ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

9時代に何気なくチャンネルを変えていたら、大好きなペールギュントが聞こえて手を止めました。教育TVのN饗アワーでした。立ち止まったのは、オーケストラと俳優の林隆三氏がコラポしていたからです。林氏のものすごく熱のこもった語りが曲の中に入りこんで、互角に渡り合ってます。その姿にはプロのプロたる鬼気迫るものがあって、見惚れました。オケに負けないたったひとりの語り、役者さんってステキな商売です。
続いて芸術劇場がはじまって見るでもなく見ていたら、オペラ座のリニューアル後のこけら落としの映像が流れました。その昔、40才くらいになったらオペラ座みたいな由緒正しい場所が似合う女になっているかもと思っていた痛い自分が思い出されました。ヨーロッパを旅しつつ、地ビールやワインを飲み音楽に浸るんだなんて思ってたのにな。ま、現実にはオペラ座なんてはるかかなた・・・北極と同じくらい遠く感じるこの頃です。当時のわたしには、40も過ぎて毎年年末年始に東京ドームでのコンサートに行っている自分なんて全く想像ができませんでした(笑)なんというギャップ・・・・だから人間って面白い。予定は未定、夢もまた然り。スカラ座はもうちょっと大人になってから・・・美しい老淑女になってからでもいっか。(言うだけはただですから。)
話は戻って、この番組では大好きな聖路加国際病院理事長、日野原重明先生の特集も組まれていて、お姿を拝見できてうれしかったです。93歳の日野原先生の元気な姿を見るだけで十分元気をもらえる感じなのですが、先生がシューマンの「子供の情景」を弾いてらっしゃるところが映っていて、とてもステキでした。年を重ねたとき、日野原先生のように穏やかでやさしい顔をして、人を励ますだけの心の余裕があるといいなあと思います。