ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

[ドラマ]「電車男」

 昨日ひととおり書き終わって、ん?と思ったのです。何か忘れてる?そうでした。「電車男」これに触れるのを忘れていました。もちろん見ましたよ。原作ファンですから。熱く感想を書いたのはこの時でした。
 掲示板のCGなど、一緒に見ていたオトートにもイメージしやすく、全体的に作りがとても面白かったですが、原作ファンとしては、「電車男」をあんなにいじめられっ子キャラにしてほしくなかったなあというのが正直な感想です。
 わたしはそもそもこのお話は良質なファンタジーだというふうに思っています。原作を読んで「嫌な奴」が存在していた覚えがないし、「人っていいものなんだよ」と嫌味じゃなく教えてくれる心が温かくなる物語だと思ったのです。
 なのでドラマ版の、家でなんとなく居場所のない電車男や、子供にまでバカにされる電車男サトエリ嬢扮するただ通りすがりのぶつかっただけの女にさえ、あんなふうに毛嫌いされるシーンが果たして必要なのかどうか、そこのところの原作にない味付けが、好きではありませんでした。
 ストーリーの展開には直接関係ないけれど、途中で出てきた、あの小憎らしい女の子。わが子があんな風に見かけで大の大人を小バカにするようなことをしているのを見かけたらほっぺたを叩いて相手にきちんとあやまらせるところだし、よその子だったとしても、このまま捨て置いたらロクな大人になれないでしょうから、とっつかまえてちょっと懲りるまでお説教です。なあんてテレビを見ながら怒りにまかせて熱く語っていたら、冷静に「お話だから、おかあさん!」とオトート。そうなんだけどさ(笑)世間がそんなに「オタク」だっていうだけで、理不尽に毛嫌いしているとも思えないし、そこのところはやっぱり引っかかりました。
 番組的には、現実に彼らのような嫌な人たちがいて、2ちゃんねる掲示板に集まる人達の善意がより引き立つという図式なのかもしれませんが、それでもやっぱりちょっとさびしいです。パソコンに興味が全くない人達に「やっぱり現実とうまく折り合えない人がパソコン及びインターネットの世界に逃げ込むんだな」という風に思われるのは心外だし、それではあまりにステレオタイプな考え方だと思うのです。(考えすぎかもしれません。)
 とはいえ、伊藤くんの電車男は熱演していてとても好感が持てたし、彼がどんな風に変わってゆくのか、今後の展開を楽しみにみたいと思います。
 それでもやっぱりもっと素朴で素直な温かさに満ちた原作の「電車男」がちょっと恋しくなったので、原作を読み返してみようかな・・なんて思ったりもしているのですが。