ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 レッスンの終わりに中学生のAちゃんに「先生、バッハで萌え〜な曲はなに?」と聞かれ面くらいました。彼女は、インベンションの4番を弾いていて「萌え〜」な曲だと思ったんですって。へえ〜?!面白いです。確かに短調で、ちょっとせつない?!でも、わたしだったらこの曲で「萌え〜」という言葉を連想はしないなあ。この13歳の感性はとっても面白いと思ったのでした。
 わたしが挙げるとしたら何だろう?・・・バッハで「萌え〜」ねえ?!もっともこの言葉と遠いところにあるようなバロック音楽、そしてバッハ。
 クラシックだったらさしずめ「リスト」あたりなら、なんとなく「萌え〜」かもしれない・・・なんて、彼女のほんの一言にまだまだ引っかかっているわたし。リストの「ためいき」なんか?チャイコフスキーの「甘い夢」あたりはもうちょっと「萌え〜」かも。
 なんて、そんなに深く考えるほどのことでもなかったのですが、言葉の語感がさまざまであるように、音楽に対して抱くイメージも様々。歌詞がついていない分、ピアノ曲には想像の余地がたくさんある気がします。そして、そんなとりとめのない、つかまえどころのないことを考えるのが好きで、ずっとわたしはわからないままにこれにかかわっているのだなあ・・と。抽象的で曖昧なつかみどころのない、そして得体の知れない音楽というものとのつきあいは、はや35年以上。しかもわからないまま人に教えているなんて、なんという無謀なのでしょう(笑)