ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

急転直下!

 小学校3年生のころからピアノに来ていて、今中2になっているNちゃんはとってもおとなしい女の子です。
習い始めて2年くらいはほとんど声を聞いたこともありませんでした。だからといってピアノにイヤイヤ来ているわけではなくて、おかあさまに言わせると「あれでも最大限にフレンドリーな表情を作っているつもりらしい」とのことで、確かにピアノをひいている時はとても楽しそうだし、歌声とかごあいさつはちゃんと大きい声が出るのです。でも自分からはほとんどしゃべりません。笑ってもせいぜいにっこり。
 その彼女がきのうはじめて、声を出して笑いました。
彼女が来るなり初見演奏(始めて見た楽譜を弾く練習)でパッと開いたページをひいてみるというのをやってみたら、たまたま「指を怪我したの」という曲が出てきたのです。
すごく上手に弾けたのですが、ふとみると左手の小指に絆創膏。この間はなかったはず。
「あれ?どうしたの?」と聞いたら「紙で切れちゃったの」というので「あれ、これぞまさしく『指を怪我したの』じゃない!?」と言ったら「あはははははっ」と笑い声。
こっそりと「わぁ、始めて声を出して笑った!!すごい!すごい!」と思ったわけです。5年目にしてこんなに楽しそうな声を初めて聞いたなぁと感慨深いものがありました。
なんだか変則的なレッスンだらけでぐったりな年度末なのですが、こういうほんのささいなうれしいことで疲れが吹っ飛んだりするのですよね。
 ところがです。
おかあさんがお迎えに来られてNちゃんが車に乗り込んだ後、なぜか運転席からわざわざおかあさんが出てこられるではありませんか。こんなことはめったにありません。
なんだろう!?と思っていたら「来月からNちゃんは受験準備のため塾の日数が増えるので、ピアノは1年間お休みさせてください。」というお話でした。ガーン。
一気にテンションが急転直下(泣)
同年代の友達よりも3年くらい遅く始めたNちゃんは、最近やっとみんなに追いついてきて、せっかくあと2曲でブルグミュラーが終わるのに。ソナチネに入るって楽しみにしてたのに…
今のところ高校が決まったらまた戻ってきたいと言ってくれているらしいです。「だから先生にやめるって言わないで」と言ったのだそうです。もちろん本当に戻ってきた子も何人かいるし、たとえ戻って来れなかったとしても、今までピアノと向き合った5年は絶対にムダにはならないと思うし。
でもでもでも。
要は毎週必ず会ってた彼女にもうすぐ会えなくなるのがさびしいのだと思います。おとなしい子だったけど、笑顔がかわいいやさしい子でした。
はぁ…ショック〜@@@
残りのレッスンは振替を入れてあと2回。どうぞ実りあるレッスンができますように。