ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 町から子どもが消えた日

 昨日はうるう年の29日ということで、とっても珍しい日でしたが、それにも増して地元では思いも寄らぬ事情から、滅多にない日になってしまいました。
 なんでもちょっと前に「29日の午後1時に、県内の小学校の女子児童を殺す」という書き込みがインターネットであったのだそうで、それはそれは大変な騒ぎにになってしまったのです。
 途方もない予告だし、いたずらの可能性が限りなく高いのでしょうけれど、もしものことがあってはならないので、小さい子どもを持つご父兄や学校や警察は、それはそれは神経を尖らせていたに違いありません。イヤな世の中になったものです。
 ニュースにはなっていなかったし、結果的には何事もなかったのだと思いますが、今週の最初からおかあさまたちがピアノにも送り迎えして来られたり、手をつないで足早に歩く親子の姿が至るところで見られていました。
 昨日は地元の小学校ではどこも、早めの時間にちょっとずつ時間をずらして完全集団下校になっていたのだそうで、下校時間あたりは、ずっとあちこちの広報スピーカーから注意を呼びかけるアナウンスが絶え間なく流れていました。自治会や警察や老人会などたくさんの大人が町に出て、子どもたちが帰り着くまで見守ったのだそうです。物々しい雰囲気の中家に帰った後は、原則的に家から出てはいけないことになっていたそうで、あっという間に静かになりました。
 たまたま時間が空いたので、わたしは3時過ぎに銀行を巡って記帳したのですが、自転車でどこを通っても小さい子どもの姿が一切ないという異様な光景が広がっていました。
 この辺りは都内のベットタウンになっているので、若い世代が多いし、常に公園や通りに子どもがあふれていて、時に危ないなあとかうるさいなあと思うこともありますが、「子どもが全くいない」という光景は恐ろしいです。静まり返った街からは活気が消えて、いつもの街とは思えないくらいよそよそしかったし、人っこひとりいない広場はいつもの場所とは思えない感じでした。
 となりの習字教室はお休みになっていましたが、うちのピアノはたまたまいつも送り迎えをしてくださるおうちばかりだったので、いつも通りにレッスンをしました。
 もちろん来てくれさえすればいつもの彼らで、レッスン室ではそれはそれはハイテンションで「ちょい待ち!」というくらい大はしゃぎだったのですが、多分押さえつけられていた反動が出たのかも。それでもやっぱり元気な子どもの声はこちらも元気をもらえます。
 何事もなくて本当によかったですが、いろいろなことを考えさせられる1日となりました。