ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 『We are Φn’39!! and U?』 感想その2

ずいぶん開いてしまいましたが、この間のコレの続きです。6曲目まで書いていたので、次は7曲目からです。
 気がついたらライブの感想とCDの感想をごっちゃにしているなあと思ったので、書き直そうかとも思ったのですが、エネルギーが枯渇していてそれはムリそうですので、どうぞご勘弁くださいませませ。
 もしかして全部書き終わった時点で、またMCとか「即興のセッション」とか「元旦の夜の夢」的感想を書くかもですが、それはそれとして(笑)…前回のスタンスのまま、世間の流れと逆行気味の「KY地味レポ」!?の続きです。
7. lose control
身体が勝手に動き出す…わたしにとっては絶対に止まって聴けないナンバーのひとつです。
この曲のようなタイプの音楽は実は元々とっても苦手でした。友人とわたしの間では「呪文音楽」と勝手に言っていて(ごめんなさい、笑)たとえば安室奈美恵さんのダンス系の曲とか、ジャネットジャクソン、マイケルジャクソン系の曲は、クラシックから入ったわたしにとっては、どう食いついていいかわからないタイプ、当惑する曲のひとつだったのです。
もちろんそれは馴染みがなかったからにすぎず、今はとっても好きなジャンルのひとつになっているわけですが、わたしにとっては新しい扉を開くきっかけをくれたのが、ドウモトコウイチその人です(笑)彼を好きにならなければ、一生苦手だったかもしれない音楽…こんなに楽しめるようになってしあわせです(笑)
まわりの人が曲の始まりとともに急に双眼鏡を構えたので、わたしも負けじとと取り出したのはいいですが、こんなノリノリの音楽を止まって聞くのは絶対にムリムリ。双眼鏡を構えたまま無理やりリズムに乗ったら危うく酔っ払いそうになってやめました。
女性ダンサーとかなり絡むのですが、そこで31日、となりのコウイチさんのうちわを持った近くのとってもきれいなお嬢さんが大きなため息(笑)。愛されてるなぁと微笑ましく思いつつ、わたしは存分にがん見で堪能させていただきました(笑)
フォーメーションがとってもキレイ。イモウトとわたしがKinKiさんの次に目で追ってしまう屋良っちの振り付けと聞いていたので、わくわくしていたのですが、残念ながらダンスのステージの位置がわたしの場所からだと高くて足元とかよく見えず残念でした。もうちょっと小さいハコで見たかったかも。大きすぎる東京ドームでは細やかなダンスがもったいなかったかも。帝劇くらいの大きさの場所で見たらもっともっと萌えどころがありそうです。

8. since 1997
すっごくカッコイイ出だしの下神氏のトランペットでいつもメロメロになります。生ペット、すっごく鳴っていてよかったです。何度も繰り返されるアルペジオが素晴らしいです。お洒落で一見軽やかな曲ですが、実は深い…みたいな。
この曲ではちょっとダンスが少な目な感じが意外でしたが、その分ふたりのボーカルが楽器みたいにオクターブで重なったり、一見むずかしい2度とか4度のハーモニーが際立っていました。ふたりとも歌がうまくなったなあとしみじみ。視覚的にもとってもいいのですが、ラジオでライブ音源を聴いたとしてもきっと盛り上がるに違いないです(笑)
テレビ誌か音楽雑誌かどっかで、コウイチ氏が「今回のアルバムにはボーカルで音楽を構成させる楽曲が多いんだよ」と言っていたのが、この曲を聴くとその言葉を思い出します。
 KinKiのふたりは声の音色そのものは全然違うのに、相性がとってもよくて、幾重にも重なると本当に魅力的だとかねがね思っていましたが、この曲や(今回のライブでは歌われませんでしたが)「ラプソディー」なんかを聞くと本当にそうだと思います。
 バンドの音が伴奏という感じではなくてオブリガードだったり、リズムを構成することに専念したりして、メロディーを引っ張るのはとにもかくにもボーカルというのがすっごく新鮮でした。
 歌声そのものの感想としては、コウイチさんは高い声がすごくよく響いていて、つよしさんは低音ボイスが滅茶苦茶カッコよかったです。多分BアルバムとかCアルバムあたりの彼らだったら、挑戦しようとすら思わなかった曲ではないかしら。
次に歌った「風の色」あたりのことを「ラテン」とKinKiさんたちもレビュアーのどなたかもおっしゃってましたが、わたしはこの曲の方がよりラテンの匂いを感じます。サビの名曲「コンガ」っぽいメロディーやリズムのラインとかを聞いても、そういう流れを汲んだ作りになっているのではと思いました。
 彼らの名前を隠してどこかで音源を鳴らしたら、きっと音楽好きな大人がいっぱい食いつくんじゃないかと思います。ジャニーズブランドやイメージだけでしか音楽を判断できず、聴かないで敬遠したら損するぞ〜!と思う1曲です(笑)
9. 風の色
「ジャジャジャ!ジャジャジャ!」という前奏がラテンっぽくて情熱的な1曲。
 最初はKinKiって最もラテンなノリとは遠いところにいるんじゃないか!?とすら思ったのですが、ライブで聴いて全然そんなことなかったと思いなおした曲です。
「内なる秘めた情熱!」なんてキーワードが聞いていて頭に浮かび、そうそう…なんて自分で頷いてしまいました。見かけよりも心の底のほうでメラメラしている感じが意外にKinKiにはまっているような気がします。歌謡曲チックな感じというよりは、CDの疾走感がライブではより強調されているように思えて、実は最初あまり得意ではなかった曲ですが、バンドの音を含め、すごく好きになりました。
 この辺りの流れ、とっても吟味されている感じがしてすごく好きです。

MC

10. 全部抱きしめて
テレビではもうそろそろお腹いっぱいと思うのですが、ライブで聴くとやっぱりいいです。最近の堂本ブラザースバンドなどで強調されてきたミュージシャン路線ではなくて、初期のCDに近いアイドルバージョンで、今回は「光ちゃ〜ん!」「つよし〜!」の掛け声がすっごく合ってました。
歌はCDが作られた当初よりもずっと上手く歌っているように思ったのですが、要は歌い方でどんな風にでもフレキシブルに聴かせられるということなのではないかしら?

11. 一人じゃない
12. 僕は思う
30日に聞いたとき、この2曲はあえて初期の歌い方をなぞらえているように聞こえました。
ピッチとか声の音色などは以前と比べて格段に安定しているのですが、大げさではっきりしたブレスとか、ビブラートを入れずまっすぐに歌うその歌い方とか、わざと10代の頃っぽく歌っている?という感じがしたのです。それを聞くことによって今のKinKiの進化の形がくっきり際立って聞こえる…みたいな。
どうやらそれはまさしくビンゴだったみたいで、31日、1日にはわざと「かわいく見えるように歌おうぜ」みたいなノリになっていて、ふたりともほっぺに指を当てたり目をくりくりさせたりして昔のアイドル風に歌ってました。
こういう時にも徹底的に一見ポーカーフェイスでやり抜くつよしさんと、どこか初々しい恥ずかしそうな顔を残しているコウイチさん。そんなふたりの対比がまた楽しいです。どっちがい〜い!?と聞かれたって答えられまへ〜ん!!

13. ノーチューンド
なんといってもやっぱりこの曲は染みます。結局のところ、初聴きから何度聞き込んでも、やっぱりφアルバムの中で最も好きな曲という自分的な位置は変わりませんでした(笑)ギターアレンジもすごくこの曲に合っていて、何度聴いてもテンションが上がりました。
KinKi Kidsはふたりともちっとも恋愛マスターには見えないし(失礼、笑)同世代には普通であろう女の子に興味津々な感じが全然なくて(笑)だから、イマイチどろどろの大恋愛の歌を聴いても実感が沸かないのかも。
一方で「ノーチューンド」みたいな曲、仕事に必死だったりなかなかうまくいかないことに焦れじれしたりする彼らは容易に想像がつく感じがするので、容易に感情移入ができる気がします。
そんなこんなで、この曲を聴くと等身大の彼らが透けて見えるような気がして、そんなところがすご〜く好きなのかも。友達がこの曲の人称についてメールで触れていて、「『僕ら』っていうの珍しいけど、新鮮だよね。」と言ったのですが、なるほど〜と思いました。思いのほか、宣伝文句じゃなくて本当にすっごく男子が多かったライブ会場ですが、こういう歌は同世代の男子はもちろん、仕事や様々なつらいことを抱えつつ会場に足を運んでいるオトナの心にも響くのではないかしら?「アニバ、永遠に路線も嫌いじゃないですが、今後こういう等身大の男の子の歌を歌うっていうのもアリかもと思います。映画の主題歌だったりドラマの挿入歌だったりしたら、かなり共感を呼ぶような。
曲の感想はともかくとして、あまりに好きな曲なので、好きなだけにライブでイメージが壊れたりしたらイヤだなあと思っていたのですが、とんでもない。この曲もすっごく巧く歌っていて、彼らのギタプレイと共に、新しくよいイメージが上書きされました(笑)
この曲の最後の方では次にソロが控えているつよしさんが先にはけて、コウイチさんがずっとひとりでギターをかき鳴らしているのですが、このヒトのギターを弾いている姿、実はとっても好きなんです。ロックっぽいギタープレイをしているところを見ると、惚れ惚れしてしまいます(笑)もっとやって!やって!
ギターって言えばつよしさん、ダンスと言えばコウイチさんというイメージが強い方もいらっしゃるかもですが、どっちもどっちも見たい!見たい!と思うわたしです。

14. unchanged
ラップ、ダンス、歌、小芝居…何を取っても恐ろしく惹きつけられて、ここだけ脳内映像に収めて、ライブに来られなかったつよしさん大好きなお友達の皆さんに見せてあげたい!と切に思ったパフォーマンスでした。
ダンサーさんたちと群舞になるところももっのすごくカッコよくて揃っていて、途中でラインナップしてエグザイルがやるみたいな結構な人数の男女のダンサーさんたちと一列に並んで前から順々にフリを送って行くようなダンスがあったのですが、この部分が前から見ると千手観音みたいで、超絶カッコよくて悶えました(笑)視覚的にも素晴らしいのですが、色っぽい声で歌いながらのパフォーマンスで視覚、聴覚ともにものすごく刺激されます。あんなに激しく踊っているのに、全く乱れない生歌もため息ものです。
途中で建さんのベースと絡んで2ショットが浮かび上がるダンスシーンもあるのですが、ここはステップが中心でケリーの時にしたタップ風にも見え、色気に満ちたムードです。
スポンジのプールへ走るところは、どの日も遠かったので肉眼では確認できませんでしたが、結構全力疾走です。そして結構思い切りダイブして中で小芝居。30日に手だけのアップが大画面に映し出されたのですが、形を見てハッとしました。高校の時仲良しになった友だちがよくやっていた手の動きだったのです。彼女はすごく魅力的な人でしたが、耳にハンディがあったので、彼女と仲良しになりたい一心で一生懸命に手話を習ったことがあります。その彼女から教えてもらったある言葉だったので、すぐにわかりました。「アイラブユー」の手話です。
 大画面に象徴的に大写しになった静かなアイラブユーの形。物言う「手」に、表情のあるその指先に、心がギュッと捉まれました。
 さて、この曲では31日と元旦は後でコウイチさんが助けに行ってやぶへびに〜という小芝居の部分が追加されたのですが、これがまた楽しいの。ここだけは組曲の中のカノンかな、ロンドかな!?追いかけては繰り返される楽しいパフォーマンス。一歩先のアクションが見えているのにわくわくするその感じ(笑)遊び心満載の別仕立てという感じで満喫いたしました。
この小芝居の後、またつよしさんがひとりでセンターに戻って、そのまま終わるのかと思いきや、数拍のブレイクのあと、呼吸を整えて思い出したようにカッコよくダンスを決めるワンフレーズがあって、最後の最後まで痺れます。
とにもかくにも今回のこのソロは、つよしさんの多才な才能のかけらがたくさん詰まっているかのような集大成的なショーで、ダンス、歌、決めポーズ、芝居…極上のいろいろなものをいっぺんに見せつけられてものすごく贅沢な感じがしました。
細部まできっちりと作りこまれ、計算されつくしている感じで、見ごたえがあって面白かったです。