ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

やるなあ!

新学期のはじまりと共に、またたくさんの生徒がやって来ました。小さなてのひらの形を整えてあげながら、高校生の子からの「明日6時だよね、先生!」というメールに返信しながら、やっぱりこの仕事が好きと実感しました。
ところで、今日来たTくんに聴音のテストをしていた時のこと。いつもは3音を正しく聞くのがやっとだったのに、今日はいくつまで増やしても完璧に全部の音が取れるのです。わたしは痛く感心して、レッスンノートに「努力の甲斐あって、素晴らしい進歩を遂げていますね。これからも一緒にがんばりましょう!」と書きました。「それにしてもすごいねえ」と誉めちぎっていたら、どんどん居心地悪そうになるTくん、どうしたんだろうと思っていたら、良心がとがめたのか、自己申告してくれました。「せんせい、手で鍵盤を隠しながら弾いてるけどさ、ピアノの蓋が鏡になっててね、先生がどの音を弾いたのかはそこを見ていたから全部わかったの」・・・・・・「なに〜??」一瞬の沈黙の後、大爆笑!ひーひー言って笑ってしまいました。「今までいっぱい生徒が来たけど、そんなことを思いついたのはあんただけよ。よく思いついたこと!」あんまりわたしが笑うので気を悪くしたTくん、「せんせい、そこ笑うとこじゃないよ!怒るトコ!」って叱られたかったのかしらん?この子は楽譜を書かせれば、全部棒だけ先に書いて後から丸を書いたりするし(普通逆でしょ!)本当にユニーク、この「人とは絶対同じことをしない」が、早くピアノに生かされ、花開く日が来るといいなあと思います。
とはいえ、もっかいきちんと後ろを向かせてから聴音をしたら、やっぱりいつもどおり、3音までしか取れなかったので、レッスンノートのコメントは二人で修正液で全部消しました。だまされた自分のアホ加減にあきれつつも、結構なエネルギーの消費でした。出来事としては、最高におもしろかったのですが・・・