ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 Mちゃんのこと

夕べ遅くに高校1年生の元生徒、Mちゃんからメールがありました。
「クリスマスの日の昼間、先生、時間があったらわたしたちの高校の吹奏楽部の定期演奏会を見に来てください。どうしても見てほしいんです。」
おぉ、初舞台!!それはやっぱり見に行かなくては!!
彼女は不本意にも第一希望の公立高校の受験に失敗してしまい、今の私立高校に入りました。
ピアノについてはお母さまと「公立高校に合格したら続けてもいい」という約束だったそうですが、合格できなかったので、その時に泣く泣くやめることになりました。
幼稚園の年中さんからずっと週に一度うちに来ていたので、彼女が急にやめることになったのはわたしにとってもとても悲しい出来事でしたが、その家その家にはそれぞれの事情やルールがあるのだし、それは仕方ありません。
彼女は不器用だし、最初、決してピアノが好きでたまらないという生徒ではなかったですが、ものすごく練習するというほどではないにせよ、20分なら20分の練習を毎日続けるのは全然苦じゃないというタイプだったので、「君はダンデライオン〜♪」じゃないですが、遅咲きのタンポポのように、だんだんに音楽を心底楽しみ「趣味はピアノなの。ピアノを弾いている時が一番しあわせ」と公言するほどになっていました。
そんな彼女に「継続は力なり」のお手本を見せてもらったような気がします。わたしも彼女にいい経験をさせてもらったと思っています。
だからといってMちゃんは、音大へ進もうなんて気はさらさらなさそうでしたが、大好きなKARAの曲を自分で楽譜を探してきて次々と弾けるようになったり、悲しいときにバッハを弾いたら元気が出た気がする〜なんて言ったり…うまく育ったなぁと思う生徒のひとりでした。
きっと彼女の一生の中に、音楽がちゃんと根付いたと思います。
これからさまざまな苦しいことがあるたびに、音楽が彼女を守り、励ましてくれるに違いないと思っています。
その彼女が高校に入ってピアノをやめた代わりに吹奏楽部に入り、フルートをはじめたと聞いたのが半年前。メールによれば、なんと彼女の高校は今年、全国大会にも出場できたのだそうです。
もちろん1年生で初心者の彼女はまだまだその大会に自分が出たわけではないですが、それでもチームの一員としてそこにいれたことがとてもうれしいかったとのことでした。よかったね〜
わたしも10年以上も毎週うちに通ってきてくれたことがムダにならず、今日の彼女につながったと思うととてもうれしいです。
そんな彼女の定期演奏会、「ぜひぜひ先生に見てほしい」と言ってもらったので、心して見に行こきたいと思います。