ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

奈良旅 その10 (6月10日)洞川温泉の宿

この日のお宿は花屋徳兵衛さん。

洞川温泉(どろがわ温泉)街の表通りの一角にあります。
いっぱい写真を撮った川から橋を渡るとすぐのところにありますが、桜の季節を外した平日の宿泊だったので、温泉街はとても静かでした。
チェックインを済ませて部屋へ案内していただく道すがら、わたしたち夫婦が大好きなノラジョーンズの音楽がかかっている談話室の前を通りました。
ジャズがかかっているというのがこのお宿の特徴の一つ・・・とどこかに書いてあったのですが、この町やこの宿のレトロな雰囲気とジャズが不思議と似合う雰囲気でした。
なんと言っても昼間の活動が過ぎて、夜はすぐに眠くなっちゃったのが非常に残念ですが、元気だったらお宿オススメのハイボールなんか飲みながら、ゆっくりじっくりノラジョーンズの世界に浸りたかったかも。
確か彼女、KinKiさんたちと同い年で、しかもお誕生日がふたりの間だったと記憶しているのですが(なんでも結びつけるな、笑)癒し系の声を聴きながら廊下を歩くのがとてもいい気持ちでした。
廊下と言えば・・・


和紙を張った照明がとても素敵で心を奪われました。

2階の廊下にちょっと座れる場所が作ってあって、紫陽花が。
温泉街に面していて、浴衣を着てうちわを持って夕涼みとかしたい感じ。窓越しに見える提灯がなんだか「千と千尋の神隠し」の舞台を思わせるようなレトロなムード。
あちらは八百万の神がお泊りになる温泉街で、こちらは行者の宿が点在する温泉街ですが、神さまが近いという意味でもなんとなく共通点を感じるし、個人的な妄想(多分ここ最近わたしと会ったつよし友達にとっては耳たこのアノ話、笑)とばっちりリンクし始めて、Another Orionを聴きながらお散歩に行きたくてうずうず(笑)
なにそれ?と言うアナタ。ちょっと待って。その話は旅行話の途中ですが、つぎの日記にカットインしちゃお。
わたしたちが入ったお部屋は、こざっぱりとした清潔な和室で、とても居心地がよかったです。


斜面に建っているのか、表側と裏側の高さが違っていて、確か2階からさらに階段を上がってお部屋に入ったのに、裏側はこんな風に木や緑が間近にあります。
ガラガラと裏側の窓を開けて外に出てみると、外気はひんやりしてとても静か。
天井近く、トンボや小川など、和な形に切り抜かれたところから薄く和らいだ日差しが入ってきて、ああ、こんな光景知ってる・・・借り上げ社宅のおとなり、確か茅葺きの大家さんちにこういうのあった気がする!と思いました。日本建築って素敵だなぁ。
6歳くらいの記憶が不意に蘇って不思議な気持ちになりました。
そしてしばし休憩した後、オットと一緒に夕食前のお散歩に出かけることにして、デジカメとiPhoneウォークマンを持っていそいそと出発です。
ちなみにここのお宿もどこも清潔でとても居心地がよかったです。
若いひとりの方がずっとお世話してくださって、細やかな気配りをしてくださいました。
吉野の宿でも思ったのですが、いろいろな世代の方々がみんなお客さんたちに自然に細やかな気配りをしながら穏やかに仲良く働いてらして、そういう姿に触れられるのもなんだかとてもhappyでな気がしました。
たとえば翌朝のチェックアウトの際には、その時近くにいらした方がみんな出てきて、車が見えなくなるまで見送ってくださったし、油揚げを預かってもらった時も、お部屋担当の若い方が大切に預かってくださって、いよいよ天川を発つことになって、取りに行ったら遠くからわたしたちの顔を見ただけで宿の冷蔵庫まで走ってくださって、目の前まで行った時にはもう油揚げの袋を持って宿の前に立っていてくださいました。
わたしたちの顔もお客事情もちゃんと覚えてくださってたんだなぁってうれしかったです。