ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 やっぱり人が好きです。

今週はなぜか子どもたちと濃密なトークをしています。
月曜日は生徒のMちゃん(5年生)とAちゃん(2年生)のお宅に寄らせていただきました。
この日はレッスン日ではなかったのですが「水曜日に学年の集会で『たのしいね』の伴奏をすることになったんだけど、転調からあとが全然自信ないの」と言うので「レッスン日じゃないけど15分くらいなら空いてる時間に見てあげる」ということにしたのです。
本来なら来てもらうことが前提なのですが、この日は子どもが出歩く時間じゃなくなっちゃったので初めてお宅にお邪魔しました。
突撃レッスーン!!(大山さんのドラえもん風に読んでくださいね、笑)
もう6時半も過ぎていたので、早くしないとオットが帰ってきちゃうという状況。炊飯器のスイッチをオンして、しょうが焼きのお肉に下味をつけてる間に…と思ったわけですが、一緒に練習したあとに、何やら妹もピアノのお部屋に待機していて、お絵かきをしながらもちらちらこっちを伺っていたので(笑)きっとそうだろうなぁと思っていたらやっぱりそうで、お話する気満々(笑)
ちびっこのAちゃんが「あたしがせんせーにアイスコーヒー持ってってもい〜い?」と言っているのが聞こえ、お茶とお菓子のお盆をそろりそろりと運んできてくれました。
自分の小さい頃、先生がいらした時もこんな感じだったなぁなんて思い出しつつ、ちょっとだけおかあさまと姉妹とお話をさせてもらったのですが、なんだかおもしろかったです。
いつもと違う雰囲気の中でするお話。子どもたちの進度について聞きたいおかあさまと、自分の話を聞いてないフリをしつつ、全身耳にして聞いている子どもたち(笑)
妹のAちゃんは、最初、おかあさんもおねえちゃんもレッスン室に先生とふたりでいられないだろうと思っていたくらい人見知りで、どうなることかと思ったけど、全然平気で誰よりもおねえちゃんのMちゃんが驚き、最初自分だけの先生だったのに、妹においしいところを持っていかれたように感じたという話とか(笑)
Mちゃんが家でAちゃんの練習に口を出して喧嘩になるので困っているという話とか(かわいい、笑)
Mちゃんは実はものすごく負けず嫌いで、先生の前ではオトナな態度かもしれないけど、弾けないと悔しくてすぐ泣くんです…という話とか。
そんな話をばらされて怒ってたMちゃんだったけど「わたしもそうだった!そういう子はうまくなるのよ」(あとから考えれば一緒にものすご〜く自分をも持ちあげた発言だった。恥ずかしい、笑)と言ったらまんざらでもなかった話とか(笑)
最後には、飼っている陸ガメを見せたいから来て〜、この間のキッザニアの写真も見て〜七五三の写真はこっち〜。この間教室の後ろに貼られたお習字見て〜、負けじとギャラリーに貼られた絵持ってきて〜ママ〜!と「大見せたい大会」になって、家族3人で玄関までお見送りしてもらって終了しました(笑)
これが月曜日。
水曜日と木曜日は、なぜか生徒たちの話が止まらず、久々にうぜーよ姫を家まで送っていきました。
もう中1だから全然ひとりで帰れるのですが、友達とうまくいってないトーク全開。話が終わらなくて家の前までついていきました。
まおがね、ゆりながね、れおながね…と次々名前が出てきて、「あれ?まほはどうしたの?名前出て来ないじゃない」と言ったら、「先生鋭い、まほと喧嘩しちゃったの」と彼女。
「あーでこーでそーで。それってわたしのせい?わたしがいけないと思う?ねえ、先生。」と畳みかけるようにうぜーよちゃん。
それを見ていたおかあさまが、わたしより先生の方がうぜーよの人間関係把握してますよね!と。おほほ、そうかしらん(笑)ちょっとだけ鼻高々〜っ!
彼女は今ソナチネ1の真ん中あたりをやってますが、クラスにはコンクールにバンバン出ちゃって入賞を繰り返す子もいるんですって。
「ねえ、わたしは恐ろしく遅い方?」とおそるおそる聞くので、「全然だよ!その子が多分極端に早い方。わたしもスロースターターだったんだけどね、ほら、先生になってるし。」と正直なところを話しました。
「わたしが持ってて他の子ほとんどになかった一番の才能は…多分何があってもやめなかったことだったと思ってるのよ。すごく熱心だった子も、途中ガス欠になってずいぶんやめてったしね。」なんて話を(笑)
そのうぜーよ姫がわざわざピアノのためだけにつけてくるバングルに嵐の松本くんの名前が刻まれてることにちょっと前から気付いてます。このコもお年頃なんだなぁと不思議な気持ちで眺めてます。あの「うぜーよ」を連発していた保育園時代からずいぶん大きくなったこと(笑)
まだまだ爆弾娘の要素も残しつつ、でも彼女はもう「うぜーよ」なんて言いません(笑)
きのうは中3のFちゃんと塾トークをしながらおうちの前まで。
どんなにハードになってもピアノがあるからがんばれる…とうれしいことを言ってくれました。
体育祭の予行のあとだったので、びっくりするほど赤い顔をしていて「まるで酔っ払い」と本人の弁(笑)
「よく効く、肌が荒れない日焼け止め、先生知らない?」とすっかりこちらもお年頃です。
この子が「先生の影響で最近ツェルニーが落ち着くものと思うようになってきた。洗脳された気がする」というのでゲラゲラ。
ここのところわたしはずっと子どもの頃大嫌いだったツェルニーと格闘していて、よ〜く考えてみるとほんとに嫌いだったというよりも、わかってる子は「嫌い」「つまらない」というもんだという先入観を持っているのではないか?と思い始めて、あえて「ツェルニーは譜読みが楽で、音楽的にも読み解きやすいし、ちゃんと型にはまって最後には完結する短編水戸黄門みたいなもんで、楽しいもの」として捉えるということをしてみようと思っているのです。
最初は実験的にそう思いこもうとしていたフシもあるけど、だんだんわたしも生徒もそんな気になってきたみたい(笑)
要は気の持ちようなのかな?
誰かがバイエルやツェルニーはつまらないと言う風潮になれば、なんでもかんでもそうだと思う。
誰かがバスティンだバーナムだと言えば、そっちへだだーっと流れる。
初歩から断然バルトークと言い始めると、それこそがベストみたいな雰囲気になる。
もちろんわたしもそれらも好き。楽しい。新鮮。もっともっと勉強したい。積極的にもとりいれたい。
でも、時間のない部活や受験に必死な子たちにはツェルニーの単純明快さが意外と楽だったりして〜たとえスタートが荒れた心であっても、弾いてるうちにだんだんに落ち着いてくる…そんな要素もあるような…それがなんとなく彼女にはまったみたいです。
こうやってわたしの生徒たちは、今のところいろいろな話をしてくれて、わたしも彼女たちと話をするのが楽しみで…
これからの時代は、親子だけじゃなくて、そこに町の人も加わって、積極的に地域の子どもたちと関わったり、みんなで地域の子どもを育むような意識もあってもいいんじゃないかと思ったり。
いやいやそんなんじゃないな。やっぱり単純に人が好き。
彼女たちとのおだやかな日々が長く続くといいなぁと思うこの頃です。