ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 FAMILY その2

(ここを先に見た方は、下の日記から順番にどうぞ!)
日記のタイトルを大文字でFAMILYにしたのは、ジャケットがそうなっていたからです。
1曲だけだと「Family」だけどシングル全体としては全部大文字なのかな?…とか、すっごく細かいところまで気にし、その意味をとことん考えてしまう、マニアなファン(笑)
実は火曜日は3時間も曲をかけっぱなしにしつつ、テレビ誌コレクションを全部並べて、曲別にふたりがどんなことを言っているのか、テキストファイルにまとめてみたりもしました。
超暇人レインここにあり(笑)
最初はほんの遊び心で始めたのですが、だんだんテスト勉強みたいに必死になってきちゃって、最後は意地になっちゃいました。ほとんど引用からできているので日記には貼れませんし単なる自己満足の世界ですが楽しかったです。こんなことして遊んでいるから、時間がいくらあっても足りません。
ざっくりまとめすぎというくらいに軽く感想を書くと、つよしさんは今回はCDのコンセプトを一生懸命説明する宣伝マンに徹してるな…というのと、コウイチさんは思ったよりいっぱい曲作りに関して語っていて、「ここの部分はこういう意図で作った」という裏話がとてもおもしろかったし、どうみても忙しかったのは重々わかるとして、それでも限られた時間の中で、想像以上に合作の製作を楽しんでいるようにも感じました。
さて。発売記念に書く感想というには今回もう聴き過ぎてしまってますが(笑)とりあえずまだフレッシュなうちに、ざっと個人的な感想を書こうと思います。
なんだか書いているうちにわけがわからなくなっちゃった部分もありますが、そこは師走だし(何言ってるんだか、笑)ごめんなさい…ということで。

Family〜ひとつになること
男性デュオでこんなに包容力がある温かみのある歌い方ができる人たちってそんなにいないんじゃないかな?…なんてやさしい声で歌うんだ…最初に思ったのはそんなことでした。
堂本兄弟でのオンエアーも今回はとっても好印象。素直に「いい曲だなぁ」と思いました。
そして今回のこの曲は最近の彼らにしては珍しくユニゾン(ふたりが一緒に歌う部分)パートが多いことに気づきました。何度も日記に書いた気がするのですが、わたしがユニゾンの魅力を実感したのはジャニーズ的楽曲たちに出会ってから。
KinKiさんたちで言うと「青の時代」あたりの曲にユニゾンがとっても印象的だったのですが、今回のユニゾンにはまた別の良さがあります。別々の強い個性が混ざってできた、第3の個性という気がするのですよね。
KinKiのふたりが重なり合うと、あまりにも声が似過ぎて時としてどっちがどっちだかわからないという事も起こりますが、今回はそこまでじゃなくて、ちゃんとふたつの声がそれぞれに聞こえてきます。あえて声の音色を揃え過ぎてはいないような感じがするのです。
この曲の歌声はとてもやわらかいですが、曲に載せて伝えたいメッセージはかなり強くて芯があります。
最近のJ-POPは、話し言葉や携帯で打ったメールのメッセージをそのままメロディーに乗せたようなわかりやすいものが多いので、さらっと聞けるし、万人に共感を得られやすい気がしますが、一方で心を簡単に通り抜けてすぐに忘れられてしまうきらいがあるように思います。
でも、「Family」はそういう現在の流行りのスタイルとは一線を画していて、もう一歩聴き手の方へ踏み込んで来る気がします。
3曲全部に共通して、今の世界や人の心についてとても多面的にあちこちから光を当てて表現されていると思うのですが、CDを何度も何度も聞いた後に、サキドリでPVの一部を見てみて、すごく深いし訴えてくるものがある奥の深い歌だなぁとしみじみ思いました。
KinKi Kids、ふたりが出てくる場面は後ろ姿だけかもしれないですが、わたしは今回のPVはとても好きです。たとえKinKiさんの曲じゃなかったとしても、このPVを偶然見てしまったら心が動いて釘付けになって、このCDを探してでも手に入れようとしていたかも。
この曲について、月刊ザテレビジョンでコウイチさんがこんなことを言っています。

つよしの詞は、まさに今、オレらが伝えるべきこと、そのままの歌詞だと思った。オレの役目はそれを届けるためにどうやってメロディーをつけるか?その生みの苦しみは相当なものだった。

ソロではあまり「詞」に重きを置いていないように見える彼が、詞の言葉を効果的に伝えるためにメロディーに細心の注意を払ったということが、あちこちの雑誌に書いてあっておもしろいです。そういう意味でもとても貴重な作品になっているのではないかと思いました。
「命が走り出した」のところ、コウイチさんは疾走感を出したくてとても苦労したそうですが、まさしくここからメロディーが詞の意図するところに合わせて素敵に加速する気がするし、ここのユニゾンもまた、とてもとても好き。
さらに「Family〜♪」のところがゴスペルっぽいコーラスだけで、彼らの言葉が載っていないところもすごくいい感じになっていると思います。コウイチさんは温かみと神聖さを出したかったと言ってましたが、なるほどです。彼らはひとことも「Family」とは言っていないのですが、黙っていても心が伝わってくるような不思議さです。
つよしさんはこの曲の詞は考えに考えた末に、直前に一旦全部パソコンから消したのだそうです。その後、最終的に飛んできた言葉を5〜6分でまとめたというエピソードもテレビ誌に載っていて、とても心に残りました。
考えに考えた時間があるからこその5〜6分なのでしょうけれども、そういう潔いところもひらめきも含めて彼だなぁ、そんなところもとても好き!と思ったのでした。

☆Tears
この曲は始めて聴いた時一番びっくりした1曲です。想像をはるかに越えたおもしろい1曲で癖になる曲だなぁというのがまっさきに思ったこと。
ところどころにはさまる効果的なフルートのひょうひょうとした音色がいいアクセントになっていて素敵です。
多分コウイチさんだけ、つよしさんだけでは絶対にこういう曲にはなっていないだろうなぁという1曲。新しいKinKi Kidsの可能性を感じました。
あちこちでコウイチさんが、詞を書く自分はとっても希少で貴重と言っていましたが、書く気になったらまたぜひ〜。
TVライフでつよしさんが

光一、こんなこと言うんやと驚いた。
言葉の選び方は違うけど、言わんとすることは僕と似ていて。僕らの根っこにあるものって、実は同じなんですよね。

と言っていましたが、本当にそうだなぁと思います。
根っこにあるものもさることながら、「罪を笑わず」と書いたり、「溢れだす愛を涙へと変えて」が次に出てくる時には「溢れだす涙を愛へと変えて」に変えられていたり、そういうセンスもふたりはとっても似ているような…そしてそうやってさりげなく入っている練りに練られた歌詞を見つけ味わうのが、わたしはとっても好きです。
詞だけ読むとちょっとほろ苦いですが、ファニーなフルートの音や軽くてどこか捕まえどころのない感じに作られたつよしさんの風のようなメロディー(すみませんが、つよしさん。サバンナ風味?!はわたしもちょっとよくわかりませんでした、笑)とブレンドされるととっても聴きやすくなっている気がしました。
「僕たちは〜」からのちょっと不思議な転調がとっても好きです。テレビ誌にFUNKと書いてあったので、もっと重めな感じがくるのかと思ったらとってもソフトだったのも意外でした。
これはFamilyにも思ったことですが、この方々はそれぞれソロでは「譲らない強さ」や「頑固さ」を持っている気がするのですが、KinKiになると全然違うんだなぁと今さらながらに思いました。
こだわるところはこだわりますが、相方が更に押して「ここだけは」とこだわると「じゃあそれで行こう」とお互いあっさり譲る瞬間もあって。大量のテレビ誌の中に、それもあちこち見え隠れしていました。
最初に今回のCDについて書かれた文章を読んだ時にも思ったのですが、うまくお互いのやり方を尊重しながらちゃんとそれぞれの色が入っていて。完成品はまったく別のKinKiらしいものになっているのが素敵だなぁと思うのです。
この曲はライブでは、ふわっとしたダンスと共に、歌い踊る2人が見たいです。

☆me 〜地球のいろ
この曲もTearsほどじゃないにせよ、始めて聴いたときにとてもびっくりした1曲です。
なんせわたしは勝手に「瑠璃色の地球」を想像していたわけですから、当然と言えばそうですが、こんなに「The KinKi Kids!!」な曲に仕上がっているとは夢にも思わず聴きました。めっちゃ王道の「KinKiのいろ」ではありませんか。哀愁。せつなさ。青い感じ。濡れたマイナーな声。切実さ。
「情熱」チックなギターの音。「サマルエカダス」風味にも近い感じがするし、「銀色暗号」的な冷たい空気や、なぜか「Harmony of December」のPVの飛行船も脳裏に浮かんできて、集大成的な1曲にも思える感じなのですよね。
すっごく想像力を駆り立てられる1曲でもあって、たとえば大昔の「母を訪ねて三千里」みたいな少年が主人公の壮大な冒険もの、ファンタジーの主題歌とかにも合いそうなわかりやすく素敵な曲だと思います。
これはガンガン歌い踊っているふたりが見たくなる曲です。

そして3曲をあらためてよ〜く聴いてみると、今回のCDは曲調はみんな違うのに、不思議な統一感があってシングルとしてとってもまとまっているように思えます。
今回は「どれが一番好き」と選べないような感じもしているし、「テレビで見るならやっぱりFamily!」という気もするし、これらの曲がライブにどう組み込まれてくるのかもとても楽しみです。
考えて見れば、わたし的初日まであとちょうど4週間。初日は来週ではありませんか。ドキドキドキ……

彼らのファンになったばかりの頃に、あまりにも早くレコーディングが終わった話を聞いてとてもびっくりした思い出があります。
その頃と比べると、彼らがこの1枚に関わる時間も努力も相当なものだったのではないかと思うのですが、そのことがとても伝わる一枚だと思いました。
今年はなかなかCDが出なくてさびしいなぁと思い続けた一年でしたが、最後にこんな渾身の1枚が出たこと、ほんとうにうれしく思っています。
明日やあさってのテレビでの披露がとてもとても楽しみです。