ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

日本人の知らない日本語

日本人の知らない日本語

日本人の知らない日本語

 この本は、オットが会社の人にもらってきました。
その日のわたしは、なんだかとってもうまくいかないことだらけでいらいらしていて、あまりにも心が荒れてる感じなので、フテ寝しちゃえくらいの感じで横になったらたまたまベットの上に置いてありました。
 ちらっと読んでみようと思い開いたが最後…最後まで一気読み。抱腹絶倒です。
すごく心に残ったところをちらっとだけ引用させていただくと…

生徒:「先生それは…」(座ったまま言っている絵)
先生:「立って言ってください」
生徒:(座ったまま)「た…」

ここはかなり最初の方ですが、ここですでにゲラゲラ笑ってしまいます。
数詞の用法の授業で質問攻めにあって、先生がだんだん答えられなくなる場面もとてもおもしろいです。
最初は何匹とか何本とか言う話ですが、だんだんに「便器」とか「パンティーストッキング」とか「キングギドラは頭が3つあっても一頭ですか?」とか…わっから〜んということがいっぱい質問されます。
極めつけは「人間はどう数えますか?」という問いに「匹」と答える生徒さん。「だって辞書に書いてあります。男一匹って」というところでは抱腹絶倒。あはははっ。
先生にとっては毎日が頭の体操だなぁ、大変だ!なんて思いながら読みました。
 本の中身は、日本語学校の先生が日本語を外国の方に教える過程で出会ったカルチャーショックとか、日本語の用法の誤解とか、異文化コミュニケーションのあれやこれやがマンガやコラムになっています。
ほぉ〜っと思ったりあまりに不思議な誤解っぷりに笑いが止まらなくなったりもします。
 アルバイトや映画やコミックの日本語に影響されて途方もない日本語や間違った用法を覚えてしまったり、生徒が読んでいた日本語入門の本があまりに時代遅れで、そんなものが今も使われていることにびっくりさせられたり、生徒さんの身になって考えてみれば、そういう誤解も無理ないわ〜という日本語の間違いがあったりします。
 学生さんたちもこの本の中に出てくる凪子先生も、いつだって大真面目で一生懸命です。一生懸命であるからこそ、時に考え過ぎてとんでもない誤解がおきるし、覚えたての日本語をにこりともせずに大真面目に操ってしゃべるから、きょとんとさせられたり大笑いを誘発します。
日本人ならなんなくわかる説明が文化の違う外国の方にとんでもない誤解を生んだり、日本人でも知らない用法や単語がたくさんあることに気づかされたりします。
日本語って実はとってもおもしろくって、しかもなんて難解!と思わされますが、とにかく読んでいて楽しい本です。
真面目でいつも一生懸命な外国人の生徒さんたちがとっても素敵に思えるし、凪子先生とのほほえましいやりとりには、両方がんばれ〜!とエールを送りたくなったりします。
すでに続編が出ているみたいなのですが、ぜひぜひ読んでみたいです。
読み終わってから気がついたのですが、この著者のおひとり、海野凪子先生は少し前に日曜日の朝のTBSラジオ、「安住紳一郎の日曜天国」にゲスト出演されてました。
ぜひぜひお勧めのコミックエッセイです。