ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

  前の日記の追伸的…レッスン日記

今週はどうも学校の宿題に祟られてます(笑)
今日レッスンに来た3年生の子は明らかに最初から不機嫌。
むずかしい顔でまったくやる気がなくて、表情がない!!
うへーっ!!困ったなぁ。
ついでに「ああねむい!」を連発するので、そろそろ雷を落とそうか…と思っていたら…「思い出せなくてもうイヤだ!!」とひとこと。
「何が?」と聞いてしまったのが運のツキ。
「あのね。醤油工場のね、社会科見学のね、新聞を作らなくっちゃならないんだけど、忘れちゃったの。全然思い出せないの。もう思い出せる気がしない…」
「社会科見学っていつだったの?」
「きのう。」あらまあ。
「きのうのことが今日思い出せないんだから、明日もあさっても思い出せるはずがないよ。もうダメだ。おわった」
そしておし黙る。目が三角。不機嫌の極致。
いつもはすごい表情豊かなピアノを弾くのに、2曲目はもっと無表情に。
でも難なく弾きこなして○はあげたけど納得できず。本人もちっともうれしそうじゃない。心ここにあらず。本気で困ったぞ!
で、水を向けてみました。
「しょうゆ工場ってあの、タンクがある○○だよね!?」
「うん。」(不審げ)
「しょうゆ工場って独特のにおいしない?」「どんな成分が入ってるのかしら?」
何気なく言ったら、急に瞳が輝いて「そうだ!成分!それだ!書こうと思ってたこと!」って。
すごいです。わたし。まぐれで彼女が思い出せなかったワードを思い出させたぞ!(笑)
で、忘れちゃうからどっかに書いとけば?と言ったわけです。
そしたら「このシールの裏に文書いてもいい?」とAちゃん。
「成分」と書くだけかと思いきや…
丸いタンクの絵をふたつ描いて〜
1.しょうゆう(「う」は本人が入れたの。途中で間違ってるよ…と言ったら目を細めて消しゴムでごしごし、笑)工場には大きなタンクがあります。
2.しょうゆうの「成分」。しょうゆうにはだいずが入っています。
3.しょうゆうの役割。お料理。
4.感想。
おっと。まさかここで宿題をやる?(笑)
さっきまで眠たいとか言ってたのがウソみたい。急にしゃきしゃき書いてる。
で、黙ってシールの裏に文章をいっぱい書き始めたので、必然的にレッスンはストップ!
あ〜あ。でもまっいっか。次のレッスンは8時からだし…
いずれにしても、ものすごく集中力の高い子なんだなあと思います。ひとつが気になり始めたら他が頭に入らない。
実際ひとしきり書き終わったら急にピアノに向かい、「先生、行くよ!」とAちゃん。あのーっ。待ってたのはわたしなんですけ(笑)
そして何事もなかったようにデュベルノアの美しいエチュードを弾き始めるではありませんか!!
さらに1曲目に弾いたあのボロボロだったドソミソドラファラのやつ、もう一回弾こうかな!と、突然元気になるAちゃん。
そしてレッスン時間は20分推し。。
う〜ん、仕方ない。
きのうのモカちゃんといい今日のAちゃんといい、宿題が終わらなくて、そのテンションで上の空でやってきた生徒二連発(笑)
結局ピアノを弾いてた時間とその他の時間が同じくらいというへんてこな感じになっちゃったけど。
どちらもある意味吐き出して気が済んだら集中できたし、遠回りはしても笑顔になったし。
2年くらい前のひっきりなしで生徒が来ている時代には、こんな遠回りは絶対にできなかったこと。
次の生徒が来る時間が近くなったらわたし自身がイライラしてきて、多分てきとーなことを言って早々に切り上げようとしただろうと思います。
でも今は生徒が少ないからこそ贅沢に時間も作れるし、わたしにもちょっと余裕がある。
ほんとはこのくらいだといいんだろうけど。
ああ、こういうことに余裕を持ってつきあってあげられるのが、旧き良き日本の時代には、年かさの同居家族の役割だったのかな?とか…そんなことまで考えてしまった。
今はみんな忙しくて、のんびり話しを聞くとか、ゆっくり待つとか…なかなかできないからなあ。わたしも含めて。
もちろん余分にやってもお金にはならないけど、学校の先生でもおかあさんでも近所のおばちゃんでもないオトナと、週30分とはいえ、1対1で濃密なお付き合いをする経験は大人のわたしにとっても、子どもの彼女たちにとってもお互いにとって貴重だと思うし。
彼女たちを知ることが、明日のピアノの成長のキーワードを知ることにもなると信じて、しばらくは成り行き任せに、できることをやって行けたらと思ってます。
と…ここまで書いていたら、Aちゃんのおかあさまからメール。
「せんせ、すみませ〜ん。シールの裏見て驚きました〜うちの子ったら、先生と一緒に宿題やった!ってしれーっと言うんです。
ほんとお忙しいのにすみません。なんとおわびしていいやら。そしてありがとうございました…申し訳ありません。」ですって。ぷぷぷ。
なので、「宿題だけじゃなくて、そのあとピアノもちゃんと弾きました。ご機嫌が直ってみたら、思いのほかちゃんと弾けていて、宿題全部あがりましたよ。」と返しました。