ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

天邪鬼な「うぜ〜よ!」ちゃん

この間のレッスンを熱で欠席したあと、フランスへ家族旅行していた「うぜ〜よ!」のMちゃんが久しぶりにレッスンにやって来ました。この子とのレッスンは本当に神経を使うのでお休みが続いてもっとせいせいするかと思ったら、意外にもわたしはさびしくて仕方ありませんでした。今日は来れるというので、わくわくして待っているわたしがいました。やってきた彼女は相変わらず口は悪いですが(笑)保育園から帰ってくると毎日最後のレッスンでやったドレミの歌を口ずさんでいたそうで、全部階名(ドレミ)で歌えるようになっていて、驚きました。どの曲でも階名で歌えるということに気がついたMちゃんは、今まで大好きだった歌たちも歌詞で歌うことを拒否、ドレミで歌うことを教えてと言って、取り付かれたように歌って、指を動かして帰って行きました。今日のレッスンは本当に有意義な時間だったと思います。こんな風に家に帰ってもレッスンのことをいっぱい考えてくれて、やる気満々で来てくれる子どもを見るのは本当に楽しいです。
ところが、最後に来てやっちゃったと言う感じ、最後までわりと機嫌よくがんばったので、今日はごあいさつは無しでもいいかと思って(「ありがとうございました。」のご挨拶をかたくなに拒んで不機嫌になるのです)帰り支度をさせていたら、「挨拶をさせてくれない」と急に怒り出すMちゃん、相変わらずどこで不機嫌を呼んでしまうかさっぱりわかりません。後で聞いたら、あんなに嫌がっていたくせに、いつも挨拶をしたがらない自分をとっても気にしていて、家で何回も今度は絶対ちゃんと挨拶をするんだと意気込んでいたのだそうなのです。戸惑いつつ仕切り直して、「それでは今日のレッスンをおしまいにします。」と背筋を伸ばしてかしこまって言ったら、いつもとは180度違う小さな小さな声で「ありがとうございました。」と言い(緊張のあまり、無表情で怒った顔になっている)いい終わるや否やにっこりして帰って行きました。どうしたらお互いに気持ちよくレッスンが終わるかと、あの手この手で考えますが、この子と向かい合っていると「まだまだだ」と思います。天邪鬼なので中々本音を見せてくれませんが、彼女にとって「信用できる大人」でいられるように、がんばりたいなあ。わたしが何気なく言ったひとことを本当に良くおぼえていてその時は無反応でも、翌週になって「あれはどういう意味だった?」と尋ねられたり、つまらなそうだったのに「あれが好きだった」と言われたり。とにかくレッスンのたびに、少しづつでも距離を縮めていけるといいのだけれど。