ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

夏の終わり

昨日、埼玉スーパーアリーナ最終日に行ってきました。本当に楽しくて3時間があっという間でした。もっと心が残ってしまい、夏の終わりがせつなくなるかと思いきや、すっきりとあと味のよい、すがすがしささえ感じられるオーラスだったので、さあわたしも気分を一新して、自分の事をがんばろうと前向きな気持ちになっています。とはいえ記憶が抜け落ちてしまわないうちに、とりあえず昨日のことを振り返ってみようと、レッスンの合間を縫って書いてみます。
昨日の席はアリーナDブロックのゲスト席の数列後ろでした。決して近いと言える距離ではありませんでしたが、立っていると舞台がほぼ真正面に見えて、4回目にして始めて演出の全貌がわかった気がしました。
わたしの位置からみたつよしさんは「ちよみちゃん」くらいの大きさで、舞台がちよみちゃんのリカちゃんハウスのように見えました。*1ギターやベースの音にはこれまでも散々翻弄されていましたが、今日はバランスが良く聞こえる位置だったせいか、トランペットやトロンボーンの音、フルートやサックスの音(中学時代吹奏楽部でクラリネットを吹いていたので、これらの音が大好きなのです)が際立って聞こえ、本当に心に残りました。吹いているミュージシャンの方々がまた、本当に楽しそうなのです。多分同世代?に近い世代の方々だと思うのですが、あんなに無邪気に楽しそうに演奏している場面を見るのはとってもうれしいし、ステキです。キーボード奏者の素晴らしさを何より感じたのはピアニカで奏でた時でした。路上ライブのピアニカ、アンコールのピアニカ、こんなにピアニカがステキな音を奏でるなんて目からうろこでした。
つよしさんのボーカルはというと、高音もさえざえとしていたし、アンコールの最後のスクリーンまで本当に安定していて、何てすごいんだろうと思ってしまいました。元々大好きな音色の声ですが、そこにものすごい表現力が乗っかって、ますますパワーアップした気がします。ライブの途中でふと、この瞬間バンドメンバーやダンサーさんたちや裏方さんたちや3万の観客たちを間違いなく一人の声が引っ張っているということに思い至って、鳥肌が立ちました。彼のひと声に会場が動かされ、歌声に思わず感極まって泣いたり、音楽に動かされ揺れたりはねたりしていていることが、本人に伝わっていたらいいなあと思います。裏方さんや会場設営、かかわったすべての方々をカウントに入れるともっともっとものすごい人数をひとりで背負っているわけで、そりゃあプレッシャーもあれば、過呼吸だって出るだろうなと・・・。でも昨日の彼は最初から吹っ切れたようにとても強く見えたし、序盤の「歩き出した夏」の終わりあたりですでに会場がひとつになってうねりのようなものすごい盛り上がりを見せていた気がしました。私自身もリズムに身を預けて揺れたりはねたり手を叩いたり、一緒に口ずさんだりすることで、「参加している」という気持ちになれて本当に楽しかったです。
そんな充実の昨日を過ごしたせいか、今日はもう満たされた気分だったので、朝からワイドショーは録画しつつも、着々と家事を済ませてやる気満々で大人のレッスンをしたのですが、その後で「デイリースポーツ」を買って中を開いた途端に「きゃ〜!」と一瞬にして昨日に引き戻されました。写真も記事もスバラシイ!わざわざ駅まで買いに行ってよかったです。それに対して一部スポーツ誌の記事を読んで、そんなこと言ってないじゃないということが書いてあって唖然としました。あの場の3万人が何よりの証人です。つよしさんはこういう記事やなんかを見て人間不信に陥ったり、戦わなきゃと強迫観念に襲われたりするんだろうなあと。ちょっと彼の言葉を理解に当たってのポイントが判った気がしました。
それにしてもわたしが歴代好きになるミュージシャンや演奏家を見ていると、皆さん例外なく言葉で自分の真意を伝えるのがあまりじょうずではありません。この人たちの言葉はきっと音楽なのでしょうし、だからこそ音楽での表現があんなにも素晴らしいのだろうと思います。「音楽が言葉」のひとの真意は「音楽」で受取るのが一番だと、確信を深めたわたしです。

*1:何故か「南くんの恋人」みたいだと思ったのです