ切れたような気がしました。



この日お会いしたこの方は、つよしさんのファンだということも公言されているから、若いファンの方々が訪ねて来られたりすることも多いのですって。


たとえば、そんな若い方たちにのために、年長の者として、何が言ってあげられるか・・・とか。

たくさんの村の役職にも就いているから、地元の小学生に、村の諸先輩方が苦労して培ってきたもの、作ってきた歴史をどうやって話してあげれば伝わるのか?とか。

そういうことを常に考えているとおっしゃってました。



それはまさしくピアノの先生としてのわたしが、この年になって、このところわりと頻繁に考えていることでもあって。

ふぇるまーたの存在意義にも関わる話とも、どこか共通していると思ったり。

いろいろなことを考えさせていただくきっかけにもなって。


本当にいろんな意味で、この日のことは、ちょっと大げさに言えば、わたしの人生にとっても大事な邂逅となりました。



コーヒーをいただきながら、杉玉の話から始まって、オットとは山話、大峯の歴史の話で盛り上がり。

大峯山寺の話やら、龍泉寺の話やら、梵字の話などを聞かせていただいて、目をキラキラと輝かせて楽しそうでした。

わたしはわたしで、この日、この大好きな場所で、同じ人のファンの方と、ファントークができるしあわせを噛みしめておりました。


わたしも元々はわりと垣根がない方なので、年齢性別問わず、ファン語りをする機会があれば喜んでと思っているのですが・・・

今まで出逢った方々の中には、年齢も性別もいろいろな方がいらっしゃいましたが。

人生の先輩の男性ファンの方とお話をする機会に恵まれたのははじめて。


倍近く年が下のアーチストのどんなところに惹かれたんだろう?とか。

いろいろと興味深く思っていたのが。

「ああ、一緒だ!!」と共感することだらけだったり。

年齢を重ね、社会人としても大先輩の同性からみても、つよしさんって本当に魅力的なんだなぁと。

ファンとしてはとても嬉しく、とても誇らしく思ったりもしました。



スタンドの事務所には、わたしも持っている小喜利のステッカーとか、さんかくくんのシールとか、グッズ類もたくさん普通に飾ってあって。

なつかしいグッズたちとの再会も、心強い同担の方の圧倒的な熱量にも・・・なんだかとっても感動していました。


ちなみに「赤いSinger」が好き。「縁を結いて」が好き。「Nijiのうた」が好きとおっしゃってて。


「わたしも大好きな曲たちです!!」

「これらの歌はとりわけ深いですよね〜」なんて。


そんな話も普通にできて、とても盛り上がりました。


そもそもここにはよく来るの?という話から。

わたしたちがこんなに天川を好きになるきっかけの話になったりもして。


わたしが最初はつよしさんに導かれるように天川に来て。

その後、オットも連れてきたら、彼もこの山の村の素晴らしさのとりこになって。

今ではつよしさんを抜きにしても天川に夢中で。

彼は神社やお寺さんも好きになって、それらについて勉強するのも趣味になって・・・なんて話とか。そんな話もしつつ。



なんせオットが一緒だし、あんまりつよしさんに偏ったトークを押しつけるのもこの方に失礼かもだし、なにか違う気がして、話題を逸らそうとしたりも試みたのですが(笑)

当のご本人は、そんなことはゆめゆめ思ってらっしゃらないようで。

どうみても考えすぎなのはわたしの方でした。


気がつけばわたしのヘンな警戒心も次第にほどけ(笑)

つよしさんって本当に素敵な人ですよね〜みたいな話が続き。


あたりまえですが、わたしがオットの前では普段しないようなファントークにオットが参加している不思議(笑)


しかもです。

妻ではなくて、同世代の男性が言う言葉には、説得力を感じたのか。

照れてなかなかすいすい話せない妻に代わり、意外にもオットがいろいろな話に食いついたり広げたり、とてもいい聞き手になってくれて。

結果的に、とても話がはずんでありがたかったです。


そればかりかオットは、自分も天河辨財天に行く折は、やっぱり山を見ながら「縁を結いて」が聴きたくなる!な〜んてことまで言っていて、びっくり。

そうだったのか!!

いろいろと発見もありました(笑)


もちろんつよしさん話ばかりをしていたわけでもなく。


大峯山に2mも雪が積もった時のお話とか。

そんな時にでも山に登っていくというお話。

やっぱり山は怖いという話とか。


大峯山寺の昭和の大改修の時のこと。


毎月、どんなに雨風が強くても、必ずお不動さんにお参りに行ってらっしゃるという、素敵なお話。

お不動さんのように困っている人々を助けたいという、この方のとても素敵な純粋な気持ちに感動したり。


龍泉寺の火祭りで、毎年煙を撮っていたら、ついに龍に見える写真が撮れたとおっしゃってて。

玄関に掛けられている、そのお写真を見せていただいたりもしました。

ほんとに龍にしか見えなくて、スゴイです!!とオットとふたり感動して、龍泉寺に飾ったらいいのに・・・と言ったら。

「実はすでに飾ってあるんです!!」というお話も。


そんなこんな、気がつけば2時間半くらい経っていて。

「また天川に来たら、寄ってくださいね!」なんて言っていただいて。

この日の午後は、とりわけとても思い出深いものとなりました。


たまたま通りすがって買い物をしただけのわたしたちを、招き入れてくださったお店のご主人には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。


買わせていただいた杉玉を見るたびに、この方のことや、この時のやりとりの数々も思い出して

夫婦で「あんな話したね〜」「こんなことおっしゃってたね〜」と会話するのも楽しくて。


どこか遠く遠く、天川へ・・・さらに辿っていくとつよしさんにもつながってるんじゃ?という素敵な杉玉なのでありました。

(いやいや、つながってませんから〜、笑)


蛇足ですが・・・


これらのお話を伺いながら、オットと後で言い合ったのですが・・・

ここは本当に素晴らしい村だね。

天川村のイメージと重なる場所はどこだろう?

な〜んて話で盛り上がり。


わたしが思い出したのは、かつて何度か行ったことがある『バリ島』でした。


どこにでも神はいて、さまざまな神さまが、万物に宿っているような印象があって。

村人が、日々、捧げ物をしたり、朝に夕に、祈りの文化が息づいているところ。

日々の生活の中に神さまがいらして、自然と共にあって、自然への畏怖や感謝の文化が息づいていること。


オットはわたしよりもずっとバリに何度も行っているので、ねえ、ここってバリにどこか似てない?と聞いたら。

確かに!確かに!と言ってました。


オットはサーファーだったこともあり、若い頃は断然海派だったのに、今ではこんなに足繁く山を訪れています。

そんなこともなんだか不思議でおもしろいなぁと思います。


最もバリにもウブドゥーとか山の地域もあって。

イメージ的にはドンピシャかもね〜なんて話したり。

今度行ったら、その辺りもっと検証してみようなんて(笑)


帰ってきたばかりなのに、もう「次に行く時は!!」なんて話しているわたしたち。


どうぞまた行く機会に恵まれますように。