ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 いろんな子がいます その3

 楽典のワークをやろうと思ってとりあえずピアノの蓋を閉めました。
 「この蓋の上に、間違っても物を置かないでね。そのまま忘れてピアノの蓋を開けちゃうと、なんでもピアノに飲み込まれちゃうからね!ホントよ!意外と大きなものでも入っちゃうんだから〜」
と念を押したわたし。「うん、わかった〜!」と元気なお返事。相手はまだうちに来始めて2ヶ月の小学校1年生のMちゃんです。
 ところが、さて、もう1度ピアノに戻る前に、ワークとふでばこを片付けて!と言ったら、「ふでばこがない!」とMちゃん。
 ということで、ふたりでしばらくそこいらを探したもののやっぱりありません。
 しかも、な〜んか彼女の探しっぷりがうわの空でおかしいなあと思って聞いてみたら、「あのね〜ふでばこはピアノに吸い込まれちゃったよ!」と彼女。
 !?!?!?
 ということで、グランドピアノの蓋を取っ払ってみたら・・・ありました!ありました!無事、裏に落ちていたふでばこを救出しました(笑)
 実はグランドピアノの蓋はとっても重たくて、なかなか定位置にはめられないのです。なんせわたしってば本当に非力なものですから(握力が14とかしかないの、笑)
 そもそもピアノの蓋の裏側はどうなっているかというと、もちろん鍵盤の続きがあるわけですが、鍵盤の上の辺りに意外と広い空間があって、物を載せたまま蓋を開けると、消しゴムやペン、鉛筆やキャップはもちろん、結構大きなものでも、平気で裏側に落ちてしまいます。そもそも何度も子どもたちに痛い目に合わされて来たので、いつもかなり用心しています。
 それにしても注意したはずだし腑に落ちなかったので「さっき、気をつけてね!って言わなかったっけ!?」と確認したら、「だって、どんな風に消えるのかやってみたかったんだもん!」と彼女(笑)
 やられました。どうやら余計なひとことでした。彼女の好奇心に火をつけてしまったらしいです(笑)言わなきゃよかったなぁ。
 とはいえ彼女との間で、こんな風にお互いの心にがつんと触れるような強烈な出来事は初めてだったので、なんだかうれしかったわたしです。他人行儀からの脱却は仲良しになる第一歩なので。
 こうやってあきれたり笑ったり叱ったり、そういうエピソードをひとつ越えるたびに仲良くなるその過程がすごく好き。楽しみのひとつです。
 さて、いわゆる先生のためのノウハウが書いてある雑誌を読んでいたら、レッスンの問題点を探るというページに「生徒に、自分の口癖、口をすっぱく指導していることを生徒に聞いて反省してみる」というのがあって、なるほど〜と思ったので、やってみました。
「ねえ、先生がアナタたちによく注意することってなんだろう?」
 そうしたらみんな口々に、「楽譜をちゃんと見て。」「手を見ちゃダメ」「ミスタッチが多すぎ!」「指が寝てるよ」と、いっぱい言うではありませんか!?(笑)
 なるほど〜!と思いながら、念のために「他には〜!?」と聞きました。聞いた彼女は2年生のおしゃまさんです。
 そうしたら彼女、「パンツ見えてるよ」と言うではありませんか(笑)いやいや、そういう注意じゃなくってさ!!(笑)言いながら笑いをこらえるのに苦労しました。
 いつも彼女、ミニスカートを履いてくるのに、椅子に座るときは超大胆で、足をガンと広げて座るので、パンツが丸見えなことが多いです(笑)あんまり毎度なので、「パンツ見えてるよ。足を閉じて!」とか「丸見えにもほどがあるよ!」とかそのことに触れるのが決まり文句みたいになっていたかも(笑)
 確かにそのことも注意してますが〜それはピアノのことじゃないし〜そういう意味じゃないんだけど・・・(笑)和んだのでまっいっかですが、子どもってば、本当におもしろいです。
 こうやって聞いてみると、わたしは意外と口うるさい先生なのかもと思います。どちらかというと放任しすぎる先生かと思っていたけど、違うみたいです(笑)
 特にこの中で気になることは〜!?ともっと大きい生徒に聞いたら、「先生、意外と完璧主義だよね!歌ってて音をはずしたり、弾いてて何個かミスをすると、絶対にやり直しなんだもん!」って・・・そう言われてみればそうなのかも(笑)
 自分としては、プロの歌手とかピアニストが音をはずしたりミスタッチをされたりすると、ムキーっ!!となったりもしますが(笑)こと生徒に関してはかなり寛大なんだと思い込んでいたのですが、世間のアベレージからするとそうでもないのかも!?
 わかっているようでわかっていないのが自分のことなのかも・・・というわけで、かなりいろいろと反省材料ができたわけですが、この題は「AB型人間の頭の中」という本の話題へとつながっていきます。
 後ほどこの話題に触れられればと思います。