ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 刀削麺酒家

 オットと「刀削麺」というものを食べて来ました。中国西安地方の味だそうですが、「刀削麺」とはその名の通り、大きな塊から包丁で削りとった生地を茹でて作った麺です。ラーメンに似ていますが、だいぶ違います。この麺は、我が家にとってはなつかしい味の中華で、オットもわたしも大喜び。とっても元気が出ました。
 わたしたちがマレーシア時代に住んでいたコンドミニアムの近くに、「カド屋」とか、「木の下食堂」とか近隣の日本人が勝手に呼んでいた中華のオープンエアのお店がありました。(本当はなんとか酒家とかってちゃんと感じの名前がついているのですよ、でもほら、読めませんから、笑)すご〜く安いお値段で麺やスープ、飲茶などが食べられるスペースです。文字どおり、突き当りの角っこにあり、大きな木の下の木陰にたくさんの赤いプラスチックの椅子と、赤いテーブルクロスが張られた丸テーブルが並べられ、そこで、南国の風に吹かれつつ熱い麺や中国風焼きそばなんかを、またはフライドライス(炒飯)なんかを食べたものでした。
 その店の味を思い出させる麺には、たっぷりパクチーが入っていて、辛いし塩味もちゃんと効いているのですが、ちょっとすっぱいのが特徴です。そのすっぱさがたまらなく素敵(笑)多分マレーシアに住まなければパクチー好きにはならなかったと思うのですが、パクチーでしょ、ドリアンでしょ、マンゴーでしょ、そしてハニーデューメロンでしょ。その他黄色いニラやら香ばしいゴマ団子やら、中国風火鍋(スチームボート)やら、時々どうしても食べたくなるものがたくさんあります。
 さて、今日食した「刀削麺」ですが、この手で削られた麺は、うどんとラーメンの中間的な食感があります。しこしこぷりぷりしていて、日本のラーメンみたいに、時間を置いても延びません。マレーシア時代には、韓国の友人に冷麺も何度かご馳走になったのですが、またこれもまた食感がぜんぜん違います。叉焼(チャーシュー)のお肉の味も日本のものとは全然違います。そういえばタイで食べた「ふなそば」も全然別物でした。そして、どれも全然違うのに、どこか日本人にとってもなつかしい味がします。麺類という共通点だけですが、「人類は麺類だ!」と言っていた「てるてる家族」のラーメン博士を思い出しましたよ(笑)
 外国でも日本食の店はたくさんあって、マレーシアの和食店にも「うどん」とか「ラーメン」があるのですが、むしろこれが日本のそれとは似ても似つかぬものだったりして、みんなで首を傾げることもしばしばでした。高いお金を出して頼んだのに「こ、こ、これを『うどん』と言われても。」と絶句したことも、ありましたっけ(笑)今日のこの店の店員さんたちはちゃんと中国の方のようでした。味から想像するに、経営者もコックさんも多分中国人なのでしょう。
 この間の「大トラ事件」以来、中国語を話せるようになることが、飲みすぎて体を壊さずにすむ近道だと気がついたオットは、一生懸命に中国語を勉強し始めました。ラジオの北京語講座を聞いたり、録音したMDを持ち歩いたりがんばっています。英語、マレー語、インドネシア語スペイン語、そしてアラビア語も少々・・・いろいろな言語に親しみ、たいがいの言語は片言くらいならすぐ覚えてしまうオットも今回の中国語はひどく手ごわいと感じているらしいです。とりわけ北京語はとても発音がむずかしいらしいです。そんなオットが店に入るや否やメニューを発音してみようといろいろやっている姿が、なんだかおもしろかったです。中華を食べながらの勉強なら、わたしもいくらでも付き合いましてよ・・・オット(笑)また、誘ってね!!