ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

[KinKi Kids]エンドリライブ 2回分、混ぜ混ぜ感想文!

 気がつけば1日たってしまいました。なんだか余韻を引きずったまま一日が過ぎて行きました。な〜んだ、あんなに飛んだり跳ねたり、電車に遅れそうになって走ったりしたわりには、どっこも痛くないじゃない?!と思っていたら、今頃になってじわじわと足にきました。遅れて来るなんてヤバイではありませんか。やっぱり年?!
 さて、文章の体裁を整えようとしたら、きっとまたお蔵入りしてしまいそうなので、今回は箇条書きにて順不同に、思うままにどんどん書いて行こうと思います。こういう音楽に関しては素人以下です。土台になっているとされる、ファンクやブルース、テクノなどの音楽についてもほどんど基礎知識がないので、触れられないのが悔しいです。音楽って本当に裾野が広いです。「井の中の蛙〜」です。もう三十数年、ひたすらにこの「音楽」のかけらを拾い集めているのにね(笑)
 記憶違いなどは、つっこみ歓迎です。無駄に恐ろしく長いので、続きは隠します。興味がない方にとっては多分拷問です。それでもいいやという方のみどうぞ(笑)

  • 雄と表現衝動

 ライブで聞いてCDよりずっと好きになった曲。今回、一番気になる曲です。毎回、こういう曲が必ずひとつはあって、ライブでのアレンジが最高に好きです。
 音楽の入り口に立った人は、必ず一度は音で「言葉」や「様子」や「イメージ」を表現してみたくなります。わかりやすく言えば、魔法使いが杖を振る瞬間の「しゃらら〜ん!」を音にしてみたいとか。ネコの鳴き声や「チャルメラの音」や「あした天気にな〜れ」が弾けてうれしいとか(笑)
 この曲はそういう音楽の初期衝動をとことん形にしたような曲だと思いました。アフリカ?サバンナ?ジャングル?そんな音が意図的に作られていて、次々出てきます。動物の鳴き声?風の吹き抜ける音?音がしているのに、なんとなく静寂で無機質なイメージすら出てきます。わたしは熱帯雨林の山深いジャングルの近くのホテルに泊まったことがあり、その時に本物のジャングルを見て感じたイメージがそのまま音になっているような錯覚に捉われました。なんだか畏怖を感じてしまうような、目の前の深い深いジャングル。見た目は静かで穏やかなのに、静寂を破る野生のけものの鋭い遠吠えなんかが自然の厳しさや摂理を思い出させてくれます。
 バンドの皆さんもつよしさんもテルミンや鈴やいろいろな音を鳴らして、様々な音を出し様々な声を出します。聞いているわたしも面白くて面白くてわくわくしますが、演奏している人たちも心から楽しみつつ弾いていらっしゃるのが、その表情から伝わってきます。究極の音遊びという感じもします。わたしの生徒たちに聞かせてあげたいです。
 究極の音遊びと言えば、ステージの上の皆さんの表情を見ていると、その時演奏している、していないにかかわらず、とってもいい顔をしているのが印象的でした。自分が鳴らしていなくても、歌っていなくてもその場で鳴っている音に浸っていることが楽しくて楽しくて仕方ないという感じ。プロの仕事人の顔と言うよりは、究極の趣味に浸っている時の顔のよう。もちろん音楽の質は折り紙付き。裏切られることはないのですが、そんな面々がこんな無防備に楽しくて仕方ない顔をしているのがとっても新鮮でした。
 この曲の世界に一旦取り込まれると、歌っているつよしさんはもちろん、わたしと同世代のバンドの皆さんも、うら若きコーラスのおねえさんも、ふと気がつけば客席の隣近所も、みんながジャングルの音の中に同じように放り込まれ浸っているのがなんだか不思議。同じ風の音をイメージしてるんだろうか?おとなりさんは何を感じているんだろうか?なんて思ったり。
 そんな中薄く静かに聞こえて来るボーカルは全く異質な詩を歌っています。動物の一種であるところの人間?「雄」としての本能?食物連鎖?(ちょっと違うか、笑)宿命?そんなことが頭をよぎります。とにかく好きな曲、気になる曲ナンバーワンです。
1.「故意」と「御伽話」
 一回目に見たときは「故意」でした。そして今回は「御伽話」。「故意」に関してはサビのメロディーラインが圧倒的に好きなので、さわやかに気持ちよく聞けます。今回の曲はどちらかと言えば硬質なイメージの男性的な音色が主という気がするので、やさしい声の音色のこの曲がアルバムやライブのメニューに1曲入っているだけでとっても新鮮です。ありがとうと思います。
 「御伽話」は、CDでも構成がとっても面白いと思っていたのですが、生で聞いてみると、まるで音楽のスライドショーみたい。次々繰り出される前後とは異質な音色が素敵で面白かったです。電子音と楽器の音とボーカルが混ざりにくそうで、ちゃんと混ざっていて不思議な味が出ています。CDとは編成がだいぶ違うので、どんな風にアレンジするのだとうと思っていたのですが、西川氏のギターなどが別物だけど違和感なくうまく入っていて、これもいいなあと思いました。

 歌手としてのつよしさんの才能を思い知らされます。とにかくその表現力にぐいぐい引っ張られます。「歌詞に共感して心を動かされる」と言うよりは、彼の表現している音楽にわたしの心の奥深いところにある何かがが「共鳴」してしまうような、そんな不思議な感覚です。
 他の曲では自然に体が動いて止められないくらいなのに、この2曲はなぜか直立不動で、息を止めて聞き入ってしまいます。昨日はソメイヨシノの最後の方で、フェイクが増えていました。魂の叫びみたいなフェイク。名曲「PINK」を彷彿させる感じで心が震えました。曲に入る前のMCは確かに長いですが、このトークは、彼が自分自身の気持ちを高めて曲に向かうための儀式のようなものなのかもとちらっと思いました。彼が語る言葉は世代も経験も違うわたしには、頷ける部分もそうでない部分もあります。でも、わたしは彼が届けてくれる音楽が好きだし、自分にとって必要だと感じています。だから細かいことに惑わされず、その奥にある音楽の本質をまっすぐに感じたいです。
 そういえば、「美しく在る為に」の「まだやさしい色です」を聞くと、わたしはいつもナウシカに出てくる「オーム」を思い出します。感情により色が変わるオーム。怒りで真っ赤に染まったオームが、ナウシカの心に触れて静まり、静かに色が戻ってゆく場面。怒りを鎮めるナウシカ。ただイメージしているだけですが(笑)
 さて、この2曲に関しては、絶対に前より後ろよりのセンターブロックの方がより効果を堪能できました。照明が後光が射すように見えたり、ボーカルが放射状にシャワーのようにふりそそぐように感じられる演出になっていて、前回Eブロックで見た時の方が圧倒されました。心なしか、ボーカルの音も後ろの方がまっすぐに届いたかもしれません。前の方だとすべての楽器の音がストレートに入って来る分、楽器同士が殺しあっているように聞こえたり、ボーカルが聞こえにくかったりして、そのことはとても残念でした。逆に言えば、どの席にもいいところがあって、楽しめるよということだと思います。

 前から前奏の西川氏のソロの、最後の音。一旦鳴らしてからクレッシェンドして更にゆれるように聞こえる部分が大好きなので、これが生で聞けて感動。短いイントロながら、気持ちの入った歌声を誘いだすような不思議で効果的な音。大好きです。西川さんが「短いけれど、素人にはできない難易度の高い演奏だ」とおっしゃってましたが、納得です。

 この曲は、わたしがあまりに思い入れが強くて、CDを聞きすぎているのです。フェイクの隅々までCDどおりに完全に覚えているので、1回目のライブの時にはちょっと違和感がありました。この曲に限っては個人的にはCDに忠実に演奏してほしかったのかも。「Na〜na」のところから声が行ったり来たりするところも、ちょっと間があって、最初はノリにくく感じました。ライブでは、ラストのラスト、なごやかなムードの中で演奏されているのでこれはこれとして素敵だなあと思います。
 でも、いつかはもう少しCD寄りに、ほろ苦さや切実さも出しつつ(イメージとしては、「DEVIL」っぽい感じで?)孤独を身にまとい、噛み締めるように歌うところも聞いてみたいです。

  • ギターソロ

 以前には「気が散るから、歌手にはギターを持って歌ってほしくない」と失礼なことを思ったわたしですが、今回のライブでは、つよしさんのギターソロをとても楽しみにしているわたしがいてびっくり。場所が狭いから、余計にギターの音が際立って聞こえるのかもしれませんが、「きよしこの夜」をたどたどしく弾いていた人が、いつの間にこんなに巧くなったのだろう?と目をみはっています。
 特にCHAKAさんを前に呼び、つよしさんのギターとCHAKAさんの声で、「掛け合い」をする部分はすご〜く面白かったです。リズムをコピーしあったり、音程をコピーしあったり、ノリがそっくりだったり、わざとずらしてみたり・・・はたまたあえて乗っかってみたりするのもすべては台本なしで流れるまま。お互いの目を見つつ、音を聞きつつ探り探り深いところに入って行くところ、近くで目の当たりにしました。すごいです。まるでテレパシーで会話しているようなギターと歌声です。
 以前だったら、これはぜひとも声同士でやってほしいと痛烈に思ったと思うのですが、今回そうは思いません。歌声がギターになっても、「つよしさんらしさ」はちゃんと表現されていることに気がつきました。声にもまさるとも劣らぬ表現力。もっと長く聞いていたかったです。
 それにしてもCHAKAさんの声は、本当にすごいです。自由自在でパワフル、そしてハートフル。小さい体のどこからあんな声が出るんでしょう。「Love You ケリー!」あたりから、徐々にリードを取って会場を引っ張るところなんか、素晴らしい技量だなあと思いました。流れをそこに持っていく際に、リズムと音程で誘いつつ、時間をかけて定番のパターンにまで持っていくのですが、気がつけばわたしも、大縄に入るタイミングを待っている人みたいになっていて、当然のように一緒に飛び(歌い)出すことができ、会場全体を巻き込んでの大セッション。楽しかったです。

  • ダンス

 前回見たときはなかったような気がするのですが、Dancingつよしさんが、あちこちで見られました。バンドの皆さんとダンスの競演をしていることもあれば、体が勝手に動き出し、自然とダンスのステップになっている場面もあれば、ジャニーズらしいステップもちらりとありました。さすがひとつひとつの動きがカッコよくて、しかも本人が楽しそうなのがいいなあと思いました。
 中村修二さんとギターを持って二人でステップしているところはとっても微笑ましかったです。
 つよしさんが一人でギターを弾きながらダンスしていた所は、変拍子?のような複雑な感じのリズム。わざとタイミングをはずすようなエキセントリックな音にによろけながら体を引きずり後ずさるようなパフォーマンス。その「よろよろ」の後にかなりかっちりした「キメ」や「トメ」があって、何度も繰り返されます。本人が音を出してはいても、声を出しているわけではないので、パントマイムを見ているような面白さもありました。「踊るギタリスト」としてもいけるかも?!
 そのギターを使ったパフォーマンスは、もう少し本格的に練り上げたら、歌舞伎とか、ケチャックダンスとか「SHOCK」のジャパネスクの一場面とか、伝統的で伝承的なものに通じるようなものに化けるかもとちらっと思いました。音楽やリズムを繰り返しながら気持ちが徐々に高揚してうねって行くその感じが、そんなことを思わせたのだと思います。

  • シングル3曲と「Six Pack」

 新年早々披露されて、よく聞きこんでいるこれらの曲になると、ものすごくテンションが上がります。特に「ブルーベリー」と「Six Pack」のノリノリ加減っていったら、ものすごいです。つよしさんは「うねり」と表現されてましたが、本当に会場全体がうねってました。ステージの音を聞いて興奮し、客席が大きく飛び跳ねて、そのエネルギーがまたステージに還って更に、音楽も盛り上がるみたいな…すごかったです。
 「濡れ鼠」を聞いていつも感じるのは、焦燥感と色気。連日のお疲れがそろそろたまり、ちょっとだけハスキーボイスになっていて、この曲は余計に色気が増しているように感じました。
 シングルから聞き込んだ曲たちの出番がやってくると、つくづく彼の作る曲はするめソングが多いなあと思います。
 新曲「The Rainbow Star」に関しては、そうはいってもなんの予備知識もなく、いきなり1度聞いたばかりなので、まだ語るには早い気がしますが、この曲も歌っているうち、聞いているうちにどんどん印象が変わって行くかも。1回聞いた感じでは、街やオリカラやソメイヨシノと比べると、うまく肩の力が抜けた曲という気がしました。詩がよく聞こえなかったので断言はできませんが、なんとなく理屈の少なそうな曲?という感じ。個人名で出す曲はアクが強くて、気楽には手の出せないマニアックなものが多いという印象があるらしいので、こういう今までにない感じは新鮮かも。

  • 「Chace Comes Knocking.」「闇喰いWind」

 この2曲、すごく好きなのですが、なんだか振りをしたり、バンドを見たり、コーラスを追いかけたり、ケリー氏を追ったり忙しすぎて耳が時々お留守になって残念でした。(わたしだけかも。もしかして年?笑)目が3つあったらよかったのに。聖徳太子になりたい(笑)わ〜っと心が高揚するに任せるのももちろん楽しいのですが、ひんしゅくかもしれないけれど、この2曲は一度自分は動かずに目を閉じて純粋に音やビートだけを追ってみたいなあと思った曲です。すごく好きなんですもん。

  • 「A Happy Love Word」

 ギターソロもすごくステキです。エレキの音がカッコイイ。この曲は確か、テレビを見ていて戦地で命を落とした母親のインタビューを見て思いついたそうですが、その壮絶な世界観を表現する力がすごいです。俳優堂本剛の本領発揮?絵が目に浮かびそうな曲。こういう泥臭い曲をあれだけの説得力を持って歌える人は、そういないのではないかと思うのですが、これってファンのひいき目?(笑)そうでもいいや。
 過去2回で、たまたま故意とおとぎ話を聞いたので、「16」もぜひ。「A Happy Love Word」と並んで大好きな曲です。いつか聞けますように…