ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 楽天世界遺産劇場 飛鳥石舞台公演 5月14日

 ご想像に難くないと思いますが、今回も長文です。画像はないですが、パソコン推奨の文章かも。
例によって、記憶がすでにあやしいです。そりゃ違うぞ!というところがあったらすぐに直しますので、ご指摘いただけたらと思います。
ちょっと前にプロローグ的な文章をあげたら、ありえないくらいたくさんの拍手をいただきました。恐縮です。本当にいつもありがとうございます。
いつも書くのがあまりにも遅いので、「いつまでも待ってます!」的な拍手コメントも数件いただいたのですが、今回は甘えずわたしにしてはちょっと早めにがんばりました(っていばるほど早くもないけど、笑)
このエントリーでは主に音楽について書いてみようと思っていますが、少しでもあの場の空気が伝われば幸いです。
では、もろもろご覚悟がある方は続きを読むからどうぞ〜♪
 今回わたしが座っていた場所は、ステージに向かって右側の端っこの方でした。偶然にも薬師寺の時とほとんど同じで(あとで思えばご本人の見えなさ加減や、バンドメンバーの見えなさ加減までそっくりだった)ショコラ嬢と思わず顔を見合わせて笑ってしまいました。わたしたちってばなんだかとっても右側の人!だよね〜なんて(笑)きっと右側においでっていうのが神様のお導きだわ〜なんて言いながら着席。
前方にAブロック、Bブロック、Cブロックとあって、その後ろに段差があってDブロック。このDブロックにいたお友達のことりさんと、またもや約束もせずにばったりしてほっこりだったわけですが(笑)今回は意外とこの段差のあるDブロックあたりが一番見やすかったかも!?
真ん中なのはBブロックですが、そのBがものすご〜く広くてその両側にAとC。
野外だということでちょっと警戒はしてましたが、チケットを切ってもらい中に入ってからも思った以上にでこぼこで、トラップみたいな段差が所々にあったりして、帰り道がとっても心配になりました。
「ライブにじゃなくて、ここを照らすのにペンライトを持ってくればよかったんじゃ?」的な話もしながら、席へ。
あとでつよしさんがMCの時に、「みんなツイッターやブログで、『帰りは懐中電灯がいるかな?』的な心配トークをいっぱいしてたね〜」的なことをおっしゃってドキっ!!いったいどこを見てるんでしょう!?ふふふっ。
会場は、パイプ椅子は一応ちゃんと並んでましたが、あくまでもライブのために整地された場所という感じではなくて、自然をそのまま利用してステージと客席を作られているような場所でした。
全体が広すぎて、座ってみるとステージがはるかかなたな感じでした。歩いている時にどうやら時空のスクリーンがある?というのは気がついたのですが、多分?いや絶対にライブ中は見えないなあという感じでしたが、中に入っているだけでもしあわせなのですから…
人の数がとにかく多い感じで、赤いadidasの人多数!時空ストールのピンクやモノトーンの人多数。もちろん声紋ストールの人多数。
みんな寒いので重ねられるだけ重ね着をして、その上からストールを羽織って、それでもなお寒くて震えているような感じ。一番上からビニールのカッパをちゃんとフードごと着ている人もいました。
危ないのであちこちに係の人が立っていて「気をつけて」と声をかけてくださったりしてました。わたしたちの右側には、紐で仕切られた向こう側に関係者?地元のスタッフさん?という方が大勢いらしたのですが、ちゃんとライブが始まると静かに聞きいってていらっしゃいました。

☆時空
 派手な演出は何もなく、とことことこ…と誰かがひとりで普通に歩いてきて、スタッフさん?つよしさん?と思っていたらその人がピアノの前に座っておじぎしました。おーっやっぱりつよしさん!…かも!?(というくらいの見え方でした、笑)
よ〜く目を凝らしてみると、いろいろな色が混ざった服を着てらして、ああきっとつよしさんと実感したのですが、実は衣装はもうちょっと薄いのがちゃんと用意されていたのだそうです。
でも、前日にリハしたらあまりにも寒くて、寒さに負けて私服に変えたとおっしゃってました。あれが私服なんだ!やっぱりこの人、ただ者じゃないわ!と思いましたよん(笑)
ご本人から今日の服は「朱雀のイメージ」と聞いたように記憶しているのですが、「めざ土」で見た感じだと、本当に翼を広げた鳳凰のような柄に見えました。ちなみに鳳凰と朱雀に関する話はこのあたりをご参照くださいね。黒地に赤や金、グリーンなどさまざまなカラフルな色が入ってました。
髪型は遠目にもすっきりしているように見えて、しかも前髪があるように見えたので、きっとビジュアルがとってもいいはずと勝手に思っておりました(笑)
目がいい友達が、眉毛もあるよ!と言っていて、こっそりと「お友達のことりさん、眉毛あったよ!よかったね〜!」と思いましたのことよ。
最初は前の人たちにつられてぱーっと立ちあがったのですが、やがて前の方から徐々にみなさんが座り始めたので、このあたりは座って聞かせていただきました。
前にお正月の「時空」のモニターがあったのだと思われますが、わたしたちのところからは端っこの方に縦にちょこっと見えただけ。あとは想像力でカバーしつつ(笑)静かな音楽を楽しませていただきました。
途中まではつよしさんが一人で弾いていて、多分最初はステージにいたのもひとりきりで、途中からメンバーがひとりずつ出てきます。ひとりの思いから始まった音に、どんどん共感した仲間の音が重なっていくようなイメージ。だんだんに音に厚みが増していきました。
ありえないくらいの寒さの中、ピーンと張り詰めた空気の中、じんわりとやわらかい音に聞き入っていた気がします(笑)
全員の音が重なってからは、音楽全体がひそやかにcresc.(クレッシェンド)したり、decresc.(だんだん小さく)したり。なんだか明日香の地そのものがまるで呼吸してるみたい…なんて妄想しつつ聞いてました。
この曲はドドーンという感じではなくてひそやかな音楽なのですが、なにより明日香の地にとても合っていましたし、1曲目としてとてもよかったと思いました。
 サポートメンバーはギターがつよしさんの師匠のつっちー、ドラムが豪太さん、ベースが建さん、キーボードがおなじみバンマスの十川さん、そしてパーカッションがスティーブさんという、とってもオトナなメンバーでした。
残念ながらわたしの場所からは、スティーブさんと時々ちらっとつよしさん、同じくちらっと十川さんが見えたくらいで、屋敷さんや建さんは最後にごあいさつで前に出て来られるまでまったく見えず。ツッチーもわたしのところからはまったく見えずだったのですが、となりにいたbonnyarihitsujiさんは「あの鼻はつっちーでは?」と言ったんです。すごすぎる(笑)そして本当にツッチーでしたね(笑)

ちなみにわたしは師匠の生音を聴けたのが初めてだったので、とっても興奮しました。ひとつひとつ鳴らす音にハートがあって、この日のプログラムのせいもあるかもですが、無駄な音がひとつもない感じ。
そしてギターのノリの感じとか、音の歪ませ方とか、つよしさんが師匠を崇拝し、影響を受けているのがとてもよくわかった気がしました。自分も楽器を教えているので、ひとりのギター少年が、よい師匠に恵まれて、まっすぐにここまできたのだなあというのが実感的にものすご〜くよくわかった気がしたのです。
KenKenや渉さん、竹内さんたち、若いみなさんの音もとても好きですが、世界遺産劇場のこの場所で、しっかりと地に足がついたメンバーにがっちりと支えられたステージは、世界遺産劇場という場所や主旨にとてもしっくりきて素晴らしかったです。


Love is the key.
この曲はいつもよりかなりスローテンポでした。
野外のせいか「Love is the key. 」の語尾が吸い込まれるように空に消えていくのですが、その歌い方がなぜかとっても色っぽくて不思議な感じでした。
確か最初にtankで聞いた時は、もっともっと叫びのような感じでメッセージが投げられ、つよしさんのレーザー光線みたいな高音が突き刺さるように飛んできた覚えがあるのですが、今回はもうちょっと角が取れてソフトでした。
最初の1曲だということもあるし、途方もなく寒いということもあって、最高音部は数回の助走を経て「ふわーっ!」っと。以前よりも楽々出ているのが感じられました。
確かに「Love is the key.」だと思います。正論です。


☆歴史
この曲はやわらかい感じのロック調の音楽に編曲されてました。
十川さんのキーボードはオルガンみたいなまぁるい音。師匠のギターは音の数は少ないけれどもこれまたとっても雰囲気のあるほわわ〜んとしたやさしい音でした。
出だしの「指さき」の「き〜♪」からしてすでに撃沈。この曲は好き過ぎて、わたしがもし猫でもあれば、期待だけで反射的にごろごろ言いはじめて、止まらなくなっちゃうような曲なのですよん(笑)
つよしさんのやさしい声と、豪太さんの静かだけれどもシャープなドラムの音が素敵にマッチして、まとまりがよくて心地よい音楽になっていたと思います。
あまりにも好きな曲なので、早々にやってくれてとってもとってもうれしかったです。
確か「ここでもレーザー光線を使ってくれるんだ!」と最初に思ったのがこの曲だと思います。空に向かってまっすぐに伸びたレーザー光線は強い意志を現しているような気がして、何度も何度も空を見上げました。
彼の歴史とわたしたちの歴史は、さかのぼっていくときっとどこかでつながっているに違いない@@@@な〜んてことまで思っちゃうくらい…奈良で出会ったファンのみなさんとつよしさん。うまく言えないのですが、どこか共通する匂いみたいなものを感じました(笑)


空が泣くから
MCで確か「雨はいらないけど、雷だけは鳴らしてください」とお願いしたと言ったのだと思います。雷は残念ながら鳴らなかったものの、この曲が終わるまでは確かに泣きだしそうな空でした。
まだライブスタート2時間前くらいに、会場に向ってみんなでとことこ歩いている時、黒くて大きな雲が低くたれこめていて、とってもいや〜な予感がしたのですが、時間の経過とともに、だんだんに雲の色が白っぽく変わって行ったのでした。山の天気は本当に変わりやすいのですが、雲の動きや風や空までもが、まるで舞台セットの一部のようなライブでした。

信じたい… 見えない光を
解きたい… 様々な力を

ときた後で、

忘れない

という部分がものすご〜く振動するような低音で、太古の昔からの神様の言葉が彼の口を通して聴こえた…みたいな妄想ストーリーが浮かんで、ドキドキしながら聞いてました(笑)ヘンなとこに引っかかったなあと思ったのですが、その後お友達のとっかーた嬢も同じところをわざわざ日記に書いてらしたのを発見!「あらっ!同じところに食いついてる!」とくすくす笑っちゃいました。
低音、ものすご〜く響くようになりましたよね。今、rossoの曲たちを歌ったらぜったいに進化の度合いがすざまじいことと思います(笑)
空が泣くから〜♪」のフレーズはこの地で聞けてとてもよかったと思いました。大昔干ばつの折に、天に向けて祈りをこめて歌われた歌は、もしかしたらこんな感じだったのかしら?なんて想像しました。


ソメイヨシノ
イントロ、ギターかな!?歪んだ楽器の音がリフレインする不思議な音を鳴らしてました。
この曲は季節は若干違いますが、なんて野外ライブに似合う曲なのだと思いました。そして確かにソロのつよしさんの代表曲のひとつだとあらためて。
この曲でもわたしは豪太さんのシャープなリズムがとっても心地よくて、不思議な感じがしながら聞いていました。少し前までは、つよしさんのソロの音楽にはソフトで女性的ななドラムがベストだと思い込んでいたのですよね。昨年夏のE☆Eでも豪太さんの魅力に触れてはおりましたが、今回、なぜかバラードが多いプログラムの中で豪太さんがものすごく素晴らしいドラマーさんだというのを徹底的に思い知った気がします。不思議です。
このあたりはうまく説明しにくいのですが、純粋な興味と好奇心からもうちょっといろいろと検証してみたいです。
途中からステージの脇の大きな木々にピンクの照明が美しく当てられて、まるで夜桜を見ているような感覚になって、その幻想的な光景をただただ眺めながらつよしさんの声に聞き入ってました。
ご本人の姿はほとんど見えなかったので、どの曲でも空や木々やまわりの景色を眺めながら聞いていたのですが、歌の途中でいつのまにか星がまたたいているのを発見。雲が切れているではありませんか!!びっくりです。
空が泣くから」の演奏が終わったからかしら?
曲を聴いている間にどんどん見える星の数が増えていき、星明かりってこんなに綺麗だったっけ?と思いました。
星の名前には全然詳しくない上に目が悪いのが残念ならないのですが、お友達によれば、北斗七星や北極星がはっきり見えたそうです。
でもそんな目が悪いわたしでも、星の数がなんて多いんだろうと思ったし、明るさが全然違って見えたし、外が真っ暗だとこのくらい見えるんだなあというのを、感動しながら眺めました。
そうそう。飛行機も通り道なのかたくさん飛んでいてわたしは「最初、長い長い流れ星だと思った!たくさんお願いできそうだと思ったんだけど!」と言ったら「流れ星は点滅しないから!」と笑われました。
この曲に関しては、わりとアレンジはオーソドックスで、最後もたくさんのフェイクや歌詞変えなどはなくて、すっきりと終わりました。


☆空
ピアノに近い音色の十川さんのキーボードの音からスタート。アレンジがまったく違うので、歌が始まるまでは何の曲かはっきりとはわかりません。
歌は「今日も何かを疑って〜♪」から始まります。
いつも思うのですが、十川さんほどつよしさんと息が合う方はいないんじゃないかと思います。ブレスのタイミングとか長さとか、フレーズの歌い方とか、抜群の安定感と呼吸でつよしさんの歌に寄り添って美しく弾かれるので、声とピアノが溶け合うような素敵な感じが味わえます。
この曲の2番では、いろいろと歌詞変えがあって、ものすごく心に突き刺さりました。

ララ美我空…あたしの音楽(リズム)
いくつもの 帰らない 青い歌 なぞった

ララ美我空…あたしの音楽(リズム)
いくつもの 帰らない 紅い歌なぞって

ララ美我空…あなたが誘う
言えない 消せない あなたを愛してるを

超走り書きの解読困難な文字によれば、こんなんでした(この走り書きメモが超おもしろくて、ページによって天地が逆だったり、文字の色が違ったりして暗号にもほどがあるしろものになっちゃった!)。
もちろん彼が意図していた漢字と違うかもしれません。イメージで書いたので。
なんだか突き刺さる歌詞でグっときました。
この曲は剛紫さんのライブで何度も何度も聞きましたが、もっともっと聞きたい曲のひとつで、いつだって何とも言えない郷愁を誘われるのですが、この寒い寒い明日香の地で、頭の中にさまざまなイメージが浮かんでは消えしながら聞きました。
歌の力って本当にすごいです。そしてつよしさんの歌声が空に吸い込まれていくような感覚がありました。神社などに音楽を奉納するということを最近知ったのですが、こういう感じなのかしら?と思いました。
この曲はもっともっと本当に音楽が好きな方にこそ、聞いていただきたいです。
切実にいい音楽を聴きたいと思っている人はたくさんいるのに、なぜか現在の日本では聞きたいものとちょっと種類が違うものが押され、売れているらしいです。(らしいと書いたのは、売れているというものでさえも、ほとんど聞く機会がないので、実感が乏しいのですよね)
一方で音楽好きが聞いてハッとするような種類の音楽は、積極的にライブなどに行かなければ滅多に耳に入ることすらありません。
「空」は日本人の心に染みるこんなにいい歌で、しかもここまで完成度が高いと思うのに、ファン以外ほとんど知られていないのは、本当にもったいないと心から思います。


☆春涙
この曲に関しては多分かなり原曲に忠実なアレンジだと思いました。同じひとつのライブの中で、かなりアレンジが違うものとわりと忠実なものが同居していて、しかもどちらも素敵でおもしろかったです。
歌声も本当にCDのまま。かなりえらい声楽家の先生の音楽会だって、場合によっては上ずったり多少テンポが走ったりもありますが、つよしさんは音程が抜群にいいし、歌の安定感はいつもすごいなあと思います。
この日はありえないくらい寒かったので、おしゃべりは徐々に鼻声になっていき、場合によってはしゃべりにくそう?と思った部分もありましたが、歌になるときっちり、高音までちゃんと決めてくるのがさすがです。
この曲も好きすぎる曲なので、何度聞いてもキュンキュンします。
歌詞もですが、メロディーも本当に美しくて、またふわっとしたやさしい歌声が絶妙です。

わたしが一番好きな歌詞は昨年の4月9日のライブの感想でも語ったのですが、

生きること 生きていること 迷わず明日へ 連れていこうよ

のところです。
わたくし事ですが、最近我が家のシャム猫のミントの顔まわりの毛が白くなってきて、糖尿の持病もあり、鼻もしょっちゅうふがふがしていて、明らかにおばあちゃんになってきました。
彼女の体調を気をつけ気をつけ、穏やかな余生を…なんて思いながら日々向き合って暮らしているせいか、この曲を聴くと命の尊さが心にぐっと来て突き刺さります。
最近の世の中では、命がイマイチ軽んじられているような気がするのですが、この曲を聴くたびに背筋が伸びる気がするのですよね。
今社会で起きている様々ないたましいこと。命についてだけは見ないふり、気がつかない振りをしちゃいけない。だれの命も大切だということを大人が次世代の子どもたちにちゃんと伝えなければ…ということを思い出します。
そしてそんな心を培うためには、たくさんの別れの痛みや悲しみもまた、身をもって感じなければならないと思うのですよね。
そんな理屈はすべて置いておいても、とてもとても好きな曲なのですけれども。
曲の終わりのフェイク部分の高音が好きでたまらないのですが、この日も冴え冴えといい声で、美しい声が空に吸い込まれていきました。


☆PINK
ジブリ風の序盤?!…と思ったのは、郷愁を誘うイントロと、キーボードのアルペジオかな?!
「ドラムのリズムはラベルのボレロちっく」とわたしメモには書いてあります。
この終始鳴っているドラムの一定なリズムの刻みが、この曲を一貫性のある音楽に仕立て、とても引き立て素敵なものにしていたと思います。
これ、DVDまたは再録音CDに入ならないかなぁ…と切実に思う曲のひとつです。
この曲は、なぜか前日にまったく根拠もなく「やりそうな気がする」という希望を友人たちに向かって語ったところだったので、本当にやった!!と大興奮。そして大得意(笑)
間奏部分はsi:の頃に忠実なメロディーが出てきて、ものすごくなつかしくてなつかしくて…胸がきゅんきゅんしました。
しかし、このあたりもドラムやパーカスの音がとても進化していて、もっとも演奏が素敵だった曲のひとつとして、ものすごく心に残りました。
舞台の上でひらひらしていた半魚人?だったり、G-Rocketsさんたちが天井からぶらさがってくるんくるん回っていたり、あの頃にとても親しくしていた、わたしを生KinKiの世界へ引っ張ってくださったこの曲が大好きだった北海道のAさんのこととか…いろいろなことが思い出されました。
この曲を作った時の気持ちをつよしさんがいろいろと語ってくれました。
彼がもっと若い頃、東京ですごく辛くて眠れなかったとき、明け方の空が美しいピンクなのを見つけたそうです。奈良では空がピンクや紫に見える時があるけれども、 東京でも同じピンクの空が見えるのだなあと思うと涙が出てきて書いた曲なのだそうです 。
わたしが知っている限りでは「奈良に帰りたい」と言うのは聞いたことがあったものの、「東京で奈良と同じ空を見つけた」と彼が言うのをはじめて聞いた気がして、関東人としてはなんだかとってもうれしくて心に残りました。
久しぶりに聞いたこの曲は、年月で色あせたりせず、今の気持ちで聞いても全然しっくりきました。
そして、彼のソロ曲は、同じ曲がアレンジを変えて何度も歌われることが多いですが、前のアレンジになじんだ耳で聞いても、新アレンジを聞いて違和感を感じることがないという不思議な法則があって、今回もまたそうでした。以前から大好きな曲でしたが、更に更に好きになった気がします。
ああ、音源がちゃんと形になるといいなぁ。

☆Say Anything
この曲は友達の予測の中に入っていた曲で、「歌ったね〜すごいね〜!わたしたちの予測ってすごくない?」と興奮しながら言い合いました。感動です!
英語の発音がとってもていねいで、ひとつひとつの言葉がまるで音楽みたいでした。
この曲で圧巻だったのは、中間部から後のフェイクで、神がかりな感じがしてドキドキが止まりませんでした。凄かったです。
ボニーピンクさんの色っぽい声がないからさびしいかなぁ?と思っていたらとんでもない。こんなフェイク聞いたことない!!というすごさで、自由自在にメロディーラインを駆け登ったり駆け降りたりして、そのたび翻弄されました。
4本の白い光の柱のようなものが、空に向けて立ち上っていたのか、上からステージに向けて射していたのか…どっちだったのかイマイチわからなかったのですが(笑)この巨大な柱が空で交差している景色に度肝を抜かれました。
なんだか神々しい感じでした。

音楽を終わらせよう
この曲が始まったとき、なんだかとっても「この曲が聞きたかった」という感覚が急に襲ってきてびっくりしました。多分、このままで終わったらちょっと未消化で欲求不満が残る感じで、最後の1曲で存分に発散したかったのかもしれないし、もうちょっと強いつよしさんの歌を聞きたかったのかも。
イントロのリズムやギターソロですでに期待がマックスに!!(笑)
というわけで、そういう感じはこの1曲でとてもとても満たされました。
最初の入りのところはMステの時とほぼ同じ感じでしたが、歌詞は降ってきた言葉をそのままアドリブでといういつものスタイルでした。
後ほど隣でかなり必死でペンを走らせてメモを取ってくださった友人の解読した歌詞が入った超力作ブログを張らせていただこうと思っているのですが、いつもつよしさんが一貫して語っていることがギュっと凝縮されたような、そんな内容でした。
MCやこの曲の歌詞を聞いて、わたしが最近社会や音楽に対して(小学校の教科みたいな書き方になっちゃいましたが、さにあらず、笑)抱いている思いとリンクしていると感じたことがたくさんありました。
以前は彼とわたしとでは世代が違うし、おかれている環境が違うから考え方が違うのは仕方ないと思っていた部分もたくさんありましたが、最近ちょっとずつ近づいてきた気がします。
そのあたりのことは、また別途書けたらなあと思ってますので、ここでは割愛して、音楽観点から見たライブの話に戻ります。
今回のライブは、民家があまりにも近かったり元々音楽をやるために作られた場所ではないから、かなりうるさくならないように気を使っていたのが感じられましたが、この「音楽を終わらせよう」のようなリズムとかグルーヴも、やっぱり彼の音楽を形造っているとても大切な要素で…次回のライブでは、もっともっとファンキーな曲もいっぱい聞きたいと思いました。
途中でギターソロがきたとき「そうそう、これが聴きたかったの!」とものすご〜く高揚したのですよね。
彼のソロの音楽に出会う前のわたしだったら、音楽の中でもさほどギターという楽器には興味がなかったし、今までになかった感情で、人と人が出会って、影響されたり音楽的引き出しが増えるというのはとてもステキなこと…とつくづく思いました。
逆にある友人はハードなロックばかりを聞いていて、今までバラードは敬遠してたのに、「春涙」や「空」で涙ぐんでいる自分に「戸惑いを感じるよ」…なんて言ってましたが、それもまた然り。
こうやって影響を与えたり与えられたりしながら、どんどん自分の中の音楽が形を変え進化しているんだなあと思うととても面白い気がします。
曲の中間を過ぎてからは、つよしさんに煽られつつ、みんなだんだんに手を上に上げてクラップ!!次のライブはライブハウスもいいなぁ…なんて。
この歌だったか、前の歌だったか忘れてしまいましたが、大きな木の梢が、一本だけざわざわと風に揺れているように見えるような照明の当て方をされていて、これも素敵な演出だなあと思いながら見入ってました。
それから更に、ステージの屋根のところを横に走るレーザー光線とかもありました。
最後の一曲はこのライブの中ではちょっと異色とも言える曲ではありましたが、全体を通して見ると一貫して奈良の地や世界遺産劇場という場にふさわしい、ちゃんと一本芯の通ったものになったのではないかと思いました。

曲が終わったあとのMCでは、この曲でやっと会場も緊張から解放されて、ここで初めて客席からも声が飛んでいるのを確認しました。
(そこまではひたすら静かで心のこもった拍手のみだったのですよん)
誰かが口火を切ったあとは、結構いつもの楽しいムードが戻ってきて「家まで送って〜!」だの「ありがとーっ!」の合唱だのいろいろ言い出すファンも出てきました。
わたしたちがずいぶん真っ暗で帰りが心配だ思っていた道のことをさして「奈良人にとってはこのくらい大した暗さじゃないですけど!」的なことも言って、ほぉ!!と思ったり(笑)
確か、マネージャーさんがつよしさんのバックを下敷きにして見事に転んで、無傷だったという話もこのあたりだったかな?!(笑)
ちなみにわたしがそのあたりで最も印象に残ったMCは
「こんなに人が来るとは実は思わなかった。」という話の流れで、「みんなネットとかで調べて、あまりに遠いのできっと心が折れるかと思ったんですけど。」と言った後から「ちなみに僕は・・・折れかけました。」と言ったところ。折れたんかい!!(笑)わたしたちは数ミリも折れてませんけど(笑)
そんななごみトークのあとから、多分生声で「ありがとうございました」かな!?そんな風に言ったらしいです…(らしいというのは、実は「たっ!!」くらいしか聞こえなくて、まわりの人が異様に盛り上がってそう言っていたのを聞いただけなので、多分そうかなぁと…笑)
そのあと、バンドのみなさんを呼んで、一列になって手をつないで手を高くあげてました。
(が、この時、実はわたくしへらへらしていて、それはなぜかというと、ちょっと後ろの方で「やっぱりチビやなぁ。ああすると(両隣の大きいミュージシャンと手をつなぐと)まるきり連れて来られた宇宙人やんか!」と誰かが関西弁で言っている声が聞こえてしまたからなのですが(笑)ちっちゃくたって全然OK!感動にはちっとも影響がなかったし、小さいからこそ大好きなつよしさんでもあるのでした(笑)
最後の最後はわりとあっさりで、あっちとこっちと真ん中と…とことこ歩いて行っては深々とていねいにおじぎをして、はけて行かれました。
多分この間、ぴったり2時間くらい。ほぼ予想通り、もうちょっと聞いていたかった気もしますが、あの場所とあの寒さの中ではこのくらいで程よかったのではないかと思いました。
いまだに頭の中でライブの音が鳴りまくっていて、心地よい余韻はいまだに続いている感じです。