ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

(笑)と(苦笑)

先週の木曜日の帯ラジオ、「どんなもんや」で堂本光一くんが、(笑)と書いてあるリスナーの葉書にとても反応していました。
 かいつまんで言えば、「KinKi Kidsで言えば、剛くんは奥さんの出産に立会ってくれそうだけど光一くんは立ち会わなそうなイメージがある(笑)」みたいな内容のハガキだったと思うのですが、(笑)「カッコわらい」が末尾についていることに反応して、「何だこのかっこ笑いは〜笑ってんのかよ〜」と、「傷ついたな」というようなことを冗談っぽく言っていました。立会い出産話はともかくとして(この話だけで終わっちゃうよ)、その(笑)にひっかかり反応した彼を見て、ああ、わたしもそれちょっとわかるって頷けることがあったので書いてみます。
 わたしは紙にペンで書くのではなく携帯やパソコンで文字を入力する時に、顔文字は携帯で最小限度にしか使わないし(パソコンでは全く使いません)、(笑)は使いますが、(苦笑)はまさに光一くんと同じように違和感を感じることが多くて、どうも好きになれず、自分からは使いません。卑近な例で言うと、たとえば「剛くんの新しい髪形変だよね(苦笑)」という文を読むと、微妙にへこみます。「レインは何を考えてるのかさっぱりわからない(笑)」だと「そう?へへへ!」と笑って流せても、「レインは何を考えているのかさっぱりわからない(苦笑)」って書かれると、笑えません。書いている本人の真意は、ただの冗談だとわかっていたり、悪意はなくてもそう、(苦笑)という言葉のなかに勝手にネガティブな空気を感じてしまうのです。
 光一くんが読んだはがきの人はもちろん彼のファンで、ネガティブな意味を意図して(笑)を書くはずもなく、むしろ光一くんが(笑)にそんな風に反応したことを驚いているに違いないと思います。これは受け手と発信者の語感の違いが前面に出た良い例のような気がします。
 話をわたしに戻します。それじゃあ(笑)はどうかというと、わたしは、こちらは結構多用しています。どういう時に使うのかというと、自分の発言の中にトゲを感じられるのではと危惧したときに言葉を和らげようとして使ったり、無意識に暖かさを感じてほしいと思う時、「冗談だよ」と強調したい時などに使っている気がします。それからもうひとつ、自嘲するときにも使います。「いったいいつになったら、整理整頓ってことばの意味を知ることができるのでしょう(笑)」みたいにです。こういう時、わたしなりに前出のような意味合いを込めるなら(苦笑)が望ましいのかもしれませんが、(笑)の代わりに(苦笑)を使って文章を書こうとすると、なぜだか自分の文章の中の「わたし」のバカさ加減が深刻になりすぎてますます自分を追い込んでしまう気がしています。
 なので、わたしは(笑)は使っても(苦笑)は使えないのです。光一くんが果たしてどんな風に思ったのか、短いラジオの中ではわからなかったけど、彼が言う(笑)の語感がなんとなくわたしの(苦笑)に抱いている語感とリンクする気がして、ちょっとだけ書いてみました。
 もちろんこれはわたしの勝手な語感にすぎず、(笑)や(苦笑)が使われ始めた歴史は浅いので、本当のところはわかりません。わたし個人としては、言葉で伝えきれない未熟さを(笑)でごまかしている感もありますが、あくまでも私の抱くイメージとして、こんなことを思っています。