ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 ここのところ心を動かされたもの

1.松本喜三郎一家物語〜おじいさんの台所〜
途中から見たのですが、三國連太郎さんと安田成美さんとぐっさんの丁々発止にぐいぐい惹きつけられて、裏番組の録画も忘れて見入ってしまいました。
 三國氏があまりに上手に演じられるので、うちの両親や義母のことなんかが頭をかすめ、心が痛い!と思った場面もたくさんあったけれど、「老い」ということから目をそらすのはイヤだし負けたくないし・・・胸の痛いところは痛いままにまかせ、がんばって見ました。とはいえ、最後まで見てみると後味は決して悪くはなく、温かい気持ちが残っています。
 安田成美さん扮する「娘」が、父に気を使いすぎず、真っ向勝負で時として大喧嘩しつつ父と二人三脚でがんばるのを見て、いいなあと思いました。わたしは長女のせいか、実の両親に向かってだって、あんな風に本音でぶつかるのが下手なのです。ついつい気を使いすぎて失敗するタイプです(笑)そういえば、オットのお兄さんも、(わたしとは比べ物にもならないくらい)すごくできた方なのですが、やっぱり義母とのやりとりを見ていると、一生懸命ですが、ある意味とっても不器用に見えたりします。
 一方、次男のオットやわたしの実の妹は両親の懐に飛び込むのがとっても上手で、わりに素直に両親の心を掴んでいる気がします。こういうのって、上の子気質、下の子気質も関係あるのかしら?!親を思う気持ちはとどのつまり、みんな同じなのだと思いますが。
2.芋たこなんきん
今更という気もしますが、やっと最終話まで追いつきました。最終週は「老い」と「病気」と「別れ」のお話で、見ていてつらくなるようなシーンも多かったですが、それでもどこかしらに救いがあって、どこにともなく流れるユーモラスな雰囲気に救われて、最後まで楽しく見ることができました。
 もう死が間近に迫った時、のカモカのおっちゃんが妻に向かって言うセリフ、「ボクはアンタの味方やで!」には打たれてしまい、もうすぐ生徒が来るというのにボロボロ泣いてしまいました。生まれ変わっても、きっとまたおっちゃんに見つけてもらって夫婦になりたいという町子先生。ふたりでしゃべり倒すことが、出会ってからずっと何よりもしあわせだったと言い切るふたり。 このドラマはとっても魅力的な中年夫婦が主人公だったし、トレンディーなお洒落さや派手さはなかったけれど、ユーモラスで無条件に楽しくて、よかったなあ。常に異なる世代が楽しく混ざり合ってわいわいやっていて、お互いがお互いの影響を受けつつ近づいていき・・・本当に本当に好きなドラマでした。戦時中の記憶を風化させたくないというもうひとつのテーマにもとっても共感しましたし、大阪の庶民の暮らしの描写や当時の再現もとっても面白かったです。
 4月の朝ドラは早々にリタイアしてしまい、ここのところ朝テレビに縛り付けられず、家事はさくさくはかどるのですが、ちょっとさびしいなあと思うこの頃です。