ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 MUSIC FLAG

 お葬式と重なったので聞けなかったFMですが、ありがたいことに友達に聞かせてもらうことができました。mさん、どうもありがとう。すっごくおもしろかったです。
 もうあちこちに番組のレポや感想が出ているし、今更という気もしますが、自分の心が動いた記録として残したかったのであえてエントリーしてみました。
 実は数年前まで、ヒップホップとかラップとかそういう類の音楽は受け入れがたかったのですが、きっかけはケツメイシだったかしらん?気がつけば大丈夫になっていました。
 今回のマボロシもこの時と同じような感覚で、新しい音楽の扉を開いてくれた気がします。
 わたしというヤツは、ミーハーだし、ピアノやブラスバンドやコーラスをやってきたので、一見どんな音楽でも受け入れる懐の深さを持っているように見えるみたいなのですが、実は全然そんなことなくて、保守的でアタマが堅いダメダメダメ子です。
 ジャンルがクラシックだと特にその傾向は顕著で、楽譜から解釈が外れたものはほとんど受け入れられないし、プロの演奏会やCDなのにミスタッチがあったりするともう全然ダメという融通の利かなさです。
 でも、今回のマボロシの音楽にはなぜかのっけからとっても惹きつけられたし、とりあえず先入観を持って音楽を判断してしまうことがいかにもったいないか、そういうことを教えてもらった気がします。
 そもそもこのラジオのホームページをのぞいた時、番組のコンセプトが書いてあって、そこだけでとっても期待が高まりました。

"MUSIC FLAG" =「音楽という名の旗」、それは「アーティスト達の挑戦の結晶」

と書いてあって、 アーチストの挑戦のストーリーを別のナビゲーターが紹介していくというコンセプト。これがいいなあと思いました。テレビでも、こういうのをやってくれたらいいのにな。
 ケリーが竹内さんに出会ったきっかけは、土屋公平さんに紹介されたのが始まりだそうです。初めて彼の音を聞いたとき、スーパーバタードッグがいなたいブルージーな、ファンキーな音をしていて、ものすごく感じるものがあってそこからE☆Eの曲作りに協力してもらおうと言う流れになったのだそうです。
 この話の続きに、ケリーが竹内くんのことを「人の魂的に好きな人。どんな結婚をして、どんな子どもを設けるのかまで見てみたい、胸をえぐられるような男に出会った。」と発言していて、彼がそこまで言うのは珍しいと思ったので、とても心に残りました。
 また、ラジオの最初のほうで「どこまでマボロシをかっこよく説明できるかがんばってみます。」と言っているのを聞いて、ケリーというよりドウモトツヨシという人が、自分が主役ではない番組にこんな風に完全にサポート側として番組に関わったということが新鮮で、そこだけでそもそもわくわくしながら番組がスタートしたのです。
 一方で最初の方でマボロシのおふたりからのケリー評もあって、竹内さんはケリーに出会ったことによって、同じライブをものすごく回数を重ねてやることによって、忍耐力とか、その中で常に成長しようという真面目な志とかを学んだと言っていました。
 もうおひとりの坂間氏は、まだケリーとは面識がないようですが、無類の音楽好きという共通点や、一度打ち上げに入った後に、そこからまたセッションを始めてしまうようなところを竹内さんに聞いていて、ぜひ会ってみたいというような話をしていました。
 さて、ここからは、マボロシの話そのものについて、すごく面白いなあと思った点を書いて行きます。
 マボロシの音楽はヒップホップの打ち込みの機械的な音と人間くさいファンクの音の融合を目指しているそうです。
 打ち込みの音というのは、コンピューターでプログラミングされた音。規則的で正確なビート。そしてその音をベースに坂間氏はラップを作っていくのだそうです。
 一方、たとえばジミヘンをはじめとするファンクにおいては、とても自由度が高いギターが、ドラムを引っ張るかのようなスタイルで、ビートはもちろん人の手にゆだねられ、ギターのプレイによって、フレキシブルに変化してゆく。ということだと思うのですが、このふたつのスタイルはもちろん正反対で、これを一度にやろうと考えることがそもそも無謀で、正反対なものを無理やり融合させようとしているということなのだとか。
 やってみていかにそれがむずかしいのかがわかったのだそうです。だから、今までこんなことをだれもやっていないのは最もだ。それは、ただただむずかしいから…とおふたりとも認めあっているのが面白かったです。
 これをもっとわかりやすく、自分の知っている世界に引っ張り込んでたとえるとしたら、メトロノームを鳴らしながら自由度の高いソロパートを弾いているようなものってことだと思うのですが、そりゃあなるほどむずかしいに決まっています。
 機械によって作られた音と手作りの音という意味では、手縫いのキルトとミシンキルトを不規則に混ぜてやったみたいなこと!?(笑)そりゃあ、面白いには違いないですが、まとめるのが滅茶苦茶むずかしいのが容易にわかります。
 でも、こういうことを「おもしろい」と思えることがそもそもとっても好きだし、それぞれの元々いる場所ではかなり評価が出来上がっている人たちが、あえてこれに真剣に取り組んでいることが楽しいのだと思いました。できあがった世界観をあえてまた壊しに行く。守らず攻め続ける。調和ではなく、衝突させることで生まれる音楽だと割り切る。そうしているうちにまた調和が生まれる。
 聞いているだけで、わくわくする世界でした。
 実際に言葉だけではなくて、音を聞くとそれがとっても顕著で、ものすごく異質なものが、なぜか上手に調和しておもしろい仕上がりになってることに気がつきます。ラップとギターがまるでライバルのように鳴っている部分があって、そこもとっても面白いです。
 さてここからは、わたしがマボロシとケリーの共通点を感じながら聞いた部分です。へぇ〜っと思った部分を箇条書きにしてみました。 
・ゼロからのスタート。最初の1mmからデカイ世界になっていく。自由に。これはダメとかこれは変とか先入観は持たない。
・お互いにメインな活動する場所がありながら、別の場所を持っている。(坂間さん然り、竹内さん然り、ケリー然り)
マボロシを不倫にたとえて、語っているトークがおもしろくてわかりやすかったのですが、これはKinKiとE☆E、コウイチさんのソロ活動の関係とも似ていて、興味深かったです。
それは、こんな話です。
『お互いに「マボロシ」以外に本妻を持っている。それはライムスターであり、スーパーバタードック。不倫というのは、本妻とは違う場所だから、新鮮さがなければ意味がない。不倫カップルならではの新鮮なパワーがある。』
この部分がものすごく心に残りました。
・「新しいもの」を作らなければという脅迫観念「むずかしさ」どこがアウェイでどこがホームかわからないところがある。
・いい曲と言われるより、びっくりしたと言われる方が好き
・「昔のDさんの方がよかった」としょぼくれていたけれど、「はみ出そうとしてこれを始めたんじゃないか。」と思うことにした。チャレンジャーであり続けたい。
・勇気を持ってはみ出そうとしている。それがマボロシの音楽。
 なるほど〜!と思ったので、記しておきます。
PS:そうそう、これを書いておかなくては!!
 つよしさんのナビゲートする声を聞いて、やっぱりこの人の声が大好きだと再認識しました。なんて心地よい声なんでしょう!?朗読とかナレーションとか、吹き替えとかそういうのも聞いてみたいです。
 mさ〜ん!ホント、ありがとね!!